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「古い家を貸したい」なら絶対押さえたい!判断基準から手順まで解説

最終更新日

持ち家を貸す方法

「親から相続した古い家を、そのまま放置している」「持ち家を貸したいが、築年数が古すぎて不安」

このような悩みを抱える方は、少なくありません。結論からいえば、適切な知識と戦略があれば、古い家でも十分に賃貸物件として活用可能です。

本記事では、築古物件の賃貸活用を検討している方に向けて、貸し出し可否の判断基準から実践的な手順、管理会社の選び方まで、体系的に解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】
・古い家を貸せる客観的な判断基準がわかる
・賃貸化のための手順やリフォームについて理解できる
・リスクを抑えながら安定収入を得る方法が身につく

古い家を有効活用して収入源を確保したい方は、本記事の内容をご活用ください。

古い家でも貸せる!客観的な判断基準

古い家を賃貸に出すかどうかは、感情的になりがちな決断ですが、客観的な基準に基づいて冷静に検討することが成功の鍵となります。ここでは、3つのポイントを確認していきましょう。

1. 立地条件や諸条件次第で築年数の壁は十分に越えられる
2. 築浅物件では満たされない特定ニーズのある層を狙う
3. 安全基準クリアが貸し出すための大前提となる

立地条件や諸条件次第で築年数の壁は十分に越えられる

古い家の賃貸を成功させるには、「立地条件」が重要な鍵となります。

なぜなら、築年数よりも利便性や周辺環境が入居者の決め手となるケースが多いからです。適切な戦略があれば、築古物件でも十分な需要を獲得できます。

立地条件の評価ポイント

交通アクセス:最寄り駅からの距離や、公共交通機関の充実度が重要な判断材料です。たとえば駅から徒歩10分以内であれば、古い家でも競争力を保てる可能性が高まります。

生活利便施設:スーパーマーケット・コンビニ・病院・学校など、生活に必要な施設が近隣にあることもポイントです。

将来性:再開発計画や新路線開通など、将来的な価値向上の要因があれば、長期的な賃貸経営にプラスとなります。

立地に恵まれた古い家なら、多少の古さは家賃設定で調整できます。むしろ「駅近で家賃が手頃」といった魅力で、若い世代にも訴求できるでしょう。

築浅物件では満たされない特定ニーズのある層を狙う

築浅の物件では満たされにくい特定のニーズを持つ入居者層が、一定数存在しています。こういった人たちに魅力をアピールすれば、築年数の古さよりも魅力が勝って、入居者を集めやすくなります。

【特定のニーズを持つ入居者層の例】

レトロ志向層:昭和レトロブームの影響もあり、「古民家」に代表される古い建築様式や間取りに魅力を感じる人々がいます。和室や縁側など、伝統的な要素を活かした募集戦略が有効です。

DIY愛好者:DIYはYouTubeなどでも人気のコンテンツとなっています。「現状のまま貸すので自由に改装可」という条件で募集すれば、DIYを楽しみたい入居者にとって、魅力的な物件となります。

コストパフォーマンス重視層:家賃を相場より低く設定することも戦略です。初期費用を抑えたい学生や新社会人などをターゲットにできます。

多頭飼いなどの特殊なペット飼育者:多頭飼いや大型犬など、一般的な賃貸物件では入居が難しい状況の人たちに対して入居者可とすることで、希少価値を生み出せます。

このように特殊なニーズに合わせて訴求方法を工夫するだけでも、ほかの物件ではニーズが満たされない入居者との出会いにつながります。

安全基準クリアが貸し出すための大前提となる

一方、古い家を貸せるか判断するときに重要なのが安全性です。

賃貸物件として提供する以上、入居者の安全を確保することは法的・道義的な責任です。事前の点検と対策が不可欠となります。

安全基準の確認項目

耐震性能:1981年以前の旧耐震基準で建築された建物は、想定より大きな揺れに対する耐性が不十分な可能性があります。耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を実施します。

電気設備:古い配線は漏電や火災のリスクがあるため、電気工事士による点検を受けて安全性を確認します。容量不足やコンセント数の不足も改善が必要です。

給排水設備:給水管や排水管の劣化による漏水は建物全体に影響するため、専門業者による点検と必要に応じた交換を行います。

ガス設備:ガス漏れは生命に関わる重大事故につながります。ガス会社による安全点検を定期的に実施し、古いガス器具は交換します。

安全基準をクリアしていない物件は、事故発生時にオーナーの責任が問われる可能性があります。初期投資は必要ですが、長期的な安心のために必要不可欠な対策です。

ここまでの話をまとめておきましょう。

以上の3つのポイントを念頭に、具体的にどのように貸し出しを進めていけばよいのか、次章で解説します。

古い家を貸し出すための6つのステップ

古い家をどのように賃貸物件化していけばよいのか、ここでは6つのステップに分けて見ていきましょう。

1. ステップ1:家賃相場と賃貸ニーズを調査する
2. ステップ2:不動産管理会社を選び契約を結ぶ
3. ステップ3:必要なリフォーム計画を立てる
4. ステップ4:入居者を募集し内見対応を行う
5. ステップ5:入居審査を経て賃貸借契約を締結する
6. ステップ6:鍵を引き渡し管理を開始する

ステップ1:家賃相場と賃貸ニーズを調査する

家を貸す際には、感覚に頼らず、データに基づいた客観的な調査を実施することが大切です。感覚に頼ってしまうと、重大な判断ミスをするリスクがあるからです。

賃貸ニーズ調査の手法

競合物件の調査:同じエリアの類似物件(築年数・間取り・設備条件が近い物件)の家賃相場や空室状況を調べます。「SUUMO」「アットホーム」などの不動産ポータルサイトや街の不動産屋さんの店頭看板をチェックしてみましょう。

地域特性の把握:学生街・住宅街・商業地域など、そのエリアの特性に応じた主要なターゲット層を特定します。ニーズに合った間取りや設備かどうかを検討します。

人口動態の分析:自治体の統計データから人口増減や年齢構成を確認し、将来的な需要動向を予測します。人口減少エリアでは慎重な判断が必要です。

このような調査は非常に大切ですが、個人で調べるのは限界もあります。そこで、上手に利用したいのが一括査定です。

ステップ2:不動産管理会社を選び契約を結ぶ

賃貸経営の成功は、良質な不動産管理会社選びにかかっています。信頼できるパートナーとの出会いが、オーナーの負担を大幅に軽減し、安定した賃貸経営を実現してくれるからです。

先ほど、一括査定の利用についてご紹介しました。基本的には、査定で複数の管理会社から提案を受け、総合的に判断して最適なパートナーを選択する流れになります。

【管理会社を選定するチェックポイント

実績と信頼性:地域での管理戸数や営業年数、同業者や利用者からの評判(口コミなど)などを調べます。実績豊富な会社ほど、安心して任せられます。

サービス内容:入居者募集・契約手続き・家賃集金・トラブル対応・建物管理など、どこまでの業務を委託できるかを確認します。24時間対応体制の有無も重要です。

料金体系:管理委託料・広告費・更新手数料・退去時費用など、すべての費用項目を事前に確認し、他社と比較しましょう。安さだけでなく、サービス品質とのバランスを重視します。

コミュニケーション:担当者の対応の丁寧さ・レスポンスの早さ・提案力などを評価します。長期的な付き合いになるため、人間的な信頼関係も重要な要素です。

契約前にはかならず重要な事項の説明を受け、契約内容を十分に理解してから締結することが大切です。

ステップ3:必要なリフォーム計画を立てる

古い家の賃貸化において、リフォームの範囲と予算は最も悩ましい判断のひとつです。

専門知識がないと的確な判断が難しい面があるため、契約した管理会社のサポートを得ながら進めていきましょう。

リフォーム計画の策定手順

現状を点検する:建物の構造・設備・内装の状態を専門業者とともにチェックし、修繕が必要な箇所を洗い出します。緊急性と重要度で優先順位を付けます。

費用対効果を分析する:各改修項目について、投資額と期待される家賃上昇の効果を比較検討します。回収期間が長すぎる項目は、見送りも検討しましょう。

複数業者から見積もりを取る:同一工事について最低3社から見積もりを取得し、価格と工事内容を比較します。ただし、極端に安い業者は品質面でリスクがある可能性にも注意します。

資金調達を計画する:自己資金と借入金のバランスを検討し、無理のない資金計画を立てます。自治体などの補助金が利用できないかについても、事前に調べておきましょう。

なお、リフォームは重要なポイントのため、後ほどさらに詳しく解説します。このまま続けてご覧ください。

ステップ4:入居者を募集し内見対応を行う

入居者募集や内見対応は、契約した不動産管理会社が主体となって進めます。

オーナーとしては、管理会社のプランに意見があれば明確に伝えることと、内見時の印象が良くなるように屋内外を整理整頓しておくことが重要です。

【入居者募集の効果を高めるポイント

魅力的な広告を作成する:クオリティーの高い写真撮影・物件の強みを活かしたキャッチコピー・詳細な設備情報など、入居希望者の関心を引く広告を作成します。

幅広い媒体を活用する:主要ポータルサイトへの掲載に加え、SNSや地域情報誌なども活用し、ターゲット層にリーチできる媒体を選択します。

内見の環境を整える:室内清掃・電気点検・換気・庭のゴミの処理など、内見時の印象を良くする準備をしっかりしておきましょう。

条件設定を柔軟にする:ペット飼育可・楽器演奏可・DIY可など、古い家の特性を活かした付加価値を提供し、競合との差別化を図ります。

内見は基本的に、内見希望者と不動産会社の担当者によって行われ、オーナーが立ち会う必要はありません。むしろ立ち会うと、自由に内見しづらくなってしまいます。

募集時に、まだオーナーが居住中の場合は、内見中は外出して待機するとよいでしょう。

ステップ5:入居審査を経て賃貸借契約を締結する

内見をした人が物件を気に入って、正式に申し込みを行なった場合、次のステップは入居審査後に賃貸借契約となります。

入居審査と契約締結の流れ

入居申込書を受け取る:入居希望者から申込書・身分証明書・収入証明書・緊急連絡先などの必要書類を受け取り、基本的な資格要件を確認します。

信用調査を実施する:家賃支払い能力の確認・勤務先の安定性などを調査します。年収の3分の1程度の家賃が目安とされています。家賃保証会社(連帯保証人の役割を代行して入居者の家賃支払いを保証する会社)を利用する場合は、その審査も並行して進められます。

契約条件を調整する:賃料・敷金礼金・契約期間・特約事項などの詳細条件を双方で確認し、必要に応じて調整を行います。古い家特有の注意事項も文書へ明記します。

重要事項説明を行い契約を締結する:宅地建物取引士による法定の重要事項説明を実施し、契約内容を入居者に十分理解してもらいます。そのうえで契約締結となります。

これらを主導するのは、不動産管理会社となります。オーナーの立場では、管理会社からの報告を聞き、必要な意思決定を行なっていきましょう。

ステップ6:鍵を引き渡し管理を開始する

契約締結後は、契約書で定めたとおりに鍵を引き渡し、管理業務が始まります。

引き渡しと管理業務の要点

鍵を引き渡す:契約開始日に鍵を渡し、室内設備の使用方法や注意事項を説明します。緊急時の連絡先も忘れずに伝えます。

定期点検を実施する:建物の劣化状況・設備の動作確認・安全面のチェックなどを定期的に実施し、予防保全に努めます。古い家ではとくに重要な業務です。

家賃管理を行う:毎月の入金確認・滞納時の督促・保証会社との連携など、確実な家賃回収の体制を整えます。家賃滞納があったときには適切な初期対応で、長期化させないことが重要です。

入居者対応を行う:設備故障・近隣トラブル・契約更新など、入居中に発生するさまざまな問題に迅速かつ適切に対応し、入居者満足度を維持します。

上記の管理業務の多くは、専門の管理会社に委託することによって、オーナーの負担を大幅に軽減できます。

最低限のリフォームは必須!効果と優先順位の考え方

古い家を貸すとき、リフォームの必要性とその範囲は、最も判断に迷う要素のひとつです。

過度に投資すれば赤字になるリスクがある一方、必要な改修を怠れば、入居者の確保が難しくなってしまいます。

ここでは、リフォームの考え方について以下のポイントを確認しましょう。

1. 最低限必要なリフォーム箇所を特定する
2. 水回りのリフォームで入居者満足度を高める
3. 内装のリフォームで印象を良くする

最低限必要なリフォーム箇所を特定する

まず重要なのは、賃貸物件として最低限の安全性および居住性を確保するために必須の箇所を、特定することです。

【必須のリフォーム箇所を特定する方法】

建築士による住宅診断:建物全体の構造的な問題を総合的に判断してもらい、優先順位付きの改修リストを作成します。診断費用(5万円程度)は発生しますが、的確な投資判断のベースとして有益です。

専門業者による個別点検:電気工事士・水道工事店・ガス会社など、各分野の専門家に依頼して詳細な状況を把握します。無料で点検サービスを受けられるケースも多くあります。

まずはこれらの基本的な安全性・機能性を確保したうえで、追加的な改修の必要性を検討しましょう。

水回りのリフォームで成約率を高める

トイレ・キッチン・浴室などの水回り設備は、重視する入居者が多い一方で、古さが最も目立ちやすい箇所でもあります。

内見後の成約に大きく影響するため、優先的にリフォームしましょう。

【優先したい水回りリフォーム

トイレを改修する:和式便器は現代では敬遠されるため、洋式への変更は必須です。ウォシュレット機能の追加や手洗い場の設置により、さらなる満足度向上を図れます。

キッチンを新しくする:古いブロックキッチンからシステムキッチンへの変更は、印象を大きく改善します。予算が限られる場合は、ガスコンロや水栓の交換だけでも効果的です。

浴室を変更する:在来工法のタイル浴室をユニットバスに変更すれば、清潔感が大幅に向上します。既存ユニットバスでも、浴槽やシャワー設備の交換で満足度を高められます。

洗面所を整備する:洗面台の交換や鏡の新設、収納スペースの増設など、使い勝手を高める工夫がされていると、入居者に喜ばれます。

水回りリフォームは費用が高額になるケースもありますが、入居者が物件を決める際の重要項目であることを考えると、投資効果は十分に期待できます。

内装のリフォームで印象を良くする

壁材や床材などの内装は、比較的安価に刷新できますが、内見時の印象をガラッと大きく変える力があります。

そういった意味では、費用対効果が高いリフォームといえるでしょう。

内装リフォームのポイント

壁紙を張り替える:黄ばんだ壁紙や剥がれかけたクロスは、物件全体を古く見せてしまいます。明るく新しい白色の壁紙は、部屋を広く見せる効果があります。

床材を刷新する:傷だらけのフローリングや汚れた畳は、内見時の印象を大きく損ないます。クッションフロアへの張り替えや畳の表替えで、清潔な印象を与えられます。

照明器具を交換する:古い蛍光灯をLED照明に交換すれば、明るさが向上します。あるいは、シーリングライトの新設により、古臭さのない住空間を演出できます。

上記のほかには、バリアフリー対応や収納力の強化なども考えられます。想定している入居者層に合わせて、適切なリフォーム内容を選択しましょう。

「古い家を貸したい」ときに注意したい5つのポイント

最後に、古い家を貸すときに注意したい5つのポイントについて、お伝えします。

1. 複数の管理会社を比較しプランを検討する
2. 古い家の管理実績が豊富な会社を選ぶ
3. 修繕範囲と費用負担を明確にしておく
4. 適切な保険に加入する
5. 確定申告を見据えて経費計上などの準備をしておく

複数の管理会社を比較しプランを検討する

不動産管理会社は、一社だけの提案で決めるのではなく、複数の会社から提案を受けて比較検討しましょう。最適な条件とサービス内容を見極めやすくなり、有利な条件での契約につながります。

比較検討のポイント

管理委託料:家賃収入に対する管理手数料の比率を比較します。標準的なプランの相場は家賃の5%前後ですが、サービス内容との関係で総合判断します。

サービス範囲:24時間対応の有無・定期点検の頻度・修繕対応の範囲・報告書の提出頻度など、具体的なサービス内容を詳細に比較します。

付帯費用の負担区分:広告料や鍵交換費用、契約更新時の事務手数料、小規模修繕の出張費など、都度発生する費用の負担区分についても確認しましょう。

「マンション貸す.com」の一括査定サービスを利用すると、厳選された最大6社の提案を受けられます。比較検討の手間を大幅に省きながら、最良の管理会社を選択できますので、ぜひご活用ください。

古い家の管理実績が豊富な会社を選ぶ

古い家特有の課題や魅力を理解し、適切な管理・運営ができる管理会社を見極めましょう。

たとえば、新築マンションしか管理していない会社では、築古戸建ての管理ノウハウが不足している可能性があります。

築古物件の管理力を見極めるポイント

建物特性を理解しているか:木造住宅の経年変化・設備の劣化パターン・効果的な修繕方法など、古い家特有の知識が話の中に出てくるかどうか、確認します。

リフォーム提案力があるか:費用対効果の高い改修提案・信頼できる工事業者との連携・補助金制度の活用など、築古物件の価値向上に向けた具体的な提案ができるかを確認します。

入居者層の理解があるか:古い家を好む入居者の傾向・効果的な募集方法・適切な家賃設定など、ターゲット層に応じたマーケティング力があるかを評価します。

実績の確認としては、管理している築古物件の稼働率や入居期間、オーナーの声などを具体的に質問してみましょう。実態を把握できれば、的確な判断に役立ちます。

修繕範囲と費用負担を明確にしておく

古い家では修繕が生じやすいため、貸主と借主の間で、修繕範囲と費用負担のルールを明確にしておく必要があります。曖昧な取り決めは、後々のトラブルの原因となります。

修繕に関する取り決め事項の例

小修繕の範囲:電球交換・パッキン交換・網戸の張り替えなど、日常的な小修繕の費用負担を明確にします。一般的に1万円未満は入居者負担とするケースが多く見られます。

大規模修繕の判断基準:給湯器交換・エアコン故障・雨漏り修理など、高額修繕の実施判断と費用負担を事前に決めます。緊急性の判断基準も明確にしておきます。

経年劣化の取り扱い:通常使用による自然損耗と入居者の過失による損傷の区別を明確にします。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に準拠した判断基準を設定します。

契約書に具体的な事例を記載し、入居者と管理会社、オーナー間で認識を共有しましょう。

適切な保険に加入する

古い家の賃貸経営では、建物の老朽化に伴うリスクが高まります。適切な保険に加入して備えましょう。

加入を検討すべき保険の種類

施設賠償責任保険:建物の欠陥により、入居者や第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償します。老朽化による事故リスクに備える重要な保険です。

家賃補償:火災や自然災害により賃貸不能となった場合の家賃損失を補償します。ローン返済中の物件では、とくに重要な備えとなります。

火災保険:家を貸すときには借主(入居者)が火災保険に加入しますが、貸主(オーナー)としても建物に対する火災保険に加入する必要があります。入居者の過失ではない火災(例:空室期間中の火災や設備不備などによる火災)に備える必要があるためです。

保険料は経費として計上できるため、節税効果も得られます。定期的に補償内容を見直し、リスクに応じた最適な保険を維持しましょう。

確定申告を見据えて経費計上などの準備をしておく

賃貸収入で利益が出たら、不動産所得として確定申告が必要です。節税効果を高めるためには、事前の準備が必要です。

【確定申告のための準備

領収書の整理:修繕費・管理委託料・保険料・固定資産税など、経費となる支出の領収書を整理して保管します。証憑書類がないと経費として認められないため、注意が必要です。

青色申告の準備:青色申告は節税効果が高くなる確定申告の方式です。事前申請や複式簿記による帳簿作成などの準備が必要なため、早めに情報を収集して対応を進めましょう(参考:国税庁「はじめてみませんか?青色申告」)。

管理会社によっては、確定申告のサポートまで行っているケースもあります。不安があれば管理会社や専門家(税理士)へ相談をして、正しく申告できるように準備していきましょう。

まとめ

本記事では「古い家を貸したい」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

古い家でも貸せるかどうか、客観的な判断基準として以下を解説しました。
1. 立地条件や諸条件次第で築年数の壁は十分に越えられる
2. 築浅物件では満たされない特定ニーズのある層を狙う
3. 安全基準クリアが貸し出すための大前提となる

古い家を貸し出すための6つのステップは以下のとおりです。
1. 家賃相場と賃貸ニーズを調査する
2. 不動産管理会社を選び契約を結ぶ
3. 必要なリフォーム計画を立てる
4. 入居者を募集し内見対応を行う
5. 入居審査を経て賃貸借契約を締結する
6. 鍵を引き渡し管理を開始する

リフォームの効果と優先順位の考え方として、以下を解説しました。
1. 最低限必要なリフォーム箇所を特定する
2. 水回りのリフォームで成約率を高める
3. 内装のリフォームで印象を良くする

古い家を貸すときに注意したい点は以下のとおりです。
1. 複数の管理会社を比較しプランを検討する
2. 古い家の管理実績が豊富な会社を選ぶ
3. 修繕範囲と費用負担を明確にしておく
4. 適切な保険に加入する
5. 確定申告を見据えて経費計上などの準備をしておく

「古い家を貸したい」と考えている方は、まずは一括査定から専門家への相談へ第一歩を踏み出し、具体的な可能性を探ってみることをおすすめします。

河上 隼人

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河上 隼人

1980年11月8日生まれ
広島県出身
株式会社エイムプレイス 代表取締役

インターネットメディア事業「マンション貸す.com」を運営し、不動産オーナーと不動産会社をつなぐ架け橋として活動。効率的で自由度の高い経営スタイルを追求しながら、自らも日々学び続けている。

趣味はトレーニングと健康的なライフスタイルづくり。毎日の冷水シャワーを日課とし、体幹トレーニングではアブローラーの“立ちコロ”を悠々こなす。数年前にお酒をやめてからは、心身ともにすっきりとした日々を楽しんでいる。
「挑戦と進化」をテーマに、自然体で自分らしい生き方を磨き続けている。

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