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サブリースでは利回りが低くなる!そうなる理由と計算方法を実践解説

最終更新日

不動産投資・副収入としての活用法

「サブリースの利回りは魅力的に見えたのに、実際に手元に入る金額は思ったより少ないようだ」 「長期的に見て、本当に採算が合うのか不安」

これは、サブリース契約を検討する多くのオーナーが抱える疑問ではないでしょうか。

空室リスクを回避できるという安心感は、確かに大きな魅力です。しかし、その裏には、表面利回りだけでは見えないコストや、将来の減額リスクがあります。だからこそ、サブリースの利回りをしっかり把握しておくことが不可欠です。

本記事では、サブリースの利回りについて詳しく解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】

  • サブリース利回りが低くなる仕組みと理由が明確にわかる
  • 自分で実質利回りを計算し、収益性を正確に把握できるようになる
  • 契約前にチェックすべき重要ポイントを理解し後悔しない判断ができる

サブリースの利回りについて、正しい知識を身につけていきましょう。

サブリースの利回りとは?一般賃貸との違いと基本の知識

まず、サブリースの利回りについて、押さえておきたい基本的な事項から確認していきましょう。

  1. サブリースの利回りは一般的な賃貸(管理委託)より低くなる
  2. 表面利回りだけでは判断できない実質利回りに注意が必要
  3. サブリースの契約形態(賃料固定型/実績連動型)の違いも理解しておく

サブリースの利回りは一般的な賃貸(管理委託)より低くなる

「サブリースの利回りってどれくらい?」という疑問に結論からお伝えすると、サブリース方式では、管理委託を活用する一般的な賃貸と比べて、利回りが低くなります。

そもそもの前提から整理しましょう。サブリースとは、オーナーがサブリース業者とマスターリース契約をして、物件を一括借り上げしてもらう仕組みです。

出典:国土交通省・消費者庁・金融庁「賃貸住宅経営において(サブリース方式)特に注意したいポイント」

入居者とオーナーは直接契約せず、サブリース業者が入居者へ転貸(又貸し)する形になります。

多くのサブリース契約では、サブリース業者がオーナーに支払う家賃(保証賃料)は、市場賃料の80〜90%程度の価格です(その代わり、空室リスクをサブリース業者が引き受けます)。つまり、市場家賃との差額である10〜20%程度は、サブリース業者の収益となり、オーナーにとってはコストと捉えられます。

一方、一般的な管理委託の手数料は家賃の5%程度です。この差額分(5〜15%程度)の利回りが、サブリースでは低下することになります。

たとえば年間家賃収入120万円の物件で、サブリース保証家賃が85%の場合を考えてみましょう。オーナーの受取額は約102万円に減ります。物件価格2,000万円とすると、表面利回りは6%から5.1%へ低下する計算です。

この保証賃料の安さが利回り低下の主因であり、空室リスク回避の対価として受け入れる必要があります。

表面利回りだけでは判断できない実質利回りに注意が必要

注意したい点としては、表面利回りは、実際の投資判断には使えません。管理費や税金などの諸経費を考慮していない、見かけだけの数字だからです。

固定資産税や保険料などを差し引くと、手元に残る純収入は大幅に減少します。さらに不動産取得税や仲介手数料など、購入時のコストを含めればさらに利回りは下がります。

たとえば、物件価格1億円・年間家賃収入700万円なら表面利回りは7%ですが、経費200万円を差し引けば実質利回りは5%まで低下します。経費控除後の手残り(実質利回り)を算出して判断しなければなりません。

※具体的な計算方法は、この後で解説します。

サブリースの契約形態(賃料固定型/実績連動型)の違いも理解しておく

補足として、一般的にサブリースといえば、空室に関わらず一定の賃料が保証される「賃料固定型」がイメージされることが多いでしょう。

しかし、業者によっては実際の家賃収入に応じて支払額が変わる「実績連動型」という形式を提案されることもあります。念のため、その違いを理解しておきましょう。

項目
賃料固定型(空室保証型)
実績連動型
オーナーへの支払額
空室に関わらず毎月一定額
実際の入居率や家賃収入に応じて毎月変動
コスト
10〜20%(高め)
5〜10%(低め)
空室リスクの負担
サブリース会社が負担
オーナーが負担
特徴
「空室保証」という安心感がある/コストが高い
コストが安い/空室保証がない

賃料固定型は安定収入を得られる代わりに、市場家賃と保証家賃の差額が10〜20%程度と高めに設定されます。実績連動型は収入が変動する代わりに、手数料が比較的低く抑えられています。

契約しようとしているサブリースがどちらのタイプなのか、かならず契約書で確認してください。これを誤解すると、将来の収支計画が大きく狂う原因となります。

サブリース物件の実質利回りを自分で計算する3ステップ

サブリースの利回りを、営業担当者の提示する数字だけで判断するのは危険です。自分自身で実質利回りを計算し、物件のリアルな収益性を把握しましょう。ここでは3つのステップに分けて、具体的な算出方法を解説します。

  1. ステップ1:年間の手取り家賃収入(保証賃料)を算出する
  2. ステップ2:年間の運営経費(管理費や税金)を合計する
  3. ステップ3:計算式に当てはめ手残りの利回りを把握する

ステップ1:年間の手取り家賃収入(保証賃料)を算出する

まずは、最初に年間で実際に受け取れる家賃収入を明確にしましょう。サブリース契約では契約書に記載された保証賃料が基準となります。

【年間保証賃料の計算方法】

  • 月額保証額の確認:契約書に明記された月額保証賃料を確認します。たとえば月額9万円なら、年間108万円です(9万円×12カ月)。
  • 段階保証の有無:初年度と次年度以降で保証額が変わる契約もあります。「初年度10万円、3年目以降9万円」といった段階的な設定があれば、各年の金額を把握してください。
  • 免責期間の考慮:新築時や退去時に免責期間(家賃支払いなし期間)がある場合、その分を差し引いて実際の年間収入を算出します。

たとえば月額保証9万円で新築2カ月免責の場合、初年度の実収入は90万円(9万円×10カ月)です。提示された表面利回りは満室想定かもしれませんが、サブリース契約下では保証賃料ベースで計算する必要があります。この年間手取り家賃収入が実質利回り計算の土台となるため、正確に把握しましょう。

※免責期間については、後ほど詳しく解説しますので、このまま読み進めてください。

ステップ2:年間の運営経費(管理費や税金)を合計する

次に物件運営にかかる年間経費をすべて洗い出します。利回りを、収入から経費を差し引いた純利益で評価するために重要なステップです。

【主要な経費項目の例】

  • 管理関連費用:サブリースでも別途管理手数料が発生する契約があります。また、区分マンションなら管理費・修繕積立金が毎月必要です。
  • 固定資産税と都市計画税:毎年1月1日時点の所有者に課される税金で、評価額に応じて数万円から数十万円以上かかります。納税通知書で金額を確認しましょう。
  • 保険料:火災保険や地震保険の年間保険料も経費です。契約内容によりますが、1室あたり年間数万円程度を見込んでください。
  • その他コスト:確定申告の費用(税理士への報酬など)、専門家への相談費用、共用部の水道光熱費の負担などがあれば計上します。

たとえば年間家賃収入108万円に対し、管理費・修繕積立金が年15万円、固定資産税が年10万円、保険料2万円なら、合計経費は27万円です。こうした運営コストは確実に発生するため、見落としがないよう拾い出し、年間合計額を算出してください。

ステップ3:計算式に当てはめ手残りの利回りを把握する

最後にステップ1の年間収入からステップ2の年間経費を差し引き、その純収入をもとに実質利回りを計算します。計算式は次の通りです。

【実質利回りの計算式と使い方】

  • 基本計算式:「実質利回り(%)=(年間保証賃料 − 年間経費) ÷ 総投資額 × 100」となります。総投資額には物件価格に加え、購入時諸費用(仲介手数料・登記費用・不動産取得税など)も含めます。
  • 具体例での検証:年間保証賃料108万円、年間経費27万円、物件総額2,200万円(諸費用込)とすると、年間純収入は81万円です。実質利回りは81万円÷2,200万円×100=3.68%となります。
  • 長期シミュレーション:単年だけでなく5年後・10年後の利回りも試算しましょう。保証賃料の改定や修繕費の発生を織り込んで、長期的な収益性を確認します。

営業資料で「表面利回り6%」とアピールされていても、経費控除後の実質利回りは3〜4%台に落ち込むケースは少なくありません。算出した実質利回りこそが、物件の実際の収益性です。この数字をもとに投資判断を下してください。

さらに、ここで計算した利回りよりも数字が下がるリスクがいくつか存在します。続けて以下で確認していきましょう。

サブリース利回りを大きく下げる5つのリスク要因

サブリース契約では、当初の想定以上に利回りが低下するリスクが存在します。長期視点で見たときに、どのような要因が利回りを押し下げるのか、理解しておきましょう。5つのポイントを解説します。

  1. 【保証賃料の見直し】減額により恒久的に利回りが下がる
  2. 【免責期間】契約開始時や退去時に利回りが低下する
  3. 【修繕費】修繕の発生時に利回りが低下する
  4. 【中途解約の違約金】想定外の出費で収支計画が崩れる
  5. 【サブリース会社倒産】利回り以前の問題が発生する

【保証賃料の見直し】減額により恒久的に利回りが下がる

サブリースの保証賃料は、契約当初は魅力的な金額でも、定期的な見直しで減額されるケースが一般的です。多くの契約では、あらかじめ定めた期間(例:2年)ごとに、保証賃料を協議する条項があります。

出典:国土交通省「特定賃貸借標準契約書」

仮に、「20年間家賃保証」と宣伝されていても、実際には定期的な家賃改定で金額が減っていくことが多いため、注意が必要です。

たとえば、初年度の月額保証9万円(年間108万円)が2年後に8.5万円へ減額されると、年間収入は102万円に減少します。物件価格2,200万円なら利回りは4.9%から4.6%へ低下する計算です。

保証賃料は将来下がる前提で収支計画を立てるのが安全策といえます。

【免責期間】契約開始時や退去時に利回りが低下する

サブリース契約には「免責期間」と呼ばれる、家賃支払いなし期間が設定されるケースがあります。この期間中は、オーナー収入がゼロとなります。

出典:国土交通省「特定賃貸借標準契約書」

たとえば、「新築時(契約開始時)より1〜3カ月間」「退去時は1カ月」のように設定され、これは利回りに大きく影響します。

たとえば、月額保証9万円で新築時2カ月免責なら、初年度収入は18万円減り年間90万円になります。物件価格2,200万円だと利回りは4.9%から4.1%へ0.8ポイント低下する計算です。

免責期間の有無と長さは契約書に明記されているため、かならず確認してください。新築時1〜2カ月程度ならば許容範囲ともいえますが、それ以上となる場合には交渉も検討しましょう。

【修繕費】修繕の発生時に利回りが低下する

サブリース契約でも、オーナー負担となる修繕費用は発生します。基本的には、通常の修繕はオーナー負担、入居者の過失による損傷は入居者負担と考えましょう。

負担範囲の詳細や金額については、サブリース会社と十分に協議を行い、契約書に明確に盛り込んでおくことが重要です。できるだけリアルな見込み金額を踏まえて、利回りの計算に修繕費を見込んでおきましょう。

将来的に生じることがわかっている修繕については、中長期的な修繕計画を立てておくことも大切です。

【中途解約の違約金】想定外の出費で収支計画が崩れる

ここからは利回りとは少し異なりますが、コスト面でのリスクについて把握しておきましょう。

仮に、サブリース契約をオーナー都合で途中解約する場合には、高額な違約金が発生することを十分に理解しておきましょう。借地借家法上、サブリース会社は借主の立場にあるため、オーナー側からの解約は非常に困難だからです。

違約金の相場は家賃の6カ月分程度とされることが多く、契約によってはそれ以上の期間が設定されている場合もあります。

契約締結前に、オーナー側から解約できる条件と違約金額をしっかり確認しておきましょう。また、途中解約せずに済むよう、契約前に十分検討してください。

【サブリース会社倒産】利回り以前の問題が発生する

サブリース会社自体が経営破綻した場合、利回り以前の深刻な問題が発生します。家賃保証という仕組みそのものを失い、契約の前提が崩壊してしまいます。

倒産による被害は、家賃収入が途絶えることだけではありません。たとえば、入居者が預けている敷金を会社が預かったまま倒産すると、オーナーが退去時の敷金返還や原状回復費用を肩代わりする場合もあります。実際、サブリース業者の倒産事例が報告されています。

契約前に、サブリース会社の財務健全性をチェックすることが重要です。上場企業や大手不動産会社系列なら倒産リスクは低いですが、中小業者の場合は過去の業績やオーナーの評判など、情報収集に努めましょう。

参考:国土交通省「今後の賃貸住宅管理業のあり方に関する提言(概要)」

提案されたサブリース利回りの妥当性を判断する基準

営業担当者から提示された利回りが適正かどうかを見極めるには、複数の視点から比較検討する必要があります。うのみにせず、さまざまな角度から妥当性を検証しましょう。

  1. 周辺エリアの類似物件の利回りと比較する
  2. 通常の管理委託で運営した場合の利回りと比較する
  3. 長期的な収支シミュレーションを作成し将来性を見る

周辺エリアの類似物件の利回りと比較する

まずは、その物件が立地するエリアの利回り相場を把握し、提案された金額と比較します。同じ地域・同じタイプの物件で、どの程度の利回りが一般的かを確認しましょう。

たとえば、ワンルームの賃貸住宅(一棟)の場合、期待利回りはおおむね4〜5%台が目安とされています。東京では4%前後、名古屋や京都では4.5%前後、札幌や仙台では5%前後といった具合に、地域でも差があります。

提案されたサブリース利回りを相場と比較したとき、極端な差がある場合は理由を探ることが大切です。高すぎる利回りなら、見えていない裏にリスクがあるかもしれません。低すぎる利回りなら、物件価格が割高、あるいは保証賃料が安すぎる可能性が考えられます。

相場を知るための具体的な調査方法としては、同じエリア・同規模の査定を複数の会社から取り寄せる方法がおすすめです。

「マンション貸す.com」では、厳選された最大6社から提案が届きますので、以下のリンクよりお気軽にご利用ください。

参考:日本不動産研究所「第52回「不動産投資家調査®」(2025年4月現在)の調査結果」

通常の管理委託で運営した場合の利回りと比較する

サブリースを使わず、通常の賃貸管理委託で運営した場合の利回りとも比較してみましょう。

たとえば、月額10万円で貸せる物件を通常賃貸した場合、空室率10%・管理料5%とすると、年間の手取りは約103万円です。サブリースで保証賃料を8万円/月(市場賃料の80%)とすると、年間収入は96万円です。物件価格2,500万円なら、通常賃貸約4.1%に対してサブリース3.8%といった具合に、利回りは下がります。

一方、通常賃貸における空室率がより高くなる見込みの場合には、サブリースのほうが利回りが高くなるケースもあるでしょう。

通常賃貸の場合の利回りを一度シミュレーションし、提案されているサブリース利回りが適切な範囲か確認してください。

長期的な収支シミュレーションを作成し将来性を見る

提示された利回りが単年ベースで妥当でも、長期的に維持できるかは別問題です。保証賃料は2年ごとに5%減額するなど段階的に下がることが多く、築年数に応じて大規模修繕や設備交換費用も発生するためです。

各年の家賃収入・経費・キャッシュフローを年次表にまとめ、利回りの推移を算出しましょう。

たとえば、「初年度の表面利回り6%→実質4%でスタートし、10年後には実質3%まで低下するものの、借入完済後の20年目にはキャッシュフローが改善する」など、シナリオごとに可視化することが大切です。

この長期シミュレーションにより「当初6%だった利回りが、長期平均で何%に落ち着くか?」が見えてきます。単年の数字だけで判断せず、長期的な視点で妥当性を検証してください。

サブリース契約前に最終確認すべき5つのチェック項目

契約締結前には重要な契約条件について最終確認を行うことが不可欠です。細かな点を見落として契約すると、後々深刻な後悔につながります。以下のポイントを確認しましょう。

  1. 保証賃料の見直しの時期と条件は明確か
  2. 修繕費用の負担区分は詳細に記載されているか
  3. オーナー側からの中途解約の条件は不利でないか
  4. サブリース会社からの解約条件はどうなっているか
  5. 免責期間(空室保証がない期間)の有無と長さはどうか

保証賃料の見直しの時期と条件は明確か

契約書に記載された保証賃料の改定時期と条件をまず確認しましょう。見直し頻度が不明確だと、サブリース会社の裁量で早期に大幅減額されるリスクがあるためです。

また「○年間賃料固定保証」と宣伝されていても、契約期間と家賃保証期間が一致しないことが多い点に注意が必要です。

2年ごとなど頻度が具体的に書かれているか、「○%を上限に改定可」など上限幅があるか確認します。「保証賃料○万円、○年ごと見直し(上限○%)」のように条件を整理してみるとわかりやすいでしょう。

家賃保証の条件はサブリース契約の主軸ともいえる部分です。絶対におろそかにせず、納得できるか判断してください。

修繕費用の負担区分は詳細に記載されているか

契約書中の修繕費・原状回復費用の負担区分に関する条項を見落とさないよう注意しましょう。曖昧な表現があると、後でトラブルになりかねません。費用項目ごとに負担者が明確に分かれていることが重要です。

出典:国土交通省「特定賃貸借標準契約書」

通常損耗はオーナー負担、入居者の故意・過失は入居者負担、大規模修繕や設備交換などについても、どちら負担か明記されているはずです。サブリース会社が代行請求するのか、敷金で充当するのかも確認しましょう。

オーナー側からの中途解約の条件は不利でないか

契約書に記載された、オーナー側から中途解約する場合の条件もしっかり確認しましょう。

途中で物件売却などで、サブリースを辞めたくなる可能性もあります。そのときに身動きが取れなくならない契約か、事前に吟味する必要があります。

契約期間中にオーナー側からの解約が一切認められない条項や、違約金が家賃12カ月分といった極端に高額な設定がないか確認します。また、解約を申し入れる場合の予告期間(何カ月前までに通知すべきか)も確認しておきましょう。

納得できない場合は、契約を見送る勇気も必要です。

サブリース会社からの解約条件はどうなっているか

サブリース会社側から契約を解約・解除できる条件についても、確認が必要です。会社側に有利すぎる解約条件があると、オーナーの意思に反して契約が終了し、保証賃料が途絶えるリスクがあります。

サブリース会社が無条件で契約解除できる期限があるか、「オーナーが家賃減額に同意しない場合、契約解除できる」といった条項がないか確認します。実際に家賃減額交渉が折り合わず、契約解除された例も見られます。

サブリース会社側に有利すぎる解約条件がないか吟味し、不明点は説明を求めましょう。事前に相手側の解約権限を把握すれば、「いつまで安心して任せられるか」の目安がわかります。

免責期間(空室保証がない期間)の有無と長さはどうか

契約における免責期間の有無とその長さについては、正確に把握しておきましょう。免責期間中は家賃支払いが発生せず、オーナー収入がゼロとなり利回りに大きく影響するためです。「新築6カ月免責」など長すぎる場合は、投資計画に大きく影響します。

免責期間については、契約書中に「免責」という言葉や「家賃支払開始日は○○から」といった表現で明記されています。一般的には1〜3カ月程度です。新築時のみなのか、退去時ごとに発生するのかも重要です。

免責期間が自分の許容範囲か判断し、不安があれば契約前に短縮交渉を行ってください。契約段階では免責を織り込んだ利回りを再計算し、初年度利回りや長期平均でどれくらい下がるか確認しましょう。

サブリースの利回りに不安があれば比較検討することが大切

サブリース会社の提案や利回りに不安がある場合には、比較検討することが大切です。そのためにご活用いただきたいのが、「マンション貸す.com」です。

最短60秒の簡単入力で厳選された最大6社から査定が届きますので、本当に信頼できる会社と出会うためにご利用ください。

まとめ

本記事では「サブリースの利回り」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

最初にサブリースの利回りについて、基本的な知識を確認しました。

  1. サブリースの利回りは一般的な賃貸(管理委託)より低くなる
  2. 表面利回りだけでは判断できない実質利回りに注意が必要
  3. サブリースの契約形態(賃料固定型/実績連動型)の違いも理解しておく

サブリース物件の実質利回りを自分で計算する3ステップを解説しました。

  1. 年間の運営経費(管理費や税金)を合計する
  2. 表面利回りだけでは判断できない実質利回りに注意が必要
  3. 計算式に当てはめ手残りの利回りを把握する

サブリース利回りを大きく下げる5つのリスク要因は以下のとおりです。

  1. 【保証賃料の見直し】減額により恒久的に利回りが下がる
  2. 【免責期間】契約開始時や退去時に利回りが低下する
  3. 【修繕費】修繕の発生時に利回りが低下する
  4. 【中途解約の違約金】想定外の出費で収支計画が崩れる
  5. 【サブリース会社倒産】利回り以前の問題が発生する

提案されたサブリース利回りの妥当性を判断する基準は以下のとおりです。

  1. 周辺エリアの類似物件の利回りと比較する
  2. 通常の管理委託で運営した場合の利回りと比較する
  3. 長期的な収支シミュレーションを作成し将来性を見る

サブリース契約前に最終確認すべき5つのチェック項目を解説しました。

  1. 保証賃料の見直しの時期と条件は明確か
  2. 修繕費用の負担区分は詳細に記載されているか
  3. オーナー側からの中途解約の条件は不利でないか
  4. サブリース会社からの解約条件はどうなっているか
  5. 免責期間(空室保証がない期間)の有無と長さはどうか

サブリース契約は「空室リスクなし」「家賃保証で安心」という魅力が強調されがちですが、その裏側にある利回り低下要因や契約リスクを正しく把握することが大切です。本記事で得た知見を活かし、納得のいく判断をしていただければ幸いです。

戸谷 太祐

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戸谷 太祐

株式会社エイムプレイス 社外取締役

賃貸経営は思い通りにいかず、不安や迷いが生まれがちです。私はオーナー様が納得して判断できる環境を整えることを使命としています。専門用語を減らし、判断に必要な情報や手順を整理し、入居者募集・原状回復・更新といった運用サイクルを仕組み化。記事発信やマッチングを通じて、初めての方でも安心して比較・検討できる環境を「レントハック」で提供しています。

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