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管理会社の対応が悪い!よくある特徴5つ・リスク・対処方法を解説

最終更新日

賃貸オーナーのお悩み解決ガイド

「物件の管理を委託している管理会社の対応が悪い気がする」
「なんか対応がイマイチなんだけど、これって普通なのかな?」
「他社ならもっと良い対応をしてくれるのではないか」

管理会社に物件の管理を委託しているオーナーの中には、管理会社の対応に違和感や不満を感じつつも、「どこに依頼しても同じなのかな?」「どこまでが許容範囲?」と判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、「管理会社の対応が悪い」「違和感がある」と感じた時点で、放置しておくのは厳禁です。

なんとなく感じている「対応の悪さ」の原因を言語化したうえで、管理会社に改善してもらうことを検討することをおすすめします。

この記事では、対応の悪い管理会社に見られる特徴と、そのまま放置した場合に起こり得るリスク、改善のための対処ステップ、そして最後には自分に合った管理会社を見つける方法までを段階的に解説していきます。

記事を読み終える頃には、いまの管理会社に対して「どこが問題なのか」「どう改善を求めればよいのか」「切り替えるべきか否か」が明確になり、不動産経営において最適な判断ができるようになります。

モヤモヤを抱えたまま我慢して任せ続けているオーナーの方は、ぜひ参考になさってみてください。

当てはまったら注意!対応が悪い管理会社に見られる5つの特徴

「依頼している管理会社、なんだか対応悪いな」「他の管理会社でも同じなのかな?」など管理会社の対応に不満を持ちつつも、「具体的にどこがどう悪いのか」と聞かれるとはっきり答えられないという方は多いのではないでしょうか。

管理会社に物件の管理を依頼するなかで感じる小さな違和感には、必ず理由があります。「報告が遅い」「入居者からクレームが入る」「空室が埋まらない」など、これらはすべて「対応が悪い管理会社」に共通する特徴として表れてくるものです。

この章では、管理会社にありがちな「対応の悪さ」の代表例を5つの観点から整理して解説します。

対応が悪い管理会社に見られる5つの特徴
・オーナーへの報告・返信・対応スピードが遅い
・入居者対応のスピードが遅い・対応力がない
・物件の清掃・メンテナンスの質が低い
・入居者・仲介会社などへの態度が悪い
・空室が長期間埋まらないまま放置されている

いま依頼している管理会社の対応と比較してみることで、「一般的な管理会社よりも対応が悪いのか」「改善を打診して良い状態か」「管理会社の変更を検討したほうがいいのか」を判断する基準にしてみてください。

オーナーへの報告・返信・対応スピードが遅い

オーナーが「この管理会社、対応が悪いな」と感じやすい状況としては、「トラブルや滞納などの報告が遅い(報告がない)」「問い合わせたのに返信が遅い」「聞かないと教えてくれない」というようなケースが多くあります。

また、仮にやりとりのスピード自体は速くても、対応が雑で誠意を感じられない事案が繰り返されると、「本当に管理を任せていて大丈夫なのか」と不安を覚えるようになります。

アセットテクノロジー株式会社が不動産オーナーに対して実施した調査によると、オーナーの61.1%が管理会社の対応に「不満」と回答しています。とくに不満を感じやすい管理会社の対応としては以下のようなものがあります。

オーナー対応がずさんな管理会社の具体例
・管理会社に電話で問い合わせても、折り返しが無い・遅い
・管理会社にメールで問い合わせても、返信がなかなか来ない
・掲示物の張り替えなどを依頼しても、1週間以上放置される
・水漏れ修理の事後報告だけが来て、費用の相談や事前説明が一切なかった
・入居者の退去を知らされず、次の募集が遅れて空室期間が延びてしまった
・設備交換や原状回復の見積もりを依頼しても返答が遅い・来ない
・家賃滞納者がいても報告がなく、数カ月後に初めて知らされた
・問い合わせへの返答が「確認します」など曖昧で、はぐらかされたように感じる
・報告内容が「対応しました」だけなど簡潔すぎて、どう対応してくれたかわからない
・担当者が変わったのに何の案内もなく、連絡しても話が通じない

「返信がちょっと遅い」「たまたま今回だけ報告を忘れていたようだ」という場合であれば様子見でもよいですが、以下のような状況が続くようであれば、管理会社の怠慢と言わざるを得ないでしょう。

・返信が2~3営業日以上ないことが頻繁にある
・空室時の報告が1週間以上かかる
・トラブルや修繕の報告が「事後報告」または「まったくない」
・「対応する」と言われたのに実際は何もしていない状態が続く
・担当者の交代が多い/連絡しても引き継ぎがされていない

早めに管理会社に改善を申し入れたり管理会社の変更を検討したりすることをおすすめします。

入居者対応のスピードが遅い・対応力がない

入居者対応のスピードや対応力は、「管理会社の対応が悪いかどうか」を判断する上でもっとも重要なポイントです。

管理会社は、入居者からの問い合わせ内容を丁寧に聞き取り、迅速かつ適切に対処するべきです。しかしながら、対応が悪い管理会社はこのトラブル対応に非常に消極的です。

入居者が困っているときに管理会社がしっかり対応してくれなければ、しびれを切らした入居者からオーナーに直接対応を求められたり、入居者の満足度が下がって退去のきっかけになったりしてしまうでしょう。

入居者対応が悪い管理会社の具体例
・入居者が管理会社に水漏れやエアコンの故障を連絡しても、業者手配の対応が遅い
・入居者が設備の不具合を管理会社に相談したところ、「様子を見てください」とだけ言われて対応してもらえなかった
・入居者トラブルを管理会社に相談したのに「注意しておきます」とだけ言って対応を放置する
・入居者が管理会社に電話してもつながらず、そのまま放置されていた
・「うちでは対応できません」と言って、責任を放棄する
・何度も同じ苦情が入っているのに、履歴管理がされていない

早期に対応しておけば大事にならなかったのに、対応を放置したばかりに大問題になるケースも考えられます。

管理会社による入居者対応が悪い場合、管理会社ではなくオーナーに直接クレームが入ってくることも珍しくありません。こうなれば、「せっかくお金を払って管理を任せているのに、自主管理と変わらないじゃないか」となってしまいます。

もしも入居者から「管理会社に言ったけど対応してくれない」と直接連絡が来るようであれば、管理会社に早急に対応を改善してもらう必要があります。それでも直らなければ、管理会社そのものを見直す選択肢も考えるべきです。

入居者の満足度低下は退去のきっかけになってしまい、空室が発生すると次の入居者募集のために広告費やリフォーム費が発生してオーナーの負担は確実に増していきます。

物件の清掃・メンテナンスの質が低い

管理会社の対応が悪いと感じる理由のひとつに、「清掃やメンテナンスが行き届いていない」という点があります。

日々の清掃・整備の状況は、入居者が日々感じる満足度に直結するだけでなく、内見時の第一印象にも大きく影響しますし、物件の価値を維持するという点でも非常に重要です。

清掃・メンテナンスがずさんな管理会社の具体例
・エントランスや玄関周りにクモの巣や落ち葉が何日も放置されている
・ゴミ置き場のゴミが溢れていたり、カラスに荒らされたまま放置されている
・廊下や階段に砂やホコリが溜まっていて滑りやすくなっている
・戸建て物件で玄関先や敷地内の雑草が伸び放題になっている
・清掃や点検が契約にあるはずなのに、実施された形跡が見えない

こうした状態が続くと、入居者は「この物件はちゃんと管理されていない」と感じ、退去を早めるきっかけになってしまいます。また、物件を内見に来た人にとっても悪印象となり、入居につながらない原因にもなりかねません。

もし「掃除されている気配がない」「整備がされていない」と感じた場合は、管理会社に契約内容を確認しつつ、具体的な状態を伝えて改善を依頼しましょう。それでも改善が見られない場合は、管理の質そのものに問題がある可能性が高いため、管理会社の変更を検討する価値があります。

入居者・仲介会社などへの態度が悪い

オーナーからすると少し気づきにくい部分ではありますが、対応が悪い管理会社の特徴として、入居者や仲介会社など、オーナー以外への態度・接し方が悪いという点があります。

オーナーの目が届きにくいこの部分は見落とされがちですが、実は賃貸経営の満足度や入居率に大きく関わってくる重要なポイントです。

特に、入居者に対して冷たい・高圧的・事務的な態度をとったり、仲介会社に対して非協力的・無愛想・情報提供が不十分であったりすると、次の入居が決まりにくくなるだけでなく、物件自体の印象まで悪くなってしまいます。

入居者・仲介会社などへの態度が悪い管理会社の具体例
・電話や対面時にぶっきらぼうな態度やタメ口で接し、丁寧な印象がない
・相談しても「仕方ないですね」と冷たく処理され、親身さが感じられない
・対応はしてくれるが事務的で、相談しにくい雰囲気をつくっている
・仲介会社からの問い合わせに対して返事が遅い・回答が曖昧
・仲介会社に対して「うちはうちでやってますから」と非協力的

オーナーには良い顔をするため気付かないケースもありますが、入居者から「あの管理会社あまり親身になってくれないんだよな」と言われたり、仲介会社から「この管理会社とはやりづらい」と言われたりして、初めて気付くこともあるかもしれません。

このような対応の積み重ねは、入居者からの信頼を失うだけでなく、仲介会社から物件を積極的に紹介してもらえなくなる原因にもなります。

空室が長期間埋まらないまま放置されている

空室が何カ月も続いているのに、管理会社が何も打ち手を講じていない場合、それは「対応が悪い」と判断してよい状況です。

もちろん、通常は入居者募集は仲介会社の仕事であり、管理会社はその仲介会社に依頼をかける立場であるケースが多いでしょう。しかし、客付けに力を入れている管理会社であれば、仲介会社との連携・営業・広告の工夫などを通じて空室対策に取り組んでくれるはずです。

一方で、対応が悪い管理会社の場合は、以下のような状況が見られます。

空室対策の対応が悪いと判断できる具体例
・こちらから確認しないと空室状況の報告がない
・「様子を見ます」と言うだけで、新しい募集施策の提案がない
・「賃料を下げましょう」といった安易な提案しかしてこない
・どの仲介会社に依頼しているかも教えてくれない
・広告や募集ページの写真・文面が古いまま放置されている

空室状態が続いてしまうと、家賃収入が減るだけでなく、物件の劣化やイメージダウンにつながるリスクもあります。

実際、空室対策の悪さについては、多くの不動産オーナーが管理会社の変更を検討するきっかけになるものです。

「空室がもう何か月も続いている」「都市部や人気エリアなのに空室が埋まらない」という場合には、管理会社の対応力や戦略の甘さが原因である可能性が高いため、放置せずに状況を改善すべきです。

対応が悪い管理会社に任せ続ける6つのリスク

1章で解説したような管理会社の対応の悪さを感じてはいても、「もう少し様子を見てみよう」と考える方も多いかもしれません。

しかしながら、対応が悪い管理会社にそのまま任せ続けてしまうと、以下のようなリスクがあります。

対応が悪い管理会社に任せ続ける6つのリスク
・初期対応のまずさでトラブルが甚大化してしまう
・オーナーの負担・精神的ストレスが増える
・入居者満足度の低下・早期退去につながる
・空室が長期化して家賃収入の減少・収益悪化につながる
・管理不全で建物の劣化・修繕コストが増えてしまう
・物件そのもの価値が下落してしまう

最悪の場合、家賃収入の減少や収益の悪化、修繕コストの増大、そして物件価値の下落にまでつながりかねません。それぞれのリスクをしっかり確認してみてください。

初期対応のまずさでトラブルが甚大化してしまう

入居者からのトラブル初期対応は管理会社が担うものですが、この初期対応のスピードが遅かったり、対応そのものが悪かったりすると、トラブルが甚大化してしまう危険性があります。

たとえば物件での水漏れがあった場合、入居者が管理会社に依頼した時点で迅速に対応していれば数万円で済んだ修繕が、対応が遅れたことで被害が大きくなってしまう危険性が考えられます。

そうすると床材の張り替え費用が余分にかかったり、下階への損害賠償に発展したりして、費用が十万円・百万円単位で跳ね上がることもあります。

また、「管理会社に隣人トラブルを相談したのに何も動いてくれない」など、入居者対応が不十分なことがきっかけで、入居者が退去してしまう可能性もあります。

オーナーの負担・精神的ストレスが増える

オーナーが自主管理できないから管理を委託しているのに、管理会社の対応が悪い場合、自分で対応を余儀なくされてオーナーの負担が増えたり、精神的ストレスが増えたりするリスクがあります。

お金を払って管理をお願いしているのに、負担や心労が減らないのであれば依頼している意味がなくなってしまいます。さらに、「ちゃんと管理してくれていない」という不安が常につきまとうこととなります。

「言わなきゃやってくれない」「管理を任せていても不安」という状態でストレスを感じている状況は非常に良くない状態なので、できるだけ早めに事態を改善する必要があります。

入居者満足度の低下・早期退去につながる

管理会社の対応が悪ければ、入居者は当然「ここには長く住みたくない」と思ってしまいます。

水回りの不具合が放置されている、共用部分が汚れている、トラブルへの対応が遅いなどの不満は日々積み重なり、「更新しない」「早期退去」という結果につながっていきます。

たとえば「ゴミ出しのルールを守らない住人がいる」のような隣人トラブルがある場合には、優良な入居者が退去して、代わりにトラブルを起こす入居者が居座るという状況にもなりかねません。

こうして物件への満足度が下がると、さらに物件の雰囲気は悪化してしまうリスクがあります。

空室が長期化して家賃収入の減少・収益悪化につながる

管理会社が空室を埋める積極的な態度を示してくれない場合、空室が長期化して家賃が減り、不動産経営の収益悪化につながるリスクもあります。

とくに管理会社が「仲介会社との関係が良くない」「仲介会社への対応が悪い」といった場合、入居者を見つけてくれる仲介会社もやる気がなくなってしまうため、空室がなかなか決まらなくなります。

空室期間が長引けば家賃収入は当然ゼロとなります。広告費や維持費がかかる一方で、収支は一気に悪化してしまいます。

管理不全で建物の劣化・修繕コストが増えてしまう

物件の清掃・メンテナンスが十分でない場合には、物件の老朽化が加速します。

物件の管理状態が良くないと入居者の意識も低くなって「廊下やエントランスの共用部に自転車などの私物が放置される」「ゴミ出しのルールを守らない」などのモラル低下にもつながり、物件全体の印象も悪くなってしまいます。

修繕についても、軽微な劣化であれば早期対応が可能だったものも、見逃されて腐食やカビ、構造劣化に発展すれば、高額な修繕工事が必要になります。

こうした小さな乱れが積み重なると物件全体の印象も悪化します。築年数以上に「手入れされていない物件」の印象を持たれてしまい、入居率にも悪影響を及ぼします。

物件そのもの価値が下落してしまう

対応の悪い管理会社に任せ続ければ、いざ売却したいと思ったときに「買い手がつかない」「想定より安くしか売れない」という不利な状況に陥ってしまいます。

管理状態が悪いことは、建物の状態を悪くするだけでなく、入居者のモラルも低下させてしまい、結果的に入居者が見つからなくなり、物件そのものの価値が下落してしまうからです。

「管理がずさん」「トラブルが多い」「入居者が集まらない(利回りが悪い)」という物件は、手放そうにもうまく売却できなくなります。買い手は価格交渉に出てくるか、そもそも購入を見送るかもしれません。

物件そのものの価値は、立地や築年数だけではなく、日々の管理状態でも大きく変わっていきます。対応の悪い管理会社に任せ続けることは、不動産経営の出口戦略においてもかなり不利な状況を生んでしまいます。

管理会社の対応が悪いときの対処5ステップ

前章で解説したように、管理会社の対応が悪いときに放っておくのはさまざまなリスクを孕むため、おすすめしません。

かといって、いきなり管理委託契約を終了して他社に変更するというのは、現実的にもハードルが高く不安がある方も多いはずです。

ここからは、管理会社の対応が悪いときの対処法として、オーナーとしてできる段階的な対処ステップ5つを紹介します。

感情的になって判断を急いでしまうのではなく、冷静に状況を整理して、無理なく対応を改善させる方法を選んでいきましょう。

対処ステップ1:管理委託契約の範囲を確認する

管理会社の対応が悪いと感じたときに最初に確認すべきなのが、管理会社と締結している「管理委託契約」の内容(委託業務の範囲)です。

というのも、オーナーが管理会社に期待している内容が、実は契約上は管理業務に含まれていない可能性があるためです。契約内容を正確に把握せずに「対応が悪い」とクレームを入れてしまうと、管理会社との関係性をこじらせてしまうおそれもあります。

オーナーが物件の管理を管理会社に委託する場合も、契約によってどこまで業務範囲に含むかはケースバイケースです。

管理委託プランのバリエーション例
(1)共用部の巡回・清掃・メンテナンスなど建物管理に特化した最低限のプラン
(2)入居者対応・家賃集金代行・クレーム一次対応・契約更新なども含まれる基本的なプラン
(3)入居者募集や空室対策提案なども含めた、フルサポート型のプラン
(4)家賃保証付きで物件を借り上げてくれる、サブリース(一括借り上げ)プラン

さらにいえば、同じような管理委託プランであっても、受付時間が24時間対応のところもあれば、平日日中のみ対応で夜間や休日は留守電対応になる管理会社もあります。

まずは契約書や覚書などを見返して管理委託契約の範囲をしっかりと再確認して、契約上の管理会社の履行義務がどれかをチェックしてみましょう。

管理会社との管理委託契約書や覚書のチェックポイント
・管理委託業務の範囲(入居者対応・入居者募集・家賃集金・滞納督促・退去立ち合い・設備管理など、どの業務が含まれているか)
・管理会社がオーナーに行う連絡の頻度・手段などの記載
・対応時間や緊急対応の有無(24時間受付など)
・修繕や工事の際のオーナーへの事前連絡義務
・日常清掃の頻度(週2回/月4回など)

オーナーの不満が実際の契約内容に起因している場合は、「契約の見直し」「管理プランの変更」などで解決できるケースもあります。逆に、契約上の義務にもかかわらず履行されていないのであれば、管理会社に改善を申し入れるべき正当な理由になります。

※なお、管理会社によって管理委託契約書のフォーマットは異なり、契約書には大まかなことしか記載がない(具体的にどこまでやるのかは明記されていない)というケースも多く存在します。この場合は、次のステップなどであらためて覚書を交わして、どこまでやってくれるのか明確にしておくことが大切です。

対処ステップ2:対応が悪いと感じる気持ちを言語化する

前のステップでは、契約書やプラン内容をもとに「管理会社が本来やるべき業務の範囲」を確認しました。ここではそのうえで、実際の対応と自分の期待の間にどんなズレがあったのかを整理し、不満の原因を具体的に言語化していくステップです。

「管理会社の対応が悪い気がする」と感じても、いざその理由を人に説明しようとするとうまく言葉にできないことは少なくありません。そこで重要なのが、自分の中にある「不満の正体」を棚卸して、言語化してみることです。

契約書に書かれていることは当然のこと、契約書にはなくても「自分はこうしてほしかったのに、管理会社はこうだった」というズレを見つける作業です。このズレが「管理会社の対応が悪い」という不満につながります。

【管理会社への期待と現実のズレを可視化する例】

管理会社に対する不満(例)
期待していたこと・理想(例)
問い合わせても返信が2日後で遅く感じる
当日中には返信が欲しい
いつも事後報告だけで費用も後出しになる
修繕のたびに事前連絡がある
募集開始までに2週間以上かかる
空室が出たらすぐに募集を始めてくれる
「確認しておきます」と言われたまま放置された
苦情があったら速やかに対応・報告がある
物件を見に行ったらゴミが散乱していた
月1回は定期清掃されているはず

上記の表はあくまで例であり、自分の感情と向き合って自分の言葉で言語化していくことが重要です。たとえば、希望する返信の頻度は人によって違うからです。

こうしたズレを把握しておくことで、どのポイントに自分がストレスを感じていたかが明確になります。

なお、たとえ契約書や覚書に明記されていないこと(履行違反ではないこと)であっても、「オーナーとして当然期待していたこと」があるなら、それを管理会社に伝えるのはまったく問題ありません。管理会社にとっても「何が不満だったのか」「どうしてほしいのか」が具体的にわかれば、対応改善の余地が生まれます。

対処ステップ3:具体的な希望を伝えて改善を申し入れる

契約内容を確認するとともに自分が感じている不満の中身を整理できたら、次は管理会社に対して具体的な改善を申し入れてみる段階です。

対応の悪さが「管理会社全体の問題」ではなく、単なる担当者の対応ミスや業務の認識違いだったというケースはありえます。問題を担当者が認識できていないケースでは伝えるだけで改善できることもあるため、具体的で明確な要望を伝えることが大切です。

改善申し入れの伝え方のポイント
・何がどのように問題だったのか具体的に伝える
・不満だけでなく、どうしてほしいか自分の希望や要望を明確に伝える
・口頭よりも記録が残るメールや書面でやりとりする
・感情的・攻撃的な表現は避ける

ただ感情をぶつけるのではなく、冷静に・具体的に・建設的に伝えることで、担当者に本気度が伝わるはずです。

対処ステップ4:管理会社の改善提案と実際の行動を見極める

不満の内容を整理して改善を申し入れたあとは、その対応に対して管理会社がどう動いてくれるかをしっかり見極める必要があります。

というのも、「対応します」と返答をもらっても、実際に行動が伴わなければ意味がないからです。管理会社が「改善の姿勢を示してくれたか」「実際に行動に移してくれたか」の両方を確認しましょう。

管理会社の改善意志と実行力を見極めるポイント
・対応が悪い原因や障害がある場合は、その理由を教えてくれるかどうか
・改善策を具体的に提示してくれたか(今後の対応方針の提示や、担当者の変更など)
・覚書や業務フローなど、文書で対応方針を明示してくれたか
・その後の実務に改善が見られるか(報告頻度や返信スピードなどが実際に改善されたか)

改善されたかどうかを判断するには、「どう改善するかの見通し」がなされることに加えて、「実際に対応が改善されたか」を見極めることが何より大切です。

その場しのぎの対応で終わってしまった場合や、言葉だけで実際には何も変わっていないと感じるのであれば、その管理会社には改善の意志が薄いと判断せざるを得ません。

対処ステップ5:対応改善がないなら管理会社を見直すべきタイミング

ここまでのステップを踏んでもなお、管理会社の対応に改善が見られない場合は、管理会社そのものを見直すタイミングだと判断してよいでしょう。対応の悪さが続いて管理不全が続けば、前述したとおり不動産経営に悪影響を及ぼすリスクが高くなります。

見直しのタイミングと考えられるケース
・契約書や覚書などで明確に決まっている業務が履行されない
・「改善する」と言いながらも、結局何も対応が変わらない
・担当者を変えたのにかかわらず、対応の悪さが変わらない
・こちらが伝えたことを軽視・放置されている
・「そのやり方は合わないな」と感じる場面が何度もある

こうした状態が続く場合、「今後も安心して任せられるかどうか」を一度冷静に考えてみることが大切です。お金を払って管理を委託しているのに、不満が溜まるようではオーナー自身のストレスとなり、不動産経営に悪い影響が出かねません。

とくに、明確に管理不全といえるケースでは、入居者の退去が続いてしまう、空室が埋まらない、トラブルが放置されるという問題が、やがては家賃収入減少や資産価値の低下につながります。早急に管理会社の見直しを検討することをおすすめします。

※対応が悪いのではなく、単に相性が悪い可能性もある
明確に管理会社が契約履行違反をしていないようなケースでは、単に管理会社との相性が悪いというケースもある点に留意しましょう。「管理会社の対応が悪い」のではなく、「オーナーが期待する管理と、管理会社の体制の方向性が違っているだけ」というケースもあります。
たとえば、「うちは月次報告レポーティングに力を入れています」という管理会社もあれば、「最低限の報告しかしない分、管理手数料が安いですよ」という会社もあります。あくまでプランや運用方針に沿ったものであり、その会社の通常のスタイルという可能性もあります。
オーナーとして「もっと頻繁に連絡がほしい」「能動的に提案してほしい」という希望があるなら、そのスタイルに合う管理会社に切り替えたほうが、結果的にお互いハッピーになれることもあります。

管理会社を切り替えるのは、決してトラブルや対立の結果ではなく、オーナーの希望を叶えたり収益性を高めたりするための前向きな経営判断です。

「もっと安心して任せられる会社に変えたい」と感じた時点で、管理会社を切り替える選択肢を検討する価値は十分にあります。

対応の良い管理会社を見つけるには比較・検討が大切

ここまでで、不動産オーナーが「管理会社の対応が悪いなあ」と感じるポイントや、管理会社に不満を感じたときの段階的な見直しステップを紹介してきました。

改善を依頼しても対応が変わらなかったり「やはり合わない」と感じたりしたときには、管理会社の切り替えを検討するのが自然な流れです。そして管理会社の変更時に重要なのは、同じ失敗を繰り返さないためにしっかりと複数社を比較・検討することです。

リプレイス先を探すときに1社だけを見てしまうと、正確な判断ができないからです。その会社の業務内容が自分に合っているのか、価格が妥当かなどを判断するには、複数社の比較が必要となります。

2社~3社程度の会社を比較・検討することで、「自分が希望する対応をしてもらえそうか」や「委託業務と比べて価格が高すぎないか」などを冷静に判断できるはずです。

対応の良い管理会社を見つけるには、以下の4つの視点が重要です。

対応の良い管理会社を見つける4つの視点
・自分が希望する頻度・スピード感で、管理会社からの連絡や報告を受け取れそうか
・対応履歴が残る仕組みがあるなど、入居者対応の質が高いことをイメージできるか
・現状の悩みに対しての、担当者の提案力や柔軟性があるかどうか
・適正料金で希望に合った管理プランを選べるかどうか

けっして「有名な管理会社だから」や「価格が安いから」などの理由で選ばず、「自分の希望する対応をしてくれる会社かどうか」で選ぶのがおすすめです。

対応の良い管理会社を複数比較したいなら「マンション貸す.com」

「管理会社の対応の悪さが直らない」「リプレイスに向けて他の管理会社の話も聞いてみたい」と感じ始めたオーナーにとって「次はどこに頼めば失敗しないか」というのが最大の不安ではないでしょうか。

管理会社をゼロから比較・検討する必要があっても、忙しいオーナーにとって手間も時間もかかる大仕事になります。しかも実は、この管理会社選びで、家賃収入や手取りの多さにかなりの差が生まれてくるのです。

そんなときに活用したいのが、管理会社一括比較サービスの「マンション貸す.com」です。なぜ「マンション貸す.com」が管理会社選びにおいて有効なのかを、3つの視点から解説します。

年間100万円超の差も!管理会社選びは非常に重要

あらためて「なぜ管理会社が重要なのか」を考えたときに、不動産経営では「どこに管理を任せるか」で、年間の収益に100万円以上の差が出ることがあることを説明します。

同じ物件であっても管理会社によって年間収益に大きな違いが出る可能性があります。たとえば、ある物件について、どの管理会社に管理を依頼するかによって以下のような違いが表れることがあります。

・A社:年間408万円(月々の家賃34万円 × 12カ月)
・B社:年間456万円(月々の家賃38万円 × 12カ月)
・C社:年間348万円(月々の家賃29万円 × 12カ月)
・D社:年間315万円(月々の家賃35万円で、空室が3カ月続いている)

この年間収益の違いは、家賃設定の違いだけでなく、「空室期間の長さ」「入居者の定着率」「客付け力」「クレーム対応によるトラブル回避」など、管理会社の運用力や対応の差によって生まれます。

そのため、「今の管理会社に不満はあるけれど、他も似たようなものでは?」と感じている方にこそ、比較してみる価値があります。

※査定はあくまで相場に基づく「目安」に過ぎず、実際の成約賃料は入居者募集時の交渉や市場の状況によっても変動します。確定した賃料ではないという点に注意してください。

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「管理会社の対応が悪い」と感じているオーナーこそ、今より良くなる可能性がある6社の話だけ聞いてみるつもりで、気軽に試してみてください。

まとめ

本記事では、管理会社の対応が悪い場合についてのさまざまな情報を解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

◆当てはまったら注意!対応が悪い管理会社に見られる5つの特徴
・オーナーへの報告・返信・対応スピードが遅い
・入居者対応のスピードが遅い・対応力がない
・物件の清掃・メンテナンスの質が低い
・入居者・仲介会社などへの態度が悪い
・空室が長期間埋まらないまま放置されている

◆対応が悪い管理会社に任せ続ける6つのリスク
・初期対応のまずさでトラブルが甚大化してしまう
・オーナーの負担・精神的ストレスが増える
・入居者満足度の低下・早期退去につながる
・空室が長期化して家賃収入の減少・収益悪化につながる
・管理不全で建物の劣化・修繕コストが増えてしまう
・物件そのもの価値が下落してしまう

◆管理会社の対応が悪いときの対処5ステップ
・対処ステップ1:管理委託契約の範囲を確認する
・対処ステップ2:対応が悪いと感じる気持ちを言語化する
・対処ステップ3:具体的な希望を伝えて改善を申し入れる
・対処ステップ4:管理会社の改善提案と実際の行動を見極める
・対処ステップ5:対応改善がないなら管理会社を見直すべきタイミング

管理会社の対応が悪いとさまざまな問題が発生するだけでなく、物件そのものの価値下落にもつながります。対応について何か違和感を感じたら、ぜひ早めに改善に向けて動き出しましょう。

戸谷 太祐

Author information

戸谷 太祐

株式会社エイムプレイス 社外取締役

賃貸経営は思い通りにいかず、不安や迷いが生まれがちです。私はオーナー様が納得して判断できる環境を整えることを使命としています。専門用語を減らし、判断に必要な情報や手順を整理し、入居者募集・原状回復・更新といった運用サイクルを仕組み化。記事発信やマッチングを通じて、初めての方でも安心して比較・検討できる環境を「レントハック」で提供しています。

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