「サブリースで空き家を貸すのってどうなの?家賃がちゃんと入るうえにオーナーは何もしなくていいなら最高!」
「とにかく全部任せられるならお願いしたいけど、自分は貸せるのだろうか...」
このように、所有する空き家をサブリース契約で貸そうか検討している方もいるのではないでしょうか。
安定した家賃収入や手間や管理いらずといった、魅力的に感じやすい要素が打ち出されるサブリース。
では実際のところどうなのか、それは以下を知っておきましょう。
実際にサブリースで空き家を貸すのが良いかは、向き不向きが分かれます。
なぜなら、サブリース契約は検討項目ごとにメリットとデメリットが表裏一体になるため、一概にこのような人が向いているとはいいきれないからです。
このメリット・デメリットを深く考えずに契約してしまうと、あなたの所有する空き家から得られる家賃収入や経営方針などさまざまな面に影響があります。
そこで本記事では、
- サブリースで空き家を貸すべきか判断するためのポイント
- サブリースを空き家で貸すさいの向き不向き
- 空き家でサブリースをする場合に気をつけること
などについて解説していきます。
サブリースをする場合にどのようなことに注意すべきか、断念する場合の賃貸方法までお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。
サブリースで空き家を貸すのが良いかは向き不向きが分かれる
空き家をサブリースで貸すのが良いかどうかは、人によって向き不向きが分かれます。
なぜならサブリース契約は以下のような検討項目ごとに、メリットとデメリットが表裏一体になるからです。
サブリースは、オーナーがサブリース会社に所有する物件を一括で貸し、サブリース会社が入居者へ転貸する仕組みです。
基本的に、「借地借家法」によりサブリース会社は借主側として保護され、オーナーよりも優位な立場にあるため、このようにメリットとデメリットが表裏一体となります。
さらに、下記のような空き家特有の状況もあり、サブリース会社に委任することも増えやすいでしょう。
【空き家特有の状況】
一般的な家をサブリースする場合よりも、賃料見直しや工事負担費用などの交渉が頻発しやすい→空き家は築年数が立っているため、「貸しにくさ」や「修繕の必要性」が絡みやすくなる
サブリースでは契約後に「思っていた保証賃料と違う」「賃料が下がると言われた」といったトラブルが問題化してきた経緯があります。
国のガイドラインや注意喚起も出ていることから、慎重に判断しなければならないのです。
次の章からは、あなたが空き家をサブリースで貸すべきか、判断ポイントをお伝えしていきます。
サブリースで空き家を貸すべき?3つの判断ポイント
ではあなたがサブリースで空き家を貸すべきなのかどうかについて、判断ポイントは下記3つです。
- 【収益面】家賃が相場より低く今後も下がる可能性があっても貸し出せるか?
- 【運用の手間】物件の運用状況が不透明になっても許容できるか?
- 【経営】疑問や意見があったときに口出しができなくとも許容できるか?
順番に見ていきましょう。
【収益面】家賃が相場より低く今後も下がる可能性があっても貸し出せるか?
まずは収益面において、家賃が相場より低く今後も下がる可能性があっても貸し出せるか?が1つ目の判断ポイントです。
サブリースは、安定的に賃料を得られる一方で、満額の賃料が支払われるわけではありません。
<理由>
(1)空き家だと、築年数や設備の古さも関係し、そもそも賃料が低い(2)サブリースは基本的に、相場賃料の80~90%が賃料となる
(3)一般的にサブリースは、下記のような条件をもとに2年ごとに賃料の見直しが入る
条件例)
- 周辺相場
- 景気後退・需給バランスの変化といった経済事情の変化
- 空室率・入居実績が変動
東京では築20年ほどの戸建てでも立地次第で17万円前後の賃料で貸し出せるケースがありますが、地方エリアなら10万円以下のケースはまれではありません。
仮に10万円で貸し出す場合はサブリース契約にすると8~9万円を受け取ることになり、年額にすると、12~24万円ほどの差が生じることになります。
さらに一般的にサブリースは2年ごとに賃料の見直しが入るため、途中でさらに下がっていく可能性が高いです。
これらを踏まえて、サブリースで空き家を貸し出すか検討する必要があります。
<判断ポイント>
家賃が相場より低く、今後も下がる可能性があっても、貸し出したいと思えるか【運用の手間】物件の運用状況が不透明になっても許容できるか?
2つ目の判断ポイントは、【運用の手間】物件の運用状況が不透明になっても許容できるかどうかです。
サブリース契約を結ぶと、契約後はオーナー自身が日常的に関与する場面はほとんどありません。
入居者対応やクレーム対応、入居者募集といった一般的な賃貸経営の実務は、基本的にサブリース会社が担います。そのため、基本的にオーナーが賃貸経営にかかわる必要はないのです。
一方で、日々の運用状況が不透明になりやすいのも事実です。
<具体例>
- サブリース会社指定の業者を利用するため、オーナーは相見積もりを取れない
- 空室が続いた場合にどのような施策が取られているのか把握しづらい
- サブリース会社からの提案を受け入れる形になりやすい
そのため運用の手間は大きく減る一方で、「物件がどう運営されているのか」が見えにくくなる点は、事前に理解しておきましょう。
「手間がかからないこと」と「運用状況を把握できないこと」を天秤にかけ、どこまで許容できるかによって、サブリースが向いているかどうかは大きく変わります。
<判断ポイント>
手間を極力減らし、運営の詳細が見えにくくなる点を許容できるか。経営の中身に主体的に関与したい場合はミスマッチになりやすい。
【経営】疑問や意見があったときに口出しができなくとも許容できるか?
3つ目は、経営に関して疑問や意見があったときに口出しができなくとも許容できるかどうかです。
サブリース契約をすれば、契約後はオーナー自身が経営判断をおこなう場面はほとんどありません。
入居者の選定や賃料条件、修繕の方針など、賃貸経営に関する重要な判断をサブリース会社がおこないます。
そのため、オーナーは賃貸経営の知識がなくても空き家を貸し出せるというメリットがあります。
しかしその反面、
- 入居者をオーナー自身で選べない
- 管理会社や修繕業者が指定され、比較検討ができない
- 一度契約すると、オーナー側からの解約が容易ではない
といった制約が生じやすくなります。
とくに、賃貸経営に関する知識がない場合は、提示された条件や方針に対して異議を唱えにくく、結果としてサブリース会社主導で経営が進んでしまうケースは少なくありません。
そのため、サブリースを利用すると賃貸経営の主導権を手放すことになりやすく、オーナーへの情報開示が不十分なまま契約が進むケースが問題視されてきました。
国土交通省が「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」を策定し、注意喚起をおこなっている事実もあります。
<判断ポイント>
「判断しなくていいこと」を楽だと感じるのか、「判断できないこと」を不安に感じるのか、この点をどう受け止めるかをよく考えましょう。サブリースで空き家を貸すことが向いている人・向いていない人
サブリースで空き家を貸すべきか、判断ポイントを3つお伝えしました。
つづいては、あなたがサブリースで空き家を貸すのに向いているか向いていないか、どちらに該当するのか解説していきたいと思います。
空き家のサブリースが向いている人|ほんのわずかの家賃収入でも構わない!使わないし手間もかけたくない人のみ
空き家のサブリースが向いている人は、ほんのわずかの家賃収入でも構わないから、使用予定がなく、とにかく手間をかけたくない人だけです。
家賃収入として、あなたが収益として得られるのは、賃料のおおよそ80%です。
<賃料相場の確認方法>
得られる収益の目安を調べるには、SUUMOやHOME'Sなどを利用してみましょう。空き家のあるエリアや築年数、広さ、設備などを入力して、検索すると大体どのくらいの賃料で貸し出せるかが把握できます。
さらに契約内容や運用状況によっては、途中で賃料の見直しが入る可能性がある点も理解しておく必要があります。
まずは相場と想定される手取りを冷静に把握したうえで、その条件でも納得できるかどうかを判断することが大切です。
「収益を最大化したい人」ではなく、収入は最低限でもよいから手間をかけずに空き家を維持したい人向けの選択肢がサブリースだといえます。
空き家のサブリースが向いていない人|少しでも自分の意見を反映したい・いつか住もうと思っている人
空き家のサブリースが向いていないのは、少しでも自分の意見や方針を物件運営に反映したい人やいつか住もうと思っている人です。
空き家の運営について意見や方針がある方には、サブリースは向いていません。
サブリース契約では決定権の多くをサブリース会社が握るため、オーナーの意見を反映させることは基本的に難しいからです。
さらに、将来的に空き家を自分や家族が使う予定がある場合も、サブリースは不向きです。
借地借家法では、貸す側よりも借りる側が法律上強く保護されており、サブリース会社が「借主」の立場になります。
そのため借地借家法第28条「建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件」では、サブリース会社との契約解除には正当事由が必要であることが定められています。
「自分が住みたい」といったオーナーの都合だけで簡単に契約を解約することはできません。
30年契約などの長期サブリースの場合、途中解約を希望しても、多額の違約金が発生したり、解約自体が認められなかったりするリスクがある点には注意が必要です。
空き家の活用方法はサブリースだけではない
管理委託であれば、入居者募集や日常管理といった手間はプロに任せつつ、賃料設定や修繕方針などの判断はオーナー自身でおこなうことができます。
- 手間を減らしながらも
- 一定の主導権を残したい
「5.【空き家でサブリースをしない場合】管理委託を再検討しよう」では管理委託について解説していきますので、ご覧ください。
【空き家でサブリースをする場合】失敗しないためのポイント3つを確認しよう
自分は空き家をサブリースで運用していきたいと思ったとき、以下のポイントを押さえて失敗のリスクを防ぎましょう。
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順番に解説します。
自分の空き家を貸せるか確認しよう
前提として、どんな空き家でもサブリース契約ができるわけではありません。
サブリース会社も事業として収益を得る必要があるため、契約を引き受けるかどうかは物件の状態や権利関係によって判断されます。
とくに、次のような点は契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
| 確認項目 | 詳細 |
|---|---|
| 所有権が単独か共有か | 共有名義の場合、契約内容の決定にほかの共有者の同意が必要になり、法的な問題が生じやすい |
| 遺品・家財が残っていないか | 室内に物が多いとそのまま貸し出すことができず、処分や整理が必要になることが多い |
| 雨漏りや構造上の不具合がないか | 修繕後もリスクが残りやすく敬遠されやすい |
| 建物の老朽化が進みすぎていないか | 老朽化が激しいと、継続的な修繕リスクが高いと判断される |
| 多額の初期修繕が必要ではないか | 修繕費が過大になると、オーナー負担でも事業リスクの高さを懸念される |
| 立地的に賃貸需要が見込めるか | 入居が見込めない立地では、サブリース自体が成立しにくい |
これらの条件に問題がある場合、サブリース契約を断られる、もしくは賃料が大きく下がる可能性があります。
とくに空き家の場合は、「修繕費をオーナーが負担すれば必ず貸せる」というわけではなく、修繕後も安定して再賃貸できるかどうかが重視される点に注意が必要です。
契約内容を正確に理解しよう
サブリースで非常に多い失敗が、契約内容を十分に理解しないまま契約してしまうケースです。
実際に国土交通省や消費者庁も、サブリース契約をめぐるトラブルの多くは「契約時の説明不足・理解不足」に起因すると注意喚起しています。
(出典:国土交通省「適正化のための措置(規制の内容・標準契約書等)」
出典:消費者庁「賃貸住宅経営(サブシール方式)の契約を検討する方へ マスターリース契約 注意喚起」)
実際に国土交通省が実施した賃貸住宅管理業務に関するアンケートでは、サブリース契約において下記のような賃料に関する説明を受けているオーナーは、60%程度にとどまっています。
そこでこのような不利な状況に陥らないためにも、とくに以下の3点は必ず契約時に書面で確認すべき重要項目です。
| 確認項目 | 注意点 |
|---|---|
| 保証賃料 | 固定期間があっても減額される可能性がある
契約時点で「保証賃料」が明示されるが、
|
| 賃料見直し | 数年ごと(例:2年)に賃料の妥当性が見直される
賃料見直しについては、次の点を必ず確認
|
| 解約条件 | 契約満了=自由に解約できるとは限らない
サブリースは期間満了後も自動で更新されるケースが一般的。 オーナーからの解約や更新拒絶には正当事由が必要となるため、長期にわたり契約を解消できないリスクがある。 |
※正当事由:契約更新拒絶や解約を申し入れるときに必要な、裁判で認められる合理的な理由
契約時にこれらの項目を確認しなければ、想定していた収益が得られないだけでなく、途中で条件が大きく変わっても受け入れざるを得ない状況に陥る可能性があります。
サブリースは一度契約すると解約が難しいからこそ、契約前の確認が何より重要です。
信頼できるサブリース会社を選定しよう
サブリースで失敗しないためには信頼できるサブリース会社を選択する必要があります。
同じサブリースでも会社によって契約内容が異なるだけでなく、説明の丁寧さや条件の透明性、トラブル時の対応などに大きな差があるため、比較検討が非常に重要です。
とくに以下のような点をしっかり比較し、不利な条件も事前に説明してくれるかチェックしましょう。
- 保証賃料(保証率)
- 賃料見直し条件
- 一括借上期間・更新の扱い
- 解約条件(オーナー側/事業者側)
- 空室保証の範囲
- 原状回復・修繕負担の境界線
- 管理内容の範囲
以下の記事では、おすすめのサブリース会社を7社比較しています。
サブリースの実績がある会社だけを管理実績が多い順にまとめており、細かな条件を一覧で比較できる記事となっていますので、ぜひご覧ください。
「【実力重視】サブリース会社7選!各社の強みから最適な会社を選択」
【空き家でサブリースをしない場合】管理委託を再検討しよう
サブリースを利用しない場合、空き家の管理委託を再検討してみましょう。
管理委託というと、「結局は手間がかかるのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし実際には、プランや管理会社によって“ほぼお任せ”にできるケースも多くあります。
管理委託でもサブリース並みにおまかせできる.com」
- 入居者募集
- 契約手続きや家賃回収などの入居者対応
- 24時間体制のトラブル対応
- 原状回復や修繕手配などの業者対応
- 定期巡回
遠方にある空き家であっても、管理会社の対応次第では有事の際にオーナーが現地へ行かずに済むことも珍しくありません。
そして管理委託であれば日常業務は管理会社に任せつつ、重要な判断についてはオーナー自身がおこなえます。
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このような空き家の運用方法や将来的な出口戦略を柔軟に考えたい方にとって、管理委託は理想的な選択肢となります。
サブリースのように長期で主導権を手放す必要がないため、状況に応じて運用方針を見直せる点が、管理委託の大きなメリットといえるでしょう。
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まとめ
サブリースで空き家を貸すことの善し悪しについて、判断できましたでしょうか?
最後に、本記事の要点をまとめていきます。
◎サブリースで空き家を貸すのが良いかは向き不向きが分かれます
◎あなたがサブリースで空き家を貸すべきなのか。判断ポイントは3つです
|
◎空き家のサブリースが向いている人は、ほんのわずかの家賃収入でも構わないから、使う予定がなく、とにかく手間をかけたくない人のみです
◎空き家のサブリースが向いていないのは、少しでも自分の意見や方針を物件運営に反映したい人、そして今後住む予定がある人です
◎自分は空き家をサブリースで運用していきたいと思ったとき、以下のポイントを押さえて失敗のリスクを防ぎましょう。
|
◎サブリースを利用しない場合、空き家の管理委託を再検討してみましょう
本記事があなたの空き家を貸すか否かの参考になれば幸いです。
Author information
見村 奏太
平成9年7月15日生まれ
東京都渋谷区出身
不動産会社での営業経験を経て、エイムプレイスに入社。
趣味は海外サッカー観戦。ヨーロッパの試合をチェックするために、時差をものともせず情報を追いかける姿勢は、仕事においても活かされている。
記事執筆では常に「正確で役立つ情報を届けること」を大切にし、オーナー・不動産会社の双方にとって価値のある視点を提供している。


