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住宅ローン返済中でも安全にリロケーションするための全知識を解説

最終更新日

転勤・海外赴任時の家の扱い

「リロケーションって、住宅ローンを返している最中でも可能なの?」
「住宅ローンを組んだばかりなのに、転勤命令が出てどうしようか不安」
「住宅ローン返済中にリロケーションを実施する場合のリスク・注意点を知りたい」

住宅ローンがまだ残っているのに転勤や海外赴任が決まった場合、「売却すべきか、空き家にするか、それとも人に貸すべきか」と悩む方は多いでしょう。

その中で、「家を空けている間だけ貸せる」「しかも家賃収入を得られる」というリロケーションは、非常に魅力的な選択肢といえます。

しかしながら、住宅ローン返済中のリロケーションは、しっかりと関係各所に筋を通してから行わないと、契約違反やローン一括返済、損害賠償などの重大なリスクを被る可能性があります。

この記事では、

という内容について、詳しく丁寧に解説していきます。

本記事を読み終える頃には、リロケーションをすべきかどうかの最終判断ができ、損しないための具体的な行動までをしっかりイメージできるはずです。ぜひ最後までお読みください。

住宅ローン中でもリロケーションは可能

結論からいうと、住宅ローンが残っている状態でも、金融機関の同意を得られれば、自宅を賃貸に出す「リロケーション」は可能です。

「リロケーション(Relocation)」とは、転勤や海外赴任などで一時的に自宅を離れるときに、持ち家を売却せずに、その転勤期間中だけ第三者に賃貸することを指します。

リロケーション中は入居者からの家賃収入を得られるため、家賃収入でローン返済や家の維持費用を補填できるのが最大のメリットです。

住宅ローン中にリロケーションを活用して賃貸に出すメリット

  • 【ローンの負担軽減】家賃収入をローン返済に充てられるため、転勤先での二重生活による経済的な負担を大幅に軽減できます。
  • 【資産価値の維持】空き家のまま放置した場合の劣化リスクや犯罪リスクを回避して、家の状態を保つことができます。
  • 【帰る場所の確保】転勤や赴任から戻ったときに家族の思い出が詰まった自宅に確実に帰れるという安心感を確保できます。

ただし、「住宅ローン」は本来であれば契約者本人が住むことを目的としたものなので、無条件に賃貸できる訳ではありません。

ローンの契約違反による一括返済のリスクや税制上の義務など、事前に知っておくべき重要な注意点が存在します。

次章ではこのメリットを安全に享受するために知っておくべき前提知識を、3章ではリロケーションをすべきか判断するためのポイントを詳しく解説していきます。

住宅ローン中のリロケーションで知っておくべき5つの前提知識

「住宅ローン中でもリロケーションは可能」ということがわかったところで、前向きに検討して進めていくために知っておかなければならないことをまとめて解説していきます。

住宅ローン中のリロケーションで知っておくべき5つの前提知識

  • 金融機関への事前相談・承認は必須
  • 借り換えが必要な場合、金利が高くなる
  • 住宅ローン控除は一旦停止する(適用期間が短くなる)
  • 帰ってきたときに自宅に戻れる契約にしなければならない
  • 一定以上の利益が出た場合は確定申告が必須になる

ここで解説する内容は、リロケーションで損しないために不可欠な知識です。かならず確認したうえで、リロケーションすべきかどうか判断しましょう。

金融機関への事前相談・承認は必須

住宅ローン中にリロケーションをする場合、ローンを借りている金融機関への事前相談と承認は必須です。

そもそも住宅ローンは、お金を借りている人が「自ら居住すること」を条件に低金利で組まれています。他人が住むことは想定されておらず、無断で賃貸に出すと契約違反(目的外利用)と見なされ、ローンの一括返済を求められるリスクがあるので注意しましょう。

まずは「短期間の転勤期間だけ賃貸すること」を、金融機関に認めてもらうことが不可欠です。

金融機関によって対応は異なりますが、「一時的な転勤」「将来は家に戻る」というやむを得ない事情があれば、住宅ローンの借り換えや一括返済を求めずに、賃貸利用を認めてもらえるケースがあります。

しっかりと金融機関に筋を通すことが重要です。

【補足】分譲マンションを貸し出す場合は管理組合の許可も必要

分譲マンションをリロケーションで貸し出したい場合には、別途、マンションの管理組合や管理会社の許可も必要となります。管理規約を確認したうえで、管理会社の担当者に相談してみましょう。

借り換えが必要な場合、金利が高くなる

金融機関の承認が得られない場合や、転勤期間が長い場合、期間が決まっていない場合には、住宅ローンから「不動産投資ローン」へ借り換える必要が出てくることがあります。

この場合、不動産投資ローンは事業用融資として扱われるため、優遇金利は適用されず、住宅ローンに比べて金利が高くなります

【比較】住宅ローンと不動産投資ローンの金利相場

  • 住宅ローンの金利相場:0.5%~2.0%程度
  • 不動産投資ローンの金利:1.5%~4.0%程度

借り換えによって金利が上がれば、家賃収入を得ても月々の返済額が増加し、リロケーションによる金銭的メリットが小さくなる点に注意しましょう。

「家を空ける期間が長い(未定)」「金利が高くなる」という場合には、無理にリロケーションせずに売却するという選択肢も検討すると良いでしょう。

住宅ローン控除は一旦停止する(適用期間が短くなる)

リロケーションで賃貸に出す期間は、住宅ローン控除の適用が一旦停止するため、減税効果がなくなるということも知っておきましょう。

正確には、「住宅ローンの契約者本人や家族が、自宅に居住していない期間」は、住宅ローン控除の対象外となります。

なぜならば、「家が自己の居住の用に供されている」ことが住宅ローン控除の要件だからです。契約者本人が単身赴任で家族が住み続ける場合であれば、必要な手続きをすれば控除が継続できるケースがあります。

参考:国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」

しかし全員が退去してリロケーションする場合は、住宅ローン控除対象外となり、控除が一旦停止します。

一旦停止中も控除期間(原則10年/条件を満たす場合は13年)は進行するため、控除を受けられる期間が短くなる点に注意しましょう。

帰ってきたときに「自宅に戻れる契約」を選ぶ必要がある

リロケーションを活用して人に家を貸し出す際は、かならず「帰ってきたときに戻れる」ような契約をしなければなりません。

転勤・海外赴任などから帰ってきたときに確実に自宅に戻るためには、「定期借家契約」のように、契約終了日をあらかじめ定めて、入居者が退去してもらえる契約方法を選択する必要があります。

【定期借家契約と普通借家契約の特徴】

定期借家契約
(リロケーションの場合に推奨)
普通借家契約
(一般的な賃貸借契約)
帰任の確実性 〇確実に戻れる ✖自宅に戻れないリスクあり
契約期間 「3年間」など期間をあらかじめ設定 通常2年で、更新されることが前提
更新 自動更新なし(希望すれば再契約可能) 入居者が希望すれば継続
契約終了・解約 契約期間満了で確実に終了 オーナーからの解約には
正当事由が必要
家賃 相場より安くなる 一般的な家賃相場

通常の賃借契約(=普通借家契約)にしてしまうと、入居者の権利が強いため、「貸主(オーナー)がまた使うから」という理由では退去してもらえません。立ち退いてもらうために高額な立ち退き料が必要になることもあります。

家賃は相場より下がりますが、確実に戻ったときにまた住めるよう、定期借家契約を選ぶことが大切です。

一定以上の利益が出た場合は確定申告が必須になる

リロケーションで得た家賃収入から経費(ローン返済や委託管理費用、固定資産税、減価償却費など)を差し引いた結果、不動産所得として一定以上の利益が出た場合には、確定申告が必須になります。

給与所得者(会社員など)の場合、家賃収入から必要経費を差し引いた金額が「年間20万円」を超える場合には、申告が必須です。(給与所得以外の他の所得がある場合は、合算した所得が年間20万円を超える場合)

※損失(赤字)が出た場合でも、確定申告を行うことで、給与所得と相殺する「損益通算」ができるため、所得税・住民税の還付が受けられる可能性があります。

確定申告の義務があるのに確定申告を怠ると「脱税」となり、追徴課税の対象になる可能性があるので注意しましょう。

なお、転勤先が海外の場合には、自身で申告手続きを行うことはできないため、納税管理人を選任して申告手続きを代行してもらうことが義務付けられています。納税管理人は、リロケーション管理会社や税理士に依頼するのが一般的です。

住宅ローン中のリロケーションをすべきか判断するポイント

前の章では、住宅ローン中にリロケーションをする際に押さえておくべき具体的な注意点を学びました。メリットだけでなく、気を付けなければならないことも多いと感じた方もいるのではないでしょうか。

ここからは、「住宅ローン中でもリロケーションをすべきか」「他の選択肢を検討したほうがいいのか」という最終的な判断に向けて、重要なポイントを解説していきます。

住宅ローン中のリロケーションをすべきか判断するポイント

  • 【費用面】金銭的メリットがどの程度あるかを確認する
  • 【手続き面】手間の増加を許容できるか想像してみる
  • 【情緒面】心理的抵抗・不安感とメリットを天秤にかけてみる

3つの側面から検討することで、自分にとってリロケーションが最適な選択肢かどうかを、納得感をもって判断できるはずです。

【費用面】金銭的メリットがどの程度あるかを確認する

住宅ローン中でのリロケーションを判断する上で、他の選択肢である「空き家維持」や「売却」の場合と比較して、「金銭面でどの程度メリットがあるか」を確認することが非常に重要です。

リロケーションは「ローンの負担軽減」と「資産保持」を両立する有効な手段です。しかし手間もかかるため、実際どの程度金銭的メリットがあるかを確かめてから「リロケーションするかどうか」を判断したほうが後悔のない判断ができます。

※以下のシミュレーション例はあくまで一例であり、実際の物件によって状況や想定家賃、必要経費が変わります。

【前提条件】転勤期間:3年、毎月のローン返済額:10万円、固定資産税・都市計画税:10万円(※物件によるが年間10万円~15万円程度が相場)

空き家のまま放置した場合

家を貸し出さずそのまま放置した場合、ローン返済や維持費(固定資産税や空き家管理サービス)がかかり続けるため、かなりのマイナスが発生します。

【収入】
  • なし

【支出】
  • ローン返済額:毎月10万円(年間120万円)
  • 固定資産税・都市計画税:年間10万円
  • 空き家管理サービス:毎月5,000円

年間:136万円の赤字(120万円+10万円+6万円)
3年:408万円の赤字
となります。

リロケーションで貸し出した場合

家賃13万円(管理委託手数料は10%)で貸し出すことができた場合、毎月のローン返済額10万円と管理委託費用を1.3万円差し引いても、毎月1.7万円のプラスになります。固定資産税・都市計画税を引いても、年間収支は黒字となります。

【収入】
  • 家賃収入:毎月13万円(年間156万円)

【支出】
  • 管理手数料:毎月1.3万円(年間15.6万円)
  • ローン返済額:毎月10万円(年間120万円)
  • 固定資産税・都市計画税:年間10万円

年間:10.4万円の黒字(156万円-15.6万円-120万円-10万円)
3年:31.2万円の黒字
となります。

利益はそれほど大きくないですが、空き家のまま放置した場合(3年で約400万円の赤字)と比べると、かなり金銭的メリットを得られることが分かります。

あくまでシミュレーション例ですが、空き家のまま放置する場合と比べて、上記の例ではリロケーションすることで440万円も金銭的なメリットを享受できる計算となります。

売却した場合

転勤・海外赴任時に家を残さず売却してしまう場合には、まとまった資金を得ることができます。

【収入】
  • 売却価格:4,000万円

【支出】
  • ローン残債:3,000万円
  • 売却にかかる諸費用:250万円

→950万円のプラス
となります。

しかしながら、売却の場合、転勤・海外赴任から戻ってきた場合に帰る家がなく、新しく家を探さなければならないデメリットがあります。

上記はあくまで一例であり、実際の収支シミュレーションは個別に行う必要があります。

自分のケースで、「リロケーションした場合」と「空き家のまま放置した場合」の収支を計算してみて、どの程度金銭的メリットがあるかをまず確認しましょう。

【手続き面】手間の増加を許容できるか想像してみる

前項で見たように、住宅ローン中にリロケーションすることで、家賃収入でローン返済額を補填できるため、空き家のまま維持するよりも金銭面でメリットが大きいのは確実です。

一方で、リロケーションするにあたっては、貸主(オーナー)がしなければならない手続きや手間が発生するのも事実です。

リロケーションする場合に発生する手続きの例

  • 住宅ローンを借りている金融機関に、リロケーションして問題ないかの確認・承諾
  • 借り換えなどが必要な場合は、ローン借り換えの手続きが発生
  • リロケーション会社・管理委託会社を探して、最適な会社と契約
  • 納税管理人(確定申告代行者)の選任(海外赴任の場合)
※入居者募集や入居者との契約、リロケーション中の入居者管理は、リロケーション会社にお任せできます。

金銭的なメリットが大きければ手間をかけてでもすべきですが、メリットが少ない場合(または手続きが面倒くさいと感じる場合)には、リロケーションしない選択肢を選ぶことも検討しましょう。

【情緒面】心理的抵抗・不安感とメリットを天秤にかけてみる

3つ目の判断ポイントは、家を人に貸すことへの心理的負担や、賃貸中の不安など情緒面です。

【メリット VS 心理的抵抗・不安感】

リロケーションのメリット 心理的抵抗・不安感
  • 家賃収入で自宅の維持費をまかなえる
  • 転勤から戻ってきたときに確実に自宅に戻れる
  • 家の劣化や犯罪防止にもつながる
  • 自宅を人に貸すのは抵抗がある
  • 転勤中も家の様子が気になってしまう
  • 家が傷つけられるのではないかと不安

転勤などの一定期間だけ家賃収入を得られる便利なリロケーションですが、人によっては「自分の家を他人に使われること」への心理的抵抗が大きい方もいるでしょう。

また、転勤・海外赴任などで家を離れている間に、「自宅はどうなっているかな」「キレイにつかってくれてるかな」と不安になるのがイヤだという方もいるかもしれません。

こうした心理面への影響が大きくなりそうな方は、リロケーションは向いていないかもしれません。

一方で、ある程度の心理的抵抗があったとしても、「住宅ローン返済分を補填できるなら」「家賃収入を得られるなら」と、享受できるメリットの大きさと比較して許容できる方は、リロケーションに踏み切るべきでしょう。

住宅ローン中のリロケーションを進める正しい手順

ここからは、「リロケーション進めてみようかな」と前向きな判断ができた方に向けて、さまざまなリスクを排除しながら損をせずに進めるための手順を解説していきます。

【住宅ローン中のリロケーションを進める正しい手順】

ステップ1 まずは住宅ローンの規約を確認/相談する
ステップ2 【マンションの場合】管理組合・管理会社の許可を取る
ステップ3 家賃査定・リロケーション会社選定をスタートする
ステップ4 収支シミュレーションを行って最終判断する
ステップ5 不動産会社に入居者募集や管理を委託する
ステップ6 税務署に必要な届出を提出する

「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、しっかりステップごとに進めていきましょう。

まずは住宅ローンの約款を確認/相談する

リロケーションを進めるうえで、まずやるべき最重要なステップは、現在融資を受けている住宅ローンの約款・規約を確認したうえで、金融機関に相談して賃貸の承認を得ることです。

金融機関によって、約款や規約に「明言があるか」「どのように規定されているか」は異なりますので、まずは確認しましょう。

例:楽天銀行の住宅ローンの場合

「当行の承諾を得ないで取得対象住宅を住宅以外の用途に使用したとき」には、「直ちにその債務を返済」と規定があります。

参考:楽天銀行「楽天銀行住宅ローン「固定と変動」変動金利分 約款」

例:フラット35の場合

「転勤等のやむを得ないご事情で、一時的に居住できない場合は、融資住宅に戻ることを前提に賃貸することは可能です。」と書かれています。
ただし「金融機関窓口で住所変更に関する手続き」が必要であり、「投資用物件の取得資金に利用するなどの目的外利用が判明した場合」には、全額一括返済になる旨が規定されています。

参考:住宅金融支援機構「よくある質問>返済中に融資住宅を賃貸にしてもいいですか。」

約款や規約を読んでも、リロケーションの可否が判断できない場合には、金融機関に問い合わせて確認してみましょう。

【マンションの場合】管理組合・管理会社の許可を取る

分譲マンションを貸し出す場合には、金融機関の承認と並行して、管理組合や管理会社に賃貸の許可を取る必要があります。

分譲マンションによっては、賃貸そのものが禁止されているケースがあります。禁止規約を破ってリロケーションをスタートしてしまうと、法的措置に発展するリスクがあります。

賃貸が禁止されている場合でも、「転勤の間だけの期間限定であること」「投資目的ではなく、転勤が理由であること」などを説明して、許可が得られるケースもあるでしょう。

許可が得られたら、賃貸管理までに必要な書類(賃貸借契約書、入居者の連絡先など)を準備して、管理組合への届出を忘れずに済ませましょう。

家賃査定・リロケーション会社選定をスタートする

金融機関と管理組合(マンションの場合)の前提条件がクリアできたら、次に、家を貸し出す場合の想定家賃の確認を行い、リロケーションを依頼する会社を探し始めるべきです。

なぜならば、「どのくらいで貸せそうか」や「入居者が集まりそうか」という情報がなければ、リロケーションを行うかどうかの最終判断(収支シミュレーション)ができないからです。

通常、不動産会社に問い合わせをすると、家賃査定と賃貸提案をセットでもらうことが可能です。

複数の不動産会社に依頼することで、リロケーションでの適正な家賃相場と、各社の管理手数料、サービス内容を比較できます。

会社探しの段階で、次のステップである収支シミュレーションに必要な材料をすべて集めておくべきです。

収支シミュレーションを行って最終判断する

各社から集めた家賃査定の結果や提案をベースに、リロケーションを実施した場合の収支シミュレーションを行いましょう。

3章で解説したように、リロケーション以外の選択肢(空き家のまま維持した場合・売却した場合)と比較したうえで、どの選択肢が自分にとって最善かを判断することが大切です。

シミュレーションの結果、金銭的なメリットが大きいと判断できれば、次のステップへ進みましょう。

不動産会社に入居者募集や管理を委託する

リロケーションを行うと決断したら、いよいよ不動産会社と正式に契約して、入居者募集や管理業務を委託しましょう。

「リロケーション後に自宅に戻れない」「入居者が見つからなかった」などのリスクを避けるために、以下のポイントに注意したうえで正式依頼することをおすすめします。

不動産会社に正式依頼する場合の注意点

  • リロケーションや定期借家契約について理解している不動産会社を選ぶ
  • 帰任後にちゃんと自宅に戻れる契約になっているか、自分でも確認する
  • 管理委託手数料が高すぎないか、複数社比較した上で依頼する
  • 家賃相場が適正かどうかも、比較して判断する
  • 海外赴任の場合、納税管理人の選任・代行サービスがあるか確認する
  • 入居者トラブルにどの程度応じてくれるかも、しっかり確認する

リロケーションについての実績・知識が足りない業者に依頼してしまうと、リロケーション特有のリスクを回避できないことがあるので、注意しましょう。

税務署に必要な届出を提出する

無事にリロケーションの入居者が決まったら、以下の税務署への届出を提出することを忘れずに行いましょう。

リロケーション時に必要な税務署への届出例

  • 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出」を提出する
  • 海外赴任する場合は、納税管理人を選任して「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を提出する(戻ってきた際にも要提出)

【戻ってきた場合(住宅ローン控除期間が残っている場合のみ)】
  • 再入居した日の翌年の確定申告時に、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を添付する必要があります。

手続きの詳細は、以下を参考になさってください。

住宅ローン中のリロケーション会社を選ぶポイント

住宅ローンが残っている自宅をリロケーションする場合の成否は、入居者募集や管理を委託する不動産会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。

なぜなら、リロケーションは一般的な賃貸とは異なり、「転勤から帰ってきたときにちゃんとオーナーが戻れる」という特殊な要望があるからです。

会社選びを誤ると、手間や金銭的なデメリットが増えるだけでなく、最悪の場合、帰任時に自宅に戻れなくなるという重大なリスクを負うことになります。

リロケーションを成功に導くためには、以下の3つの重要な要素を満たす会社を選ぶ必要があります。

家に戻れないリスクを排除する法的なノウハウがあるか

最も重要なチェックポイントは、会社が「定期借家契約」など、家に戻れないリスクを排除する契約方法に慣れているかどうかです。

普通借家契約を選んでしまうと、入居者が退去を拒否した際にオーナーは自宅に戻れなくなります。かならずリロケーションの実績・ノウハウがあり、契約書の内容で帰任時に自宅を取り戻せる確実性を保証できる体制を整えている会社を選びましょう。

契約締結の際は、必ず自分でも契約方法が正しいかを確認することが大切です。

転勤中のオーナーをサポートする体制があるか

オーナーが遠方にいる場合、入居者からのクレーム対応や修繕対応ができません。そのため、緊急トラブルに対応できる体制や、オーナーへの確実な報告体制が整っている会社を選ぶ必要があります。

また、転勤先が海外の場合には、納税管理人の代行サービスを提供しているかどうかも、必須のチェック項目です。

集客力や適正な家賃設定ができているか

会社を比較する際は、管理委託手数料の安さではなく、「期間が決まっている物件でも入居者を決められる力があるか」「適正な家賃を得られるか」を比較して、リロケーション期間中のトータルでの費用対効果を評価すべきです。

とくに入居者が決まりにくい物件やエリアの場合、その会社が持つ独自の集客チャネルやノウハウがあるかも比較しましょう。

定期借家契約の場合、普通借家契約よりも家賃相場が下がる可能性があります。この点を理解し、適切な家賃設定を提案できるか、また、管理委託手数料が相場と比べて高すぎないかを複数社で比較検討し、最終的に信頼して自宅を任せられる不動産会社を選定してください

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まとめ

本記事では「住宅ローンが残っている場合のリロケーション」について、詳しく解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

◆住宅ローン中でもリロケーションは可能

◆住宅ローン中のリロケーションで知っておくべき5つの前提知識
・金融機関への事前相談・承認は必須
・借り換えが必要な場合、金利が高くなる
・住宅ローン控除は一旦停止する(適用期間が短くなる)
・帰ってきたときに「自宅に戻れる契約」を選ぶ必要がある
・一定以上の利益が出た場合は確定申告が必須になる

◆住宅ローン中のリロケーションをすべきか判断するポイント
・【費用面】金銭的メリットがどの程度あるかを確認する
・【手続き面】手間の増加を許容できるか想像してみる
・【情緒面】心理的抵抗・不安感とメリットを天秤にかけてみる

◆住宅ローン中のリロケーションを進める正しい手順
・まずは住宅ローンの約款を確認/相談する
・【マンションの場合】管理組合・管理会社の許可を取る
・家賃査定・リロケーション会社選定をスタートする
・収支シミュレーションを行って最終判断する
・不動産会社に入居者募集や管理を委託する
・税務署に必要な届出を提出する

◆住宅ローン中のリロケーション会社を選ぶポイント
・家に戻れないリスクを排除する法的なノウハウがあるか
・転勤中のオーナーをサポートする体制があるか
・集客力や適正な家賃設定ができているか

住宅ローン中のリロケーションを成功させるには、パートナーとなる不動産会社選びが非常に重要です。一括比較できる「マンション貸す.com」を上手く活用して、最適な会社を見つけましょう。

河上 隼人

Author information

ビーワン先生

税理士/株式会社エイムプレイス 顧問税理士。

医療系の税務会計を主領域に、税務アドバイザーとして社内の数字基盤を整備。レントハックでは不動産の基礎税務(青色申告・減価償却・修繕/資本的支出・消費税の基本)をチェックリストで見える化。
趣味はアフタヌーンティー。 丁寧に淹れた一杯で、複雑な税務もすっきり整理。

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