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戸建てを賃貸に出すべき?あなたにとって最適な判断方法を解説

最終更新日

持ち家を貸す方法

「親から相続した戸建てに住む予定はないけれど、手放したくはない。賃貸に出すのはどうなのだろう?」

「転勤で引っ越さなければならないが、帰任後は戸建ての持ち家に戻りたい。賃貸に出すことを考えているけれど、どうすれば良いだろうか?」

この記事を読んでいるのは、所有している戸建てを様々な事情から手放したくないため、賃貸に出すのはどうかと考えている方ではないでしょうか。

これまでに戸建てを賃貸に出した経験がなければ、その選択は良いのか、もし賃貸に出すことになったら、どう対応すれば良いかは分からないですよね。

結論からいいますと、所有している戸建てを賃貸に出すことは良い選択肢です。

以下のように戸建ての劣化を抑えられたり、将来的に住むことも可能になったりなど思い入れがある方にとって良い点があるだけでなく、経済的なメリットもあるからです。

しかし一方で、以下のように空室リスクや収支管理の手間などのデメリットもいくつかあります。

こうしたメリットやデメリットを踏まえると、戸建てを賃貸に出すことには、向いているケースもあれば向いていないケースも出てくるため、戸建てを賃貸に出したいと考えている方はこれらを踏まえてご自身に合っているかを判断しましょう。

また、戸建てを賃貸に出す場合は管理会社に相談するのが一般的ですが、その際は以下3つの点に注意が必要です。

  1. 住宅ローンを抱えている場合は必ず金融機関に相談する
  2. 賃貸契約方法は家に戻る時期を考えて選ぶ
  3. 戸建て賃貸の実績がある管理会社を選ぶ

本記事では、戸建てを賃貸に出すことに興味がある方に向けて、以下の内容を説明しています。

  • 戸建てを賃貸に出すメリット
  • 戸建てを賃貸に出すデメリット
  • 戸建てを賃貸に出すのが向いているケース
  • 戸建てを賃貸に出すのが向いていないケース
  • 戸建てを賃貸に出すときのシミュレーション方法
  • 戸建てを賃貸に出すまでのステップ
  • 戸建てを賃貸に出すときの注意点

読んでいただければ、ご自身が持つ戸建てを賃貸に出すのが良いかどうかの判断ができ、実際に戸建てを賃貸に出すときに行うことの手順や知っておくべき注意点も分かります。

ぜひ最後まで目を通してくださいね。

戸建てを賃貸に出す5つのメリット

戸建てを賃貸に出すメリットとしては、以下5つが挙げられます。

1つずつ説明していきましょう。

家の劣化を抑えられる

賃貸に出せば、戸建ての劣化を抑えられます。管理会社に管理を委託すればメンテナンスがありますし、入居者がいれば生活のために掃除や換気などが行われるからです。

誰も住まないけれど思い入れがあるためにそのまま空き家にしてしまうと、年数によっては大きく劣化してしまいます。国土交通省が公表している「地方公共団体の空き家対策の取組事例2」によると、相続してから10年以上誰も住んでいない家は外壁材の一部崩落と屋根瓦の落下の恐れがあったようです。

また気持ちが変わって売却したいと思っても、長い間空き家にしていたことで劣化が進んでしまうと納得できる価格で売れなかったり、売れ残ったりしてしまう恐れもあります。東京都が公開している「全日空家対策大全」には、需要が付きにくいと想定された古家が売却までに4年を要した事例も載っています。

戸建てを賃貸に出せば劣化は避けられ、生活環境を維持できますよ。

犯罪のリスクを避けられる

犯罪のリスクを避けられます。

戸建てを空き家にすると、人がいないことが明確になります。こうした空き家は、不法投棄や放火などのターゲットとなる場所になったり、犯罪の基地としても活用されたりするのです。

国土交通省は、実際に空き家が特殊詐欺の被害金や密輸された不正薬物などの受け取り場所として悪用されている事例を公表しています。具体的には、空き家を以下のように利用して犯罪を起こすようです。

【空き家が犯罪に利用される事例】

  • 郵便ポストに架空の表札を貼り、投函された不在連絡票を取って宅配業者や郵便局などから現金や不正薬物などが入った荷物を受け取る
  • 電気やガスなどのメーターボックスに入っている内見用の合鍵で家に侵入し、住人になりすまして現金や不正薬物などが入った荷物を受け取る
参考:国土交通省「特殊詐欺、不正薬物の密輸等に悪用される空き家(空き部屋)等の対策にについて」

賃貸に出せば入居者がいますし、管理会社によって管理も行われるため、このような犯罪が起こるリスクは低くなります。

将来に戻ることもできる

将来に戻ることも可能です。賃貸に出す戸建ての所有者はあなた自身だからです。

所有者は、賃貸に出す期間を決められます。たとえば、「定期賃貸借契約(定期借家契約)」という賃貸借契約方法で借主と契約すれば、決めた契約期間を終えたら再び住めるのです。(借主との賃貸借契約方法については、「7-2.賃貸借契約方法は家に戻る時期を考えて選ぶ」で詳しく説明しています)。

ここで売却してしまうと、所有者は戸建てを購入した人に変わります。このため、将来所有する戸建てに住みたいと思ってもできません。

賃貸に出せばその戸建てに将来戻りたいと思ったときに、その選択が可能になります。

家賃収入を得られる

家賃収入を得られます。入居者がいれば、その入居者が支払う家賃が収入となるからです。

空き家のままにしておくと、当然ながら収入は得られません。

また売却となると、最初にまとまった資金を得られますが、住宅ローンを抱えていれば残債や売却時に発生する費用、税金の支払いがあるため、売却額によっては手元にあまり資金が残らないこともあります。

賃貸に出せば、入居者がいる限りは家賃が収入として毎月入ってきますよ。

得られた家賃収入は、以下のような活用ができるでしょう。

【家賃収入の活用例】
・住宅ローンの返済に充てる
・子供の教育資金に充てる
・老後の生活資金に充てる

上記のような資金は、通常であれば貯蓄などで補う必要がありますが、戸建てを賃貸に出せばその家賃収入によってまかなえるのです。

維持費や税金を補える

戸建ての維持費や税金を補えます。前述した通り、家賃収入を得られるからです。

戸建てを空き家にしたときにかかる主な維持費や税金の目安は、以下の通りです。

【戸建てを空き家にしたときの主な維持費や税金の目安】

  • 固定資産税…年間100,000円(※1)
  • 火災保険料…年間30,000円(※2)
  • 水道光熱費の基本料金…年間16,800円(※3)
  • その他の維持費用…庭木の剪定を年4回依頼した場合、年間200,000円(※4)
※1.戸建ての場合の平均税額
※2.参考:損害保険料率算出機構「2022年度(2021年度統計)火災保険・地震保険の概況」
※3.参考:NPO法人空き家・空き地管理センター「空き家の維持費用」
※4.参考:NPO法人空き家・空き地管理センター「空き家の維持費用」

上記の項目費用を足すと年間約35万円になりますが、空き家を維持するための修繕やリフォームなどを行った際はその支出もあります。

空き家のままにしてしまうと、こうした費用はご自身の資金から出さなければなりませんが、戸建てを賃貸に出せば、入居者がいる限りはその家賃収入で支払えるのです。

戸建てを賃貸に出す5つのデメリット

戸建てを賃貸に出すことにはメリットもありますが、以下5つのようなデメリットがあることも知っておきましょう。

上記のデメリットを把握しておけば、その対策を事前に考えられますよ。

1つずつ説明していきます。

入居者が決まらないことがある

戸建てを賃貸に出しても、入居者が決まらないことがあります。戸建ての立地や状態、間取り、入居条件などによっては、借りたい人のニーズに合わない場合があるからです。

たとえば戸建てを借りたいと思うのはファミリー層が多いですが、賃貸に出したい戸建てが以下のような状況であると、その層は「入居したい」とあまり思わないかもしれません。

【入居者が決まりにくい賃貸戸建ての例(借主がファミリー層の場合)】
・最寄り駅やバス停まで歩いて20分以上かかる
・スーパーマーケットや商業施設、病院、学校まで遠い
・ダイニングが狭い
・収納が少ない
・DIYは不可 
・ペットは不可 など

入居者が決まらなければ、支出が多くなるばかりです。

賃貸に出したい戸建てが借りたいと思えるようなものであるかは、十分に確認する必要があるでしょう。利用条件の見直しも必要になります。

入居者トラブルが起こることもある

入居者トラブルが起こることもあります。戸建てを賃貸に出すときに行われる入居者審査で問題がなくても、入居後も問題を起こさないとは言い切れないからです。

入居者トラブルには、以下のようなものがあります。

【戸建てを賃貸に出したときに考えられる入居者トラブル例】
・近所迷惑になる騒音を立てる
・ゴミ出しのルールを守らない
・室内の設備を故意に傷つけたり、壊したりする
・家賃を払わない など

このような入居者トラブルを防ぐには、入居条件を明確に決めることが重要です。

修繕やリフォーム費用が発生する場合がある

修繕やリフォーム費用が発生する場合があります。戸建ての状態によっては、そのままでは生活環境として提供できないことがあるためです。

たとえば戸建てが以下のような状態であると、修繕やリフォームが必要になるでしょう。

【修繕やリフォームが必要な戸建ての状態例】
・外壁や屋根が劣化している
・壁や床に汚れや臭いが残っている
・畳やふすまが破れている 
・水回りが古い がなど

修繕やリフォームにかかる費用は内容によって異なりますが、1工事あたり数万円、内容次第では数十万円~数百万円かかります。

手元に十分な資金があればこうした費用を補えますが、経済的な負担が生じる場合もあることは注意しなければなりません。

収支管理の手間が発生する

収支管理の手間が発生します。「戸建てを賃貸に出す」ということは、「賃貸事業を行う」ことを意味するからです。

得られた家賃収入は「不動産所得」に該当し確定申告の対象になりますから、日頃から経費の記録などを行わなければなりません。基本的には、以下の内容を毎月行う必要があります。

【戸建てを賃貸に出すときに毎月行う収支管理】
・家賃収入を記録する
・経費(維持費や税金などの支出)を記録する

確定申告時には不動産所得を計算し、税務署に確定申告書を提出することも求められます。

賃貸に出したい戸建てが遠方にあるなど、ご自身で収支管理を行うのが難しいのであれば税理士などの専門家に相談できますが、その際は費用がかかることは念頭に置きましょう。

赤字になることもある

赤字になることもあります。前述したように、戸建てを賃貸に出すときは初期費用が発生しますし、入居者が見つからなければ家賃収入も得られず、支出をカバーできないからです。

たとえば年間の家賃収入が120万円と想定していても、空室が半年続いた場合は年間60万円しか収入を得られません。維持費や税金、住宅ローンを抱えていればその残債も支払う必要がありますから、家賃収入よりもこれらの支払い額が上回ってしまえば、経営はうまくいかなくなります。

赤字を避けるには、修繕やリフォームは最低限にして支出を抑えたり、相場に合った家賃を設定して入居を早めたりする対策が必要です。賃貸戸建ての実績がある管理会社に相談することも有効ですよ。

戸建てを賃貸に出すのが向いている5つのケース

ここまで説明してきたメリットとデメリットを踏まえると、戸建てを賃貸に出すのが向いているのは、以下5つのケースに該当する場合といえます。

1.空き家にしておきたくない
2.家を手放したくない
3.立地条件が良い
4.将来確実に家に戻る
5.修繕やリフォーム費用を出せる

1つずつ説明していきましょう。

空き家にしておきたくない

所有する戸建てに住む予定はないけれど空き家にしておきたくないのであれば、賃貸に出すのがおすすめです。

長い間空き家のままにしておくと、前述したように家の劣化や犯罪リスクが高まるからです。さらに、維持費や税金といった支出もかさみます。

空き家にせず賃貸に出せば、入居者や管理会社によって生活環境が維持されるため、大きな劣化が生じることはあまりないでしょう。人が住んでいることが明確なので、不法投棄や放火などの犯罪が起こる恐れも低くなります。

さらに家賃収入を得られますから、その収入で維持費や税金も補うことも可能です。

家を手放したくない

亡くなった親から相続した家など所有する戸建てに思い入れがあり、家を手放したくない場合も賃貸に出すことに向いています。売却してしまうと、所有者は戸建てを購入した人に変わってしまうからです。

売却すると後悔が大きくなるでしょう。一度売ったら、再び自分の家として取り戻すことは難しくなります。

賃貸に出せば所有者はあなた自身のままにできるため、心理的な安心感を得られますよ。

立地条件が良い

戸建ての立地条件が良い場合も、賃貸に出すのが良いでしょう。入居者が見つかりやすく、空き家のリスクも回避できるからです。

前述したように立地条件が良くない戸建てであると、空き家状態が続く恐れがあります。その間は家賃収入を得られませんし、維持費や税金は手持ちの資金で何とかしなければなりません。

戸建てを借りたい人の中には立地条件の良さを気にしない人もいますが、好立地の方が借り手を見つけやすいですよ。

将来確実に家に戻る

転勤や海外赴任など戸建てを離れるのが一時的で、将来確実に所有する戸建てに戻るのであれば、賃貸に出すことをおすすめします。不在の間は空き家状態になり、犯罪リスクも高まるからです。

賃貸に出している間は、入居者や管理会社によって戸建ての生活環境が維持されますし、犯罪の温床になるリスクも防げます

転勤や海外赴任など一時的な不在で戸建てを賃貸に出すときは、「定期賃貸借契約(定期借家契約)」という賃貸借契約方法を選ぶ必要がありますが、帰任期間を終えて戻ったときに原状回復が適切に行われれば、再び住めますよ。

修繕やリフォーム費用を出せる

戸建ての修繕やリフォーム費用を出せるのであれば、賃貸に出すと良いでしょう。前述の通り、外壁や屋根の劣化など戸建ての状態によっては、問題を直す必要があるからです。

資金が十分でなければ、必要な修繕やリフォームを行うための資金繰りが必要になりますし、対応が遅れるとその分空き家状態も長くなります。

十分な資金があれば、必要な修繕やリフォームについて柔軟な対応が可能になり、戸建てをスムーズに賃貸に出せますよ

戸建てを賃貸に出すのが向いていない2つのケース

前述したケースにおいては戸建てを賃貸に出すことは向いていますが、以下2つのケースに当てはまる場合は、賃貸に出すのは向いていないといえます。

1.今すぐまとまった現金が必要である
2.今後誰も住まないことが確定している

詳しく説明していきましょう。

今すぐまとまった現金が必要である

以下のような状況にあり今すぐまとまった現金が必要であれば、戸建てを賃貸に出すことは向いていません。賃貸に出すと得られる家賃収入は毎月分割で入ってくるため、すぐにまとまった現金を得られるわけではないからです。

【今すぐ資金が必要な状況例】
・生活に困っている
・新しい住宅の購入資金を捻出したい など

毎月の家賃収入を溜めて必要な現金を調達する考えもあるかと思いますが、賃貸に出したからといってすぐに入居者が決まるとは限らず、空室が続けばその期間は家賃収入を得られません。

賃貸は、入居者が決まれば長期的な収入にはなりますが、今すぐまとまった現金が必要な場合には不向きなのです。

このため今すぐ現金が必要という明確な理由がある場合は、迷わず売却を選んで現金化するのが合理的といえます。

今後誰も住まないことが確定している

所有している戸建てに思い入れがあまりなく、今後誰も住まないことが確定している場合も、賃貸に出さない方が良いでしょう。戸建ては築年数が経つごとに資産価値が低下するため、賃貸に出しても築年数の経過とともに賃料を維持しづらいためです。

また築年数が古いほど、賃貸に出しても空き家となってしまうケースも多くあります。国土交通省が公表している「賃貸住宅市場の実態について」によると、空き家となっている賃貸住宅の建築時期は、築20年以上が約70%のようです。

このため、今後誰も住まないことが確定しているのであれば賃貸には出さず、価値があるうちにできるだけ早く売却したほうが良いといえます。

迷うのであれば、「まずは賃貸」という選択肢もあり!
ここまでお読みになって、戸建てを賃貸に出すか、あるいは売却するか決められず迷うのであれば、「まずは賃貸」という選択をするのが良いでしょう。
賃貸に出している間、所有権はあなたに残ります。売却や相続といった選択肢を残せるので、後悔するのを防げますよ。
前述のように、今すぐ現金が必要、あるいは今後誰も住まないことが確定しているのであれば売却が良いですが、該当しないのであれば戸建てを賃貸物件として活用するという選択肢も現実的といえます。

戸建てを賃貸に出すときはシミュレーションしよう

戸建てを賃貸に出すことを考えているのであれば、シミュレーションをしてみましょう。そうすれば、利益があるのか、赤字にならないかの見極めができます。

シミュレーションは、以下の手順で行うと良いです。

【戸建てを賃貸に出すときのシミュレーション手順】

項目 方法
1.収入を計算する
賃貸に出したい戸建てと同じような物件の家賃相場を調べ、年間の家賃収入を想定する
2.支出を計算する
戸建てを賃貸に出すときに支払う項目を見積もる
・管理費
・税金(固定資産税や都市計画税など)
・火災保険料
・修繕積立費 など
※空室があった場合も計算しておくと良い
3.利益を確認する
収入から支出を引く

では、以下のような条件で収益のシミュレーションをしてみます。

【シミュレーション条件】

  • 間取り…2LDK
  • 家賃(月額)…130,000円(※1)
  • 管理費(年額)…78,000円(※2)
  • 固定資産税(年額)…100,000円(※3)
  • 火災保険料(年額)…50,000円(※4)
  • 修繕積立費(年額)…130,000円(※5)
  • 空室リスク…130,000円(※6)
※1.参考:公益社団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2023年・年度 Ⅱ. 首都圏の住宅以外売買・賃貸、首都圏以外」
※2.家賃の5%の6,500円で計算
※3.戸建ての場合の平均税額
※4.参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構「アパート・マンション経営 | 業種別開業ガイド」

シミュレーション結果は、以下の通りです。

【シミュレーション結果】

  • 収入…130,000円 × 12カ月 = 1,560,000円
  • 支出…78,000円 + 100,000円 + 50,000円 + 130,000円 + 130,000円 = 488,000円

▶利益は、1,560,000円 - 488,000円 = 1,072,000円

ただ実際の手取りは、ローンを組んでいる場合は利益から返済分をマイナスした分になります。所得税や復興特別所得税、住民税の発生も念頭に置くと良いでしょう。

戸建てを賃貸に出すまでの8ステップ

ここまでお読みになって、ご自身が持つ戸建てを賃貸に出すのが向いていると判断できたものの、実際に戸建てを賃貸に出すにはどのような流れを踏んでいけば良いかは、初めてであると分からないですよね。

戸建てを賃貸に出すまでは8つのステップがあります。その流れは、以下の通りです。

始めに、住宅ローンが残っていればそのローンを借りている金融機関に相談しましょう。住宅ローンは住む家を購入するためのローンのため、このまま賃貸に出すと違反になる場合があります。

次に、家の状態を確認しましょう。戸建ての状態によっては、そのままだと賃貸に出せないからです。修繕やリフォームが必要かどうかの判断材料になります。

そして管理会社を探しましょう。戸建てを賃貸に出すときは、管理会社に賃貸管理業務(入居者の募集や戸建ての点検など)を委託するのが一般的です。

管理会社を探したら、家賃を査定してもらいます。このとき、複数の管理会社に家賃査定を依頼するのがおすすめです。そうすれば管理会社との間で査定額を比較ができるため、納得できる賃料を決められます。

家賃を査定してもらったら、実際に貸し出すときの賃料と入居条件を決めましょう。

次に、必要に応じて修繕やリフォームを行います。

修繕やリフォームをし、戸建てを賃貸に出す準備が整ったら入居者を募集します。入居者の募集は、管理会社に委託する場合はその会社が代理で行ってくれます。

入居者が決まったら、その人と賃貸契約を結びます。

戸建てを賃貸に出すときの3つの注意点

戸建てを賃貸に出すのであれば、知っておくべき注意点もあります。これらを把握しておけば、実際に戸建てを賃貸に出した後のトラブルを避けられますので、参考にしてください。

注意点は以下の3つです。

1.住宅ローンを抱えている場合は必ず金融機関に相談する
2.賃貸契約方法は家に戻る時期を考えて選ぶ
3.戸建て賃貸の実績がある管理会社を選ぶ

1つずつ説明していきましょう。

住宅ローンを抱えている場合は必ず金融機関に相談する

住宅ローンを抱えているのであれば、必ず金融機関に相談しましょう。「6.戸建てを賃貸に出すまでの8ステップ」でも少し触れましたが、住宅ローンは「住む家を購入するためのローン」であるためです。

戸建てを賃貸に出すということは、賃貸事業を行うことを意味します。「賃貸用の家を購入するために組むローン」でなければ、賃貸に出せないのが原則です。

このため、戸建てを賃貸に出すときは賃貸住宅用ローン(事業用ローン)に借り換えるのが基本ですが、転勤や海外赴任など一時的な不在時に賃貸に出す場合は、住宅ローンを抱えたまま賃貸に出すことを認めてくれる金融機関もあります。

金融機関によって求められる対応は異なりますので、住宅ローンを抱えている場合は必ず金融機関に相談してくださいね。

賃貸借契約方法は家に戻る時期を考えて選ぶ

入居者との賃貸借契約方法は家に戻る時期を考慮して選びましょう。そうしなければ、ご自身が家に戻りたい時期に住めなくなる恐れがあります。

入居者との賃貸借契約方法には、「普通賃貸借契約(普通借家契約」)と「定期賃貸借契約(定期借家契約)」の2種類があります。それぞれの特徴は、以下の通りです。

【戸建てを賃貸に出すときの契約方法の特徴】

普通賃貸借契約
(普通借家契約)
定期賃貸借契約
(定期借家契約)
賃貸契約期間
2年間
貸主が決定
賃貸契約期間後の更新
可能
原則不可
借主からの途中解約申し出
事前通知で可能
事前通知で可能
貸主からの途中解約申し出
正当な事由がない限り不可
契約期間中は不可

家に戻る時期が確実に決まっているのであれば、定期賃貸借契約(定期借家契約)がおすすめです。この契約では、賃貸契約期間は貸主であるあなたが決められるからです。たとえば海外赴任期間の3年間賃貸に出したいのであれば、賃貸契約期間を3年と設定できます。

家に戻る時期が決まっていないのであれば、賃貸契約期間は2年、その期間後は更新となる普通賃貸借契約(普通借家契約)が良いでしょう。

このように賃貸契約方法は、家に戻る時期を考えて選ぶようにしてくださいね。

戸建て賃貸の実績がある管理会社を選ぶ

戸建てを賃貸に出すとき、賃貸管理は管理会社に委託するのが一般的ですが、その際は戸建て賃貸の実績がある管理会社を選びましょう。

戸建て賃貸の実績がない管理会社には以下のような問題点があるため、空室やクレームなどのトラブル・リスクが起きやすくなるからです。

【戸建て賃貸の実績がない管理会社の問題点と起こり得るトラブル・リスク例】

管理会社の問題点の例
起こり得るトラブル・リスク例
戸建て特有の入居者募集ノウハウを持っていない
・入居者が決まらない
・空室が続く など
周辺の戸建て賃貸市場に詳しくないため、適切な賃料を提案できない
・空室が続く(賃料が高過ぎる場合)
・損失が出る(賃料が低過ぎる場合)など
戸建てならではの管理方法を把握していないため、適切な修繕提案やトラブル対策の提示ができない
・入居者からクレームが来る
・資産価値が低下する
・空室が続く など

戸建て賃貸の実績のある会社であれば、戸建てを借りたいと思う層(ファミリー層や長期入居希望者など)を考慮した募集戦略を立てられるため、入居者が決まりやすいです。

周辺の戸建て賃貸市場や競合も踏まえて賃料も適切に設定してくれるため、収益もしっかり出せます。

戸建ての特徴も把握しているため、修繕が必要なところも見逃さずに対応でき、入居者からのクレームなどのトラブルも発生しにくいです。

このように選ぶ管理会社によって賃貸運営がうまくいくかどうかが左右されますから、戸建てを賃貸に出すときは実績のある管理会社を選んでくださいね。

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ここまでお読みになって、戸建てを賃貸に出すことが向いていると判断できた方もいるでしょう。

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まとめ

本記事では戸建てを賃貸に出すことを検討している方に向けて、様々な情報をお伝えしてきました。

戸建てを賃貸に出すときは以下のようにメリットやデメリット、向いているケース、向いていないケースがあります。これらを踏まえて、戸建てを賃貸に出すかどうかを判断しましょう。

【戸建てを賃貸に出すメリット】

1.家の劣化を抑えられる
2.犯罪のリスクを避けられる
3.将来に戻ることもできる
4.家賃収入を得られる
5.維持費や税金を補える

【戸建てを賃貸に出すデメリット】

1.入居者が決まらないことがある
2.入居者トラブルが起こることもある
3.修繕やリフォーム費用が発生する場合がある
4.収支管理の手間が発生する
5.赤字になることもある

【戸建てを賃貸に出すのに向いているケース】

1.空き家にしておきたくない
2.家を手放したくない
3.立地条件が良い
4.将来確実に家に戻る
5.修繕やリフォーム費用を出せる

【戸建てを賃貸に出すのが向いていないケース】

1.今すぐまとまった現金が必要である
2.今後誰も住まないことが確定している

実際に戸建てを賃貸に出すときに気を付けるべき点は、以下の3つです。

【戸建てを賃貸に出すときの注意点】

1.住宅ローンを抱えている場合は必ず金融機関に相談する
2.賃貸契約方法は家に戻る時期を考えて選ぶ
3.戸建て賃貸の実績がある管理会社を選ぶ

あなたが所有する戸建てが良い形で残ることを願っています。

河上 隼人

Author information

河上 隼人

1980年11月8日生まれ
広島県出身
株式会社エイムプレイス 代表取締役

インターネットメディア事業「マンション貸す.com」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

趣味はトレーニングと健康的なライフスタイルづくり。毎日の冷水シャワーを日課とし、体幹トレーニングではアブローラーの“立ちコロ”を悠々こなす。数年前にお酒をやめてからは、心身ともにすっきりとした日々を楽しんでいる。
「挑戦と進化」をテーマに、自然体で自分らしい生き方を磨き続けている。

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