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不動産を有効活用したい人へ!6つの方式と15の手法を詳しく解説

最終更新日

不動産投資・副収入としての活用法

「土地を持っているけど、どう活用すればいいかわからない」「相続した不動産が空き家になっていて、固定資産税だけが重荷になっている」

不動産オーナーにとって、土地や建物を収益源に変えられるかどうかは、重大な問題です。しかし、具体的に何ができるのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産を有効活用するための6つの方式と15の具体的手法を、それぞれのメリット・デメリット・適した条件とともに詳しく解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】

  • 不動産活用の全体像がつかめ、自分の土地に適した方式・手法がわかる
  • 初期投資額・収益性・リスクを比較して、最適な選択肢を見つけられる
  • 失敗を避けるための実践的な知識が身につく

不動産活用で確実な成果を得るために、ぜひ最後までお読みください。

不動産を有効活用する6つの方式(全体像)

最初に、不動産活用の全体像として、大枠から押さえていきましょう。資金調達や建設、運営管理の役割分担によって、大きく6つの方式があります。

自己建設方式

オーナーが、資金調達から建築、運営管理まですべてを主導する方式が自己建設方式です。自分で事業計画を立て、金融機関から融資を受け、設計事務所や建設会社と契約して建物を建てます。

【自己建設方式の特徴】

  • 収益の全額を獲得できる:賃貸収入はすべてオーナーのものになるため、ほかの方式と比べて最も高い収益性が期待できます。中間業者への手数料が発生しないため、満室稼働時の利益率は高くなります。
  • リスクと負担もすべて負う:事業の失敗や空室リスク、ローン返済の責任はすべてオーナーが負います。専門知識やノウハウが不足していると、計画段階から失敗する可能性が高まります。
  • 多額の借入が必要となる:建築費や初期投資に数千万円から数億円規模の資金が必要なケースもあり、金融機関からの借入額も大きくなります。返済期間が長期にわたるため、市場環境の変化によるリスクも大きくなります。

自己建設方式で成功するには、綿密な市場調査と事業計画、信頼できる施工会社の選定が不可欠です。不動産経営の知識が豊富で、リスクを自己管理できる方に適しています。

事業受託方式

土地所有者が不動産会社やデベロッパーに事業運営を委託するのが事業受託方式です。オーナーは土地と建物の所有権を持ち、資金調達も行いますが、賃貸企画・建築工事・入居者募集・管理運営などの実務はプロに任せます。

【事業受託方式の特徴】

  • 管理の手間がかからない:賃貸事業の専門知識がなくても、プロに運営を任せられるため、オーナーは日常的な管理業務から解放されます。サブリース契約を結べば、一定期間の家賃が保証され、空室リスクを軽減できます(サブリースについては「サブリースとは?最初に理解しておくべき仕組み・メリット・注意点」の記事で解説しています)。
  • 相続税や固定資産税対策になる:賃貸物件として活用すれば、土地の相続税評価額を下げられる可能性があります。固定資産税の負担も、更地のまま所有するよりも軽減される場合が多くなります。
  • 委託料により収益が減る:デベロッパーへの委託料やサブリース手数料がかかるため、オーナーの手取り収入は自己建設方式より少なくなります。運営を任せる分、経営の自由度も制限されます。

この方式では、複数の不動産会社から提案を受けて比較検討し、信頼できる委託先を選ぶことが成功の鍵です。ノウハウはプロに任せ、自分はオーナー業に徹したい方に適しています。

土地信託方式

土地信託方式は、土地所有者が信託銀行に土地を信託し、信託銀行が事業の企画から建設、運営管理まですべてを担う方式です。信託期間中は信託銀行が土地の管理運用権を持ち、得られた収益から経費を差し引いた配当をオーナーに支払います。

【土地信託方式の特徴】

  • 専門家にすべて任せられる:信託銀行が市場調査から建設、テナント誘致、運営管理まで一貫して行うため、オーナーには経営の手間がかかりません。信託銀行の高度な専門知識とネットワークを活用できるメリットは大きいといえます。
  • 初期資金の負担が少ない:建設資金は信託銀行が調達するため、オーナー自身が多額の借入をする必要がありません。自己資金が少なくても、土地さえあれば大規模な活用が可能になります。
  • 配当が不安定になる可能性がある:収益が上がらなければ配当も減少し、最悪の場合は配当がゼロになることもあります。信託報酬や経費が差し引かれるため、自己建設方式と比べて手取り収入は少なくなります。

信託期間が終了した後の土地の状態や建物の扱いについて、契約前に十分確認することが重要です。大規模な土地を持ちながら自己資金が限られている方に適しています。

等価交換方式

等価交換方式は、オーナーが所有する土地の一部をデベロッパーに譲渡し、デベロッパーがその土地にマンションやビルを建設して、完成後に土地の価値に見合った建物の一部をオーナーに引き渡す方式です。オーナーは建築費を負担せずに建物を取得できます。

【等価交換方式の特徴】

  • 自己資金なしで建物を取得できる:建築費用はデベロッパーが全額負担するため、オーナーは借入をせずに建物の一部を手に入れられます。初期投資のリスクを負わずに不動産活用を始められる点が魅力です。
  • 土地の所有権が減少する:土地の一部をデベロッパーに譲渡するため、オーナーの所有面積は減少します。将来的に土地をすべて所有したい場合には向かない方式です。
  • 譲渡所得税が発生する場合がある:土地を譲渡する際、取得時より価値が上がっていれば譲渡所得税が課税されます。要件を満たせば特例を適用できるケースもあるため、税理士に相談することが不可欠です。

デベロッパーの信用力や過去の実績を十分に調査し、契約条件を細かく確認することが重要です。自己資金がなく、土地の一部を手放してもいい方に適しています。

定期借地権方式

定期借地権方式は、オーナーが土地を一定期間(一般定期借地権なら50年以上)貸し出し、借地人が建物を建設して事業を行う方式です。契約期間の終了後は、建物を撤去して土地が更地で返還されます。

【定期借地権方式の特徴】

  • 安定した地代収入が得られる:建物の建築や運営リスクを負わずに、長期間にわたって安定した地代を受け取れます。初期投資がゼロで、管理の手間もほとんどかからない点が大きな魅力です。
  • 契約期間の終了後は更地で返還される:定期借地権は期間満了でかならず終了し、建物を撤去して土地が返ってきます。普通借地権のように半永久的に借地が続く心配がありません。
  • 地代の設定が難しい:地代が相場より低すぎれば損失になり、高すぎれば借り手がつきません。適正な地代を設定するには、不動産鑑定士などの専門家の意見を参考にすることが重要です。

コンビニやロードサイド店舗(幹線道路沿いなどにある店舗)などは、事業用定期借地権として活用されるケースが多く見られます。建物投資をせずに安定収入を得たい方に適しています。

建設協力金方式

建設協力金方式は、テナントとなる企業から建設資金を借り受けて建物を建設し、その建物をテナントに賃貸する方式です。テナントから受け取った協力金は、賃料と相殺する形で分割返済します。

【建設協力金方式の特徴】

  • 初期投資の負担が軽減される:テナントからの協力金で建築費の一部または全部を賄えるため、オーナーの自己資金や借入額を抑えられます。金融機関からの融資審査も通りやすくなります。
  • 長期契約で安定収入が見込める:協力金を提供するテナントは通常10年から20年程度の長期契約を結ぶため、長期間にわたって安定した賃料収入が期待できます。空室リスクを大幅に減らせる点が魅力です。
  • テナント退去時のリスクがある:契約期間中にテナントが撤退した場合、協力金の返済義務が残ります。新しいテナントがすぐに見つからなければ、返済に苦しむ可能性があります。

テナントの信用力や事業の継続性を十分に調査し、契約内容を慎重に検討することが不可欠です。コンビニや飲食チェーン店などの出店予定がある土地に適しています。

不動産を有効活用する具体的な15の手法

続いて、より具体的な選択肢について、見ていきましょう。ここでは、代表的な15の活用手法について、それぞれの特徴と収益性、向いている条件を解説します。自分の土地に最も適した活用法を見つける参考にしてください。

アパート・マンション経営:安定収益を生む王道

アパート・マンション経営は、賃貸住宅を建設して入居者に貸し出し、毎月の家賃収入を得る手法です。不動産活用のなかで、最も一般的な選択肢といえます。

住宅需要は景気に左右されにくいため、立地条件が良ければ、長期間にわたって安定した収入が期待できます。賃貸住宅用地は固定資産税の軽減措置が適用されたり、第三者への貸付けにより相続税評価額が下がるなどのメリットが生じるケースもあります。

ただし建築費用は数千万円から数億円規模になり、建物の老朽化に伴う修繕費や空室リスクも考慮しなければなりません。

長期的な資産形成と節税効果を重視する方に適した手法です。詳しくは「アパート経営の教科書|初心者が始めるべきか判断できる基準を解説」「マンション経営の賃貸管理に迷ったら読む記事!しっかり基本からわかる」の記事も参考にしてみてください。

戸建て賃貸:入居期間が長く管理しやすい

戸建て住宅の賃貸は、メインのターゲットがファミリー層です。アパート・マンションと比べ、入居期間が長い傾向があります。

ファミリー層は子どもの学校や生活環境の都合で長期間住み続ける傾向が強く、空室リスクが低くなります。1棟に1世帯のため、複数の入居者間のトラブルが発生しないことや、共用部分の管理負担が軽減されることはメリットです。

庭付き・駐車場付きの物件はとくに需要が高く、家賃相場もアパートの同面積の部屋より高く設定できます。

郊外や住宅街など、ファミリー層が多いエリアで長期安定収入を得たい方に向いています。詳しくは「持ち家を賃貸したい人の教科書【後悔なく進める実践手順9ステップ】」の記事もご覧ください。

賃貸併用住宅:自宅と賃貸を両立できる

賃貸併用住宅は、同じ建物内に自宅部分と賃貸部分を設ける手法です。1階を賃貸、2階を自宅にするパターンや、左右で分けるパターンがあります。

自宅部分が建物全体の50%以上あれば、アパートローンより金利が低い住宅ローンを利用できる可能性があります。賃貸部分からの家賃収入をローン返済に充てられるため、実質的な住宅費負担が大幅に減ります。

うまくいけば、ローンをほぼ家賃だけで返済できる場合もあります。ただし同じ建物内に他人が住むため、間取りや防音対策を工夫し、入居者選定を慎重に行わなければなりません。

自宅を新築・建て替える予定がある方や、住宅ローンを活用して賃貸事業を始めたい方に適しています。

駐車場経営:初期費用が少なく始めやすい

土地を舗装して駐車場として貸し出す手法は、建物を建てる必要がないため、初期費用は舗装やライン引き、看板の設置程度で済みます。100万円以下で始められる場合も多く、将来的に売却や別の用途に転用することも簡単です。

ただし賃貸住宅と比べると単位面積あたりの収益性は低く、固定資産税の軽減措置も受けられません。

とりあえず土地を活用したい方や、将来的にほかの用途を検討している方に向いています。

コインパーキング:都市部で高収益を狙える

コインパーキングは、時間貸し駐車場として運営する手法です。実際には、専門業者に運営を委託するケースが一般的です。

駅前や繁華街、観光地など短時間駐車の需要が高いエリアでは、月極駐車場より高い収益を上げられます。専門業者が精算機の設置やメンテナンス、料金徴収、トラブル対応を行うため、オーナーの管理負担はほとんどありません。

稼働率が高ければ、賃貸住宅に匹敵する収益も可能です。一括借上げ方式なら稼働率に関わらず固定収入が得られますが、精算機やロック板などの設備投資に数百万円かかる場合があります。

駅前や繁華街など、短時間利用の需要が高いエリアで高収益を狙いたい方に適しています。

コインランドリー:住宅地で安定需要がある

コインランドリーは無人で24時間営業できるため、管理の手間が少ない点が魅力です。

単身者や共働き世帯の増加により、コインランドリーの需要は年々高まっています。管理は、定期的な清掃と機器のメンテナンス程度で済みます。

住宅密集地やマンション・アパート周辺では、大型洗濯機や乾燥機を使いたいニーズが根強く、安定した利用が見込めるでしょう。ただし洗濯機・乾燥機の購入と設置に2,000万円〜、水道光熱費も毎月数十万円かかるケースもあります。

住宅密集地や学生街などに土地があり、無人で運営できる事業を探している方に向いています。

トランクルーム:管理の手間が少なく副業にも適する

トランクルームは、収納スペースを貸し出す手法です。屋内型と屋外型(コンテナ型)があります。

利用者は荷物の出し入れだけを行うため、日常的な管理業務はほぼ不要です。一度契約すれば数年間利用し続ける顧客が多く、解約率が低いため安定した収益が期待できます。

清掃や設備点検も月に数回程度で済み、副業として運営しやすい特徴があります。初期費用・敷金・礼金を設定すれば、さらに収益性が高まりますが、周辺の競合状況を調査し適正な賃料設定が不可欠です。

都市部の住宅街やマンション周辺など、管理の手間を最小限にしたい方に適しています。

民泊:観光地や都市部で高単価収入を得やすい

民泊は、住宅を宿泊施設として貸し出す手法です。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づいて届出を行い、年間180日以内で営業できます。

ホテルより安価な民泊は、観光地や都市部で家族連れやグループ旅行者に人気があります。オーナー視点では、1泊あたりの単価はアパート家賃より高く設定でき、自分で宿泊日数や料金を設定できる柔軟性の高さも魅力です。

稼働率が高ければ賃貸住宅を上回る収益を得られます。繁忙期と閑散期で価格を変動させることも可能ですが、年間営業日数が180日以内に制限されており、清掃や鍵の受け渡しなどの運営業務も発生します。

観光地・駅近など、柔軟な運営で高収益を狙いたい方や空き家を活用したい方に向いています。

参考:国土交通省 minpaku「はじめに「民泊」とは 」

貸倉庫・賃貸ガレージ:郊外や工業地域で需要が高い

貸倉庫や賃貸ガレージは、倉庫や作業場として貸し出す手法です。事業者向けの貸倉庫と、個人向けの賃貸ガレージがあります。

物流業者や製造業者などの法人顧客は、一度契約すれば長期間利用し続ける傾向があります。住宅と比べて内装や設備が簡素で済むため、建築費用を抑えられるのも利点です。

鉄骨造やプレハブ工法を採用すれば、さらにコストを削減できます。安定した収益が期待でき空室リスクも低いですが、倉庫の種類によっては、工業地域や準工業地域でないと建築できない場合があります。

幹線道路沿いや工業地域など、長期安定収入を得たい方や住宅建築が難しい土地を活用したい方に適しています。

資材置き場:初期投資なしで収入が得られる

資材置き場は、建設会社や工事業者に土地を貸し出す手法です。建物を建てずに更地のまま貸すため、初期投資がほとんど不要です。

舗装や建物の建築が不要なため、最小限の整地と看板設置だけで始められます。リスクを負わずに土地を活用できる点が最大の魅力ですが、賃料は駐車場より安く設定されます。

工事期間中のみの短期契約が多く、契約更新が頻繁に発生します。継続的に借り手を探す必要があり、固定資産税の軽減措置もないため税負担が重くなります。

工事現場の近くや幹線道路沿いなどで、一時的な土地活用を検討している方に向いています。

セルフ洗車場:車社会の地域で根強い需要がある

セルフ洗車場は、洗車スペースと機器を貸し出す手法です。利用者が自分で洗車を行うため、無人運営が可能です。

郊外や地方都市など自動車保有率が高いエリアでは、週末を中心に安定した利用が見込めます。利用料金は自動精算機で徴収するため、夜間や早朝の利用もできます。

ただし高圧洗浄機や掃除機、自動精算機などの設備投資に数百万円が必要で、水道代も使用量に応じて高額になります。

郊外や幹線道路沿いなど、無人で運営できる事業を探している方に向いています。

貸し会議室・レンタルスペース:ビジネス街で稼働率が高い

貸し会議室やレンタルスペースは、時間単位でスペースを貸し出す手法です。ビジネス利用やイベント利用など、多様な用途に対応できます。

駅近のオフィス街では、企業の会議やセミナー、研修などで頻繁に利用されます。また、会議だけでなく、撮影スタジオやパーティー会場など、幅広いニーズがあります。マーケティング次第で新しい顧客層を開拓できる余地があるでしょう。

稼働率が上がれば高収益を実現できますが、予約管理や鍵の受け渡し、清掃、設備のメンテナンスなど日常的な運営業務が発生します。

駅近のビジネス街や繁華街など、運営に時間を割ける方に適しています。

貸し看板・看板広告:放置していても収益が入る

貸し看板は、土地の一部に看板を設置して広告主から賃料を得る手法です。建物の壁面や屋上、空き地の一角など、さまざまな場所に設置できます。

看板業者が看板の製作と設置を行うため、日常的な管理業務は基本的に発生しません。

土地の一部を貸すだけで収入が得られるため、リスクが低い活用法です。ただし賃料は月数万円から数十万円程度で、大きな収益は期待できません。立地条件によっては看板の設置許可が下りない場合もあります。

幹線道路沿いなどで、ほかの活用法と併用したい方や土地の一部だけを活用したい方に向いています。

自動販売機設置:最小限の土地で収入源になる

自動販売機は、1台あたり1〜2平方メートル程度のスペースがあれば設置できます。飲料メーカーやベンダー業者が自動販売機の設置・商品補充・メンテナンスを行うため、オーナーの負担はほとんどありません。

土地の隅や建物の空きスペースなど、ほかの用途に使いにくい場所を有効活用できます。ただしオーナーの収入となるのは売上の20〜30%程度で、月数千円から1万円程度にとどまることが一般的です。補助的な収入源として考えるべきでしょう。

人通りが多い場所や駐車場の一角など、デッドスペースを活用したい方に向いています。

太陽光発電:長期的に安定した収入源になる

太陽光発電は、土地にソーラーパネルを設置して発電し、電力会社に売電する手法です。固定価格買取制度(FIT)により、一定期間の売電価格が保証されます。

発電量が安定していれば長期にわたる収入が見込めます。パネルの清掃や点検は年に数回程度で済むため、日常的な管理業務はほぼ不要です。

ただしソーラーパネルや架台、パワーコンディショナーなどの設備投資に数千万円かかり、投資回収には10年〜15年以上かかることが多いでしょう。

日照条件が良い郊外や農地転用した土地で、長期的に安定収入を得たい方に適しています。

参考:資源エネルギー庁「制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー」

あなたに最適な不動産を有効活用する方法の選び方

不動産活用の成否は、土地の特性と自分の資金力・経営方針に合った方法を選べるかどうかで決まります。ここでは、最適な活用法を選ぶためのヒントをお伝えします。

  1. 土地の立地条件で適した活用法は大きく変わる
  2. 初期投資額と収益性のバランスで判断する
  3. 自己管理か業者委託かで手間と収益が変わる
  4. 将来的な売却可能性も考慮して選ぶ

土地の立地条件で適した活用法は大きく変わる

不動産活用で最も重要な要素が立地条件です。駅からの距離、周辺の人口密度、商業施設の有無などによって、適した活用法は大きく異なります。

たとえば、駅から徒歩10分以内の好立地では賃貸需要が高く、空室リスクが低いため賃貸経営の初期投資を回収しやすくなります。一方、郊外の住宅地ではファミリー層向けの活用法が、人口が少ない地域では人的管理が少なくて済む活用法が適しています。

周辺の競合状況や将来的な開発計画も調査し、長期的な視点で立地を評価してください。不動産会社や地元の業者から情報を収集することも重要です。

初期投資額と収益性のバランスで判断する

活用法を選ぶ際は、初期投資額と期待できる収益性のバランスを慎重に検討する必要があります。高収益を狙うほど初期投資も大きくなり、リスクも高まるからです。

アパート・マンション経営は数千万円から数億円の投資が必要ですが、満室稼働すれば年間数百万円以上の収益が得られます。コインパーキングやコインランドリーは数百万円から千万円程度、駐車場やトランクルームは100万円以下で始められます。

借入が多額になるほど、空室リスクや金利上昇リスクの影響が大きくなります。収益は、立地条件や稼働率によって変動するため、市場調査をしっかり行いましょう。

自己資金と借入可能額を確認し、返済計画を立てたうえで無理のない投資規模を選んでください。収支シミュレーションは最悪のケースを想定して計算することが重要です。

自己管理か業者委託かで手間と収益が変わる

不動産活用では、自分で管理するか業者に委託するかで、手間と収益が大きく変わります。自分のライフスタイルや経営方針に合った管理体制を選びましょう。

自己管理は管理費を節約でき収益性が高まりますが、時間と労力がかかるため本業が忙しい方には不向きです。一方、業者委託は管理費がかかりますが、日常的な管理業務から解放されます。

自分が管理にどれだけ時間を割けるか、不動産経営の知識がどの程度あるかを考慮して判断してください。最初は業者委託から始め、慣れてきたら自己管理に切り替える方法もあります。

将来的な売却可能性も考慮して選ぶ

不動産活用を始める際は、将来的に売却する可能性も考慮して方法を選ぶことも大切です。出口戦略を明確にしておけば、リスクを軽減できます。

賃貸アパートやマンションは収益物件として投資家に売却できる可能性がありますが、築年数が古くなると売却価格が下がります。一方、駐車場や太陽光発電設備は撤去すれば更地として売却でき、用途変更も比較的容易です。

また、定期借地権や建設協力金方式は、契約期間中は売却が難しくなります。契約内容によっては売却時に借地人の同意が必要な場合もあるため、事前に確認してください。

10年後・20年後の市場環境や自分のライフステージを想像し、必要であれば将来的に売却や用途変更ができる方法を選びましょう。相続を見据えた場合は、相続人の意向も確認しておくことが大切です。

不動産の有効活用で失敗しないための5つのポイント

最後に、不動産活用で失敗しないためのポイントをお伝えします。

  1. 複数の業者から提案を受けて比較検討する
  2. 収支シミュレーションは最悪のケースで計算する
  3. 安易な借入は避けて身の丈に合った投資をする
  4. 契約前に周辺の需要を調査する
  5. 相続税や所得税への影響を税理士に確認する

複数の業者から提案を受けて比較検討する

不動産活用を検討する際は、かならず複数の業者から提案を受けて比較検討してください。1社の提案だけで決めると、高額な費用を請求されたり不利な契約を結ばされたりするリスクがあるからです。

建設会社・不動産会社・デベロッパーなど異なる業種の業者から提案を受けると、多角的な視点が得られます。各社の強みや得意分野が異なるため、比較検討の価値が高まります。

一棟アパート・分譲マンション・戸建てなどの不動産活用をお考えの方は、ぜひ「マンション貸す.com」をご利用ください。

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収支シミュレーションは最悪のケースで計算する

収支シミュレーションを作成する際は、最悪のケースを想定して計算してください。業者が提示するシミュレーションは満室稼働や高稼働率を前提にしており、現実的でない場合が多く見られます。

実際には10〜20%の空室が発生する可能性があり、築年数の経過とともに家賃は下落します。変動金利で借入している場合、金利上昇により返済額が増加するリスクも考慮する必要があります。

空室率を厳しめに設定し、年1〜2%程度の家賃下落を見込んでシミュレーションを作成しましょう。大規模修繕や設備の交換にかかる費用も織り込んでください。

最悪のケースでも収支がプラスになるか、赤字になっても耐えられる範囲かを確認します。安全マージンを十分に取った計画を立てることが重要です。

安易な借入は避けて身の丈に合った投資をする

不動産活用では多額の借入が必要になる場合がありますが、安易な借入は避けてください。身の丈に合った投資規模を選ぶことが、長期的な成功につながります。

目安としては、借入額が物件価格の8割を超えると返済負担が重くなり、わずかな収益悪化で赤字に転落してしまいます。とくに、不動産投資に慣れていない段階での大きな借り入れは危険です。

無理のない投資規模を選び、リスク管理を徹底しましょう。

契約前に周辺の需要を調査する

不動産活用を始める前に、周辺の需要を徹底的に調査してください。業者の提案だけを信じて契約すると、実際には需要がなく空室や低稼働率に苦しむリスクがあるからです。

たとえば、周辺の賃貸物件や駐車場、コインランドリーなどの稼働状況を実際に見て回れば、地域の需要が把握できます。

不動産情報サイトで周辺の賃料相場や募集状況を確認し、募集期間が長い物件が多い場合は注意が必要です。空室が多い物件が目立つ場合、その地域では需要が低い可能性があります。

自治体の人口統計や将来推計も確認し、人口減少エリアでは長期的に需要が縮小するリスクを考慮してください。

需要調査には時間がかかりますが、失敗を防ぐために最も重要な作業です。現地に足を運び、自分の目で確認することを心がけましょう。

相続税や所得税への影響を税理士に確認する

不動産活用を始める前に、相続税や所得税への影響を税理士に確認することも大切です。税負担を考慮せずに活用法を選ぶと、思わぬ税金が発生して収益が大幅に減る可能性があります。

たとえば、土地を賃貸物件として活用すれば相続税評価額が下がり、相続税の軽減効果が期待できます。あるいは、建物の減価償却費を経費として計上すれば、税負担を軽減できます。一方で賃貸収入が増えれば所得税も増加します。

また、建物を建てると建物分の固定資産税が新たに生じますが、住宅用地の特例により、土地の固定資産税は軽減されます。駐車場など建物がない活用法では、この固定資産税の軽減措置が受けられない点に注意してください。

ここで挙げたのは、税金対策のほんの一部ですが、税理士に相談すれば、最適な活用法や税務上の注意点をアドバイスしてもらえます。専門家の力を借りながら、税金を考慮した総合的な収支計画を立てていきましょう。

参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」

まとめ

本記事では「不動産の有効活用」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

不動産を有効活用する6つの方式として、以下を解説しました。

不動産を有効活用する具体的な15の手法として、以下を解説しました。

最適な不動産を有効活用する方法の選び方は以下のとおりです。

  1. 土地の立地条件で適した活用法は大きく変わる
  2. 初期投資額と収益性のバランスで判断する
  3. 自己管理か業者委託かで手間と収益が変わる
  4. 将来的な売却可能性も考慮して選ぶ

不動産の有効活用で失敗しないための5つのポイントは以下のとおりです。

  1. 複数の業者から提案を受けて比較検討する
  2. 収支シミュレーションは最悪のケースで計算する
  3. 安易な借入は避けて身の丈に合った投資をする
  4. 契約前に周辺の需要を調査する
  5. 相続税や所得税への影響を税理士に確認する

不動産活用は、適切な方法を選び、リスク管理を徹底することが大切です。本記事で解説した知識を参考に、最適な活用法を見つけてください。

戸谷 太祐

Author information

戸谷 太祐

株式会社エイムプレイス 社外取締役

賃貸経営は思い通りにいかず、不安や迷いが生まれがちです。私はオーナー様が納得して判断できる環境を整えることを使命としています。専門用語を減らし、判断に必要な情報や手順を整理し、入居者募集・原状回復・更新といった運用サイクルを仕組み化。記事発信やマッチングを通じて、初めての方でも安心して比較・検討できる環境を「レントハック」で提供しています。

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