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マンションを賃貸に出すならリフォームすべき!その理由と費用相場

最終更新日

持ち家を貸す方法

「相続したマンションを賃貸に出したいけど、リフォーム費用が心配で踏み出せない」 「築古物件で、リフォームしないと借り手がつかないのではと不安だ」

マンションを賃貸に出すうえで、リフォームは大きな悩みどころです。

実際、賃貸経営は最初の「リフォーム」というハードルでつまずく方が少なくありません。リフォームを怠れば空室期間が長引く一方で、初期投資の判断を誤って高額な費用をかけ過ぎても、負担が重くのしかかる事態になってしまうからです。

本記事では、賃貸マンションで本当に必要なリフォームの範囲や費用相場、コストを抑える実践的なコツ、そして失敗を避けるための注意点まで解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】

  • 最低限必要なリフォームと省略可能な箇所の判断基準がわかる
  • 壁紙から水回り設備まで具体的な費用相場が把握できる
  • 実践的なコストカット方法がわかる

無駄なリフォーム出費を抑えつつ、安定した家賃収入を得るために、ぜひ本記事をお役立てください。

【結論】最低限の修繕リフォームは必須

まず、「リフォームって必要なの?」という疑問に結論からお答えすると、賃貸物件として貸し出すには、最低限の修繕リフォームは不可欠です。

基礎知識として、以下のポイントを確認しましょう。

  1. 必須となるリフォームの範囲
  2. 知っておきたいリフォーム箇所の優先順位
  3. 迷ったら管理会社へ相談することが大切
  4. リフォームなしで賃貸に出せる物件の条件

必須となるリフォームの範囲

そもそもの前提として、賃貸人(オーナー)には、物件を使用可能な状態で提供する法的義務があります。

民法第606条では、貸主は賃借物の使用に必要な修繕を行う義務を負うと定められています。

たとえば、給排水設備の故障や雨漏り、電気系統の不具合など、入居者の日常生活に支障をきたす箇所は、事前修繕が必須です。

また、破れた壁紙や傷ついた床材の補修、詰まりやすいトイレの修理、給湯器の不具合解消なども、修繕すべき内容となります。

マンションを貸し出すためには、「通常の使用に支障が生じない状態(必要な修繕が済み、清掃されていること)」を満たすことが前提と考えてください。

出典:国土交通省「住宅の賃貸借契約に関連する民法改正の概要」

知っておきたいリフォーム箇所の優先順位

マンションを貸し出す際のリフォームでは、優先順位をしっかり考えることが大切です。

予算は無限にあるわけではありませんから、優先順位を誤れば、お金をドブに捨てることになりかねません。

考え方としては、入居者の生活における満足度や内見時の印象に直結する箇所から、優先的に改善してください。

【予算配分の優先順位】

  • 第1優先は設備機能の確保:給湯器・エアコン・換気扇など、生活必需の設備が正常に動作するか確認し、故障箇所はかならず修理します。安全性に関わる電気系統や防犯設備も同様です。
  • 第2優先は水回りの改善:キッチン・バス・トイレの清潔さと使い勝手を確保します。便座を温水洗浄便座に交換、シンクのさびを除去するなど、少額で効果の高い改善から着手します。
  • 第3優先は内装の美観:壁紙や床材など、部屋全体の印象を左右する内装は客付けに大きく影響します。ヤニ汚れや破れがある壁紙は張替え、傷だらけの床は補修や張替えを検討します。
  • 第4優先は細部の使い勝手:ドアの立て付け・網戸・玄関錠・収納扉など、日常的に使う細かな部分の使い勝手も重要です。不具合があると、入居者の満足度を下げます。
  • 第5優先は付加価値向上:予算に余裕があれば、照明のグレードアップ、エアコンの最新化、アクセントクロスの追加など、差別化要素に着手します。ただし基本が整っていない状態での実施は逆効果です。

迷ったら管理会社へ相談することが大切

限られた予算でどこまでやるか迷う場合、不動産管理会社に相談して、「この物件ならここを直せば決まりやすい」というアドバイスをもらうようにしてください。

独断や感覚でリフォーム箇所を決めてしまうと、実際の入居者のニーズと大きく乖離することが少なくありません。

これから管理会社選びを進めるという方は、失敗しないために、厳選された6社から査定提案が届く「マンション貸す.com」をぜひご利用ください。

リフォームなしで賃貸に出せる物件の条件

補足として、条件次第では、ほとんど手を加えずに貸し出せる物件も存在します。

【リフォーム不要で貸せる物件の特徴】

  • 築浅で状態が良好である:築10年以内で丁寧に使用されていた物件なら、クリーニングと軽微な補修で十分なケースもあります。設備の動作確認は必須ですが、大掛かりな改修は不要です。
  • 立地需要が強い:駅徒歩5分以内、都心部など希少性の高いエリアでは、多少状態が悪くても借りたい人がいます。「リフォームは最低限にして、家賃を相場より1万円下げる」といった戦略を取る場合もあります。
  • 条件の緩和で差別化できる:「ペット2匹まで可」「楽器演奏可」など、探している人が少ない条件を許容すれば、内装が古くても借り手が見つかりやすくなります。ただし、退去時の原状回復費用リスクは高まる点に、注意が必要です。

いずれの場合も「最低限の修繕とクリーニング」は実施し、現状のままでも快適に暮らせる状態にしておくことが大前提です。基本的なメンテナンスは省略できません。

賃貸マンションのリフォーム費用相場

リフォームの計画を立てる際、各箇所の費用相場を把握しておくことが重要です。以下では代表的なリフォーム箇所ごとの費用目安を紹介します。

  1. 壁紙(クロス)の張り替え費用は6畳で4万円〜
  2. 床(フローリング)の張り替え費用は6畳で8万円〜
  3. トイレの交換費用は10万円〜
  4. 洗面台の交換費用は10万円〜
  5. キッチンの交換費用は50万円〜
  6. ユニットバスの交換費用は50万円〜
  7. 全面リフォーム(フルリフォーム)は300万円〜

なお、注意点としてこれらは6畳程度の部屋規模や標準的な仕様での概算であり、実際の見積もりは物件や地域、時期によって変動する点にご注意ください。工事費込みの総額イメージとして参考にしてください。

壁紙(クロス)の張り替え費用は6畳で4万円〜

壁紙の張り替えは最も基本的な内装リフォームで、費用相場は6畳の部屋全体で約4万〜7万円程度です。

量産型の一般的なクロスなら平米単価1,000円前後からあり、6畳の壁面約40平米で計算すると4万円程度から施工可能です。防臭・防カビ機能付きやデザイン性の高いクロスを選ぶと、6万〜7万円台になります。

壁紙張り替えは、空間の印象を一新できる費用対効果が高い改修です。とくに、タバコのヤニ汚れや破れが目立つ場合は、かならず実施したい項目です。

なお、天井クロスは汚れが少なければ張り替えを省略し、予算を壁面に集中させるほうが効率的でしょう。

床(フローリング)の張り替え費用は6畳で8万円〜

床の張り替え費用は材質によって幅がありますが、一般的な合板フローリングで6畳約10平米なら8万〜20万円程度が目安です。

安価な複合フローリングなら8万〜12万円程度、クッションフロアなら4万〜8万円程度と、材料費・施工費とも安価になります。クッションフロアは、ビニール系床材ですが木目調デザインも豊富で、コスト優先なら有力な選択肢です。

フロアタイルは6畳で6万〜12万円程度で、部分的な張替えや補修が容易なため、将来のメンテナンス性も優れています。

費用には古い床材の撤去処分・下地調整・新規材の施工費が含まれます。既存が畳の場合は下地造作が必要なため、15万〜20万円とやや割高になるケースもあります。

トイレの交換費用は10万円〜

トイレ本体の交換費用は比較的安価で、標準的な洋式トイレなら10万〜20万円程度が相場です。

賃貸物件でよく使われる組み合わせ式トイレなら、本体価格5万〜10万円と工事費5万〜7万円程度で収まるケースが多く、合計15万円前後が目安になります。大手メーカーの普及モデル洋式トイレは、本体7万〜8万円程度で、温水洗浄便座付きでも10万円前後です。

トイレ交換の際には、床のクッションフロア張替えや壁クロス補修もセットで行うと、一層清潔な印象になります。これらを含めても数万円の追加で済むことも多く、同時に実施するほうが効率的です。

洗面台の交換費用は10万円〜

洗面化粧台の交換費用は、おおむね10万〜25万円程度が相場です。

一般的な間口60cm〜75cmの洗面台で量産型の標準商品なら、本体5万〜10万円と工事費5万円前後で収まり、合計10万〜15万円前後で交換できるケースが多くなっています。

国内メーカーのシンプルな洗面化粧台は、本体価格7万〜8万円程度からあり、撤去処分と設置工事を含めて12万〜13万円程度が標準的です。

洗面台交換の際は、周囲の壁紙や床の補修も発生しますが、それらを含めても前述の範囲内で収まるケースが多いでしょう。

キッチンの交換費用は50万円〜

システムキッチンの交換は大型リフォームのひとつで、費用相場は最低でも50万円以上を見込む必要があります。

標準サイズ間口180cm前後のシステムキッチンで、シンプルなグレードの製品なら、本体と工事込みで50万〜80万円程度が目安です。大手メーカーの普及モデルなら、本体20万〜30万円台から選べ、工事費込みで50万円台も実現可能です。

賃貸用ではハイグレードなシステムキッチンは不要で、量産型のシンプルなキッチンが選ばれるため、本体価格は抑えられます。

ただし、既存キッチンを外すと壁や床に隙間や跡ができるため、補修やクロス張替えを行うと費用が加算される点に注意が必要です。

ユニットバスの交換費用は50万円〜

ユニットバスの交換は費用が高めで、相場は50万円以上から150万円程度です。マンションで一般的な1216サイズで標準仕様なら60万〜120万円程度、高グレード品やサイズ拡張を伴うと100万〜150万円超になります。

マンション用ユニットバスで低グレード品なら、本体・工事込みで50万〜75万円前後というケースもあります。

費用内訳はユニットバス本体価格と既存浴室の解体撤去費、搬入組立費、配管工事費などです。マンション高層階では重量物搬入の手間もあり、人件費がかさむことがあります。

賃貸物件でユニットバス交換をするのは、お風呂が著しく老朽化している場合に限定されます。費用回収に時間がかかるため、空室対策として実施する際も慎重に判断しましょう。

全面リフォーム(フルリフォーム)は300万円〜

全面リフォームとは、室内の内装・設備をすべて刷新し、場合によっては間取り変更も行う大規模リフォームです。

マンションの全面リフォーム費用相場は、最低でも300万円程度からです。3LDKマンションをスケルトンにしてフルリノベする場合などは、500万〜800万円かかることもあります。

費用内訳は内装仕上げ工事、設備の一式交換、配管工事、間取り変更がある場合は解体・造作工事、デザイン設計費などです。工事範囲が広いため、職人手配も多岐にわたって人件費総額も大きくなり、期間も1〜2カ月程度要します。

賃料収入でリフォーム費を回収するには、10年以上を見込む必要があるケースもあります。相続物件を長期運用する場合などに向いた戦略です。

賃貸マンションのリフォーム費用を抑える5つのコツ

リフォーム費用はできるだけ抑えつつ、効果的な改修を実現したいものです。ここでは賃貸リフォームのコストダウン術を5つ、ご紹介します。

  1. 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
  2. 設備はハイグレードではなく標準仕様を選ぶ
  3. 内装は奇抜なデザインを避け万人受けを狙う
  4. 補助金や助成金制度が使えないか確認する
  5. DIYでできる部分は自分で行う

複数のリフォーム会社から相見積もりを取る

最もベーシックで有効なコスト削減策が、相見積もりです。1社だけの見積りでは金額の妥当性を判断できませんが、3〜4社から見積もりを取れば相場感がつかめます。

同じ工事内容でも業者によって金額は異なるため、比較検討をして、割高な業者や不必要な工事項目を見つけ出しましょう。各社に「壁紙と床の張替え、キッチン交換をしたい」のように具体的に伝え、現地調査をしてもらえば、精度の高い比較ができます。

見積書が出そろったら、項目ごとに比較表を作ると違いが一目瞭然です。ある業者で高かった工事項目が、別の業者では安い場合もあります。

ただし、単純に総額の安さだけで判断せず、工事内容の質や保証も考慮して、総合的に信頼できる業者を選ぶことが大切です。

設備はハイグレードではなく標準仕様を選ぶ

水回り設備などを交換する際、最高級グレードの商品は避け、標準クラスの設備を選ぶことで費用を大幅に抑えられます。賃貸物件では、最新式の高機能設備にしても家賃に転嫁しにくく、ハイグレード仕様はコストに見合わないためです。

実際のところ、入居者の多くは「最新設備より月1万円安い家賃」を求めています。「豪華リフォームした部屋より、設備は普通でも家賃を安く設定した部屋のほうが早く埋まった」というケースは少なくありません。

ほどほどのグレードでそろえることで過剰投資を防ぎ、必要十分な快適さを提供できます。

内装は奇抜なデザインを避け万人受けを狙う

内装リフォームをする際、デザインは個性的なものを避け、シンプルで万人受けするテイストにするほうが無難です。奇抜なデザインは特定の人には刺さっても、その他大勢には敬遠され、空室リスクが高まるためです。

賃貸物件では誰が入居するかわからないため、基本的には、万人受けする無難な内装が原則です。原色使いの派手なクロスやユニークな模様の床材などは、実際の入居希望者には「暮らしにくそう」と思われる場合があります。

白やアイボリーを基調にした明るく清潔な内装や、木目調で統一したナチュラルテイストなら、幅広い層に好まれます。アクセントクロスを使う場合も、原色ではなく淡いグレーやベージュ系にするなど、あくまで「おしゃれな無難さ」を目指すとよいでしょう。

「無難すぎて印象が弱いかな」と思うくらいでちょうどよいケースも多くあります。

補助金や助成金制度が使えないか確認する

国や自治体のリフォーム補助金・助成金制度を活用できれば、費用負担を大きく減らせます。近年、政府は住宅の省エネ化やストック活用を促進するため、さまざまな補助事業を用意しており、賃貸住宅でも条件を満たせば適用可能です。

補助金の額は事業によりますが、対象工事費の1/3補助や定額補助など、数十万円から百万単位で支援が受けられることもあります。とくに省エネ系の補助金は手厚く、窓改修や高断熱浴槽などは補助対象になりやすいでしょう。

リフォームプランを考える時点で、使える補助制度がないか情報収集しましょう。「住宅省エネ2025キャンペーン」のページをチェックしたり、[自治体名 リフォーム 補助金]と検索したりすると、改修補助の情報が見つかります。

該当すれば数十万円の規模で費用軽減できるため、とくに省エネ・耐震・バリアフリー関連の改修は要チェックです。

DIYでできる部分は自分で行う

リフォーム作業のなかで、DIYで対応可能な部分をオーナー自ら行えば、人件費を節約できます。最近はネットでノウハウが入手しやすく、初心者でも挑戦しやすい環境です。

コスト重視の賃貸物件であれば、多少の手作り感より費用削減メリットが勝る場合もあります。壁の塗装、洗面所やトイレの床クッションフロア貼り、網戸の張替え、蛇口やシャワーヘッド交換などは、オーナーがDIYしやすい箇所です。

ただし、電気の配線工事やガス工事など資格や高度な技術がいる部分は絶対にプロに任せ、DIYは内装の仕上げや簡単な設備交換など、安全面に問題ない部分に留めるようにしましょう。

無理のない範囲で楽しみつつDIYに取り組めば、場合によっては、数十万円の節約になります。

賃貸リフォームで失敗しないための4つの注意点

最後に、リフォームに取り組む際に押さえておくべき注意点を解説します。以下の4つのポイントを確認しましょう。

  1. リフォーム費用の経費計上が抜け漏れないようにする
  2. ローンを組む場合は返済計画を立てる
  3. 工事期間中の家賃収入がない期間を考慮する
  4. 管理規約でリフォームの制限がないか確認する

リフォーム費用の経費計上が抜け漏れないようにする

賃貸運営で発生するリフォーム費用の多くは、確定申告時に必要経費として計上可能です。その年の不動産所得から差し引けるので、大幅な節税につながります。

具体的には、「修繕費」として認められる支出であれば、全額を当期の必要経費にできます。修繕費とは「建物や設備の原状回復や維持管理のための費用」を指し、壁紙張替えや給湯器交換、塗装補修などは基本的にこれに該当します。

ただし、資本的支出(価値を高める増改築など)の場合は経費ではなく、資産計上となります。資本的支出に該当する費用は、減価償却で数年に渡り経費配分する点に注意が必要です。

詳しくは、国税庁の「資本的支出と修繕費」にてご確認ください。

ローンを組む場合は返済計画を立てる

リフォーム費用が高額になる場合、リフォームローンや融資を利用することもあります。その際は借入金額だけでなく、金利と毎月の返済額を踏まえた計画をしっかり立てましょう。

家賃収入から返済を賄う前提であっても、返済期間中は毎月のキャッシュフローに影響します。リフォームローンの金利は住宅ローンよりも高く、空室リスクもあるため、余裕を持った計画が必要です。

返済額が家賃収入から捻出可能か検討し、返済中に空室が出ても、他収入や手持ち資金でカバーできるよう無理のない借入額に留めてください。

ローンを組むなら長期的な返済計画とリスク管理を万全にし、借りすぎないことが大切です。

工事期間中の家賃収入がない期間を考慮する

リフォーム工事を行う間は、その部屋は貸し出せないため、家賃収入が途絶える期間が発生します。これを見落として収支計画を立てると、資金繰りが狂ってしまいます。

工事期間と空室期間の長さをあらかじめ見積もり、余裕を持って計画することが重要です。小規模な内装リフォームなら数日から1週間以内で終わりますが、システムキッチン交換やユニットバス交換などは1〜2週間程度、全面リフォームともなると1〜2カ月は空室になる覚悟が必要です。

仮に月15万円の家賃なら、2カ月で30万円の機会損失です。職人の手配や資材納期の遅れで、予定より伸びることもあります。とくに年度末など、繁忙期は工事が立て込むため、見積もりより日数がかかるケースも想定しておきましょう。

管理規約でリフォームの制限がないか確認する

マンションの場合、物件固有の管理規約・使用細則によってリフォーム内容に制限が課されていることがあります。とくに分譲マンションを賃貸に出すケースでは、事前届け出や承認事項を怠るとトラブルになる恐れがあります。

オーナーは区分所有者として、管理組合の規約を守る必要があります。

よくある制限事項として、共用部分に関わる工事の禁止、フローリングへの変更時の遮音基準、水回り設備の移設禁止、工事時間帯や曜日の制限などが挙げられます。

たとえば、階下への防音上、管理規約で「和室をフローリングに替える場合は遮音等級LL-45以上の防音フローリング使用」などの定めがある場合があります。これを無視して普通のフローリングにするとトラブルになるため、管理組合にリフォーム内容を事前に申請書で提出し承認を得なければなりません。

リフォーム計画段階で、管理規約チェックは必須です。ルールに沿った形で工事を進め、近隣トラブルや法的トラブルを未然に防ぎましょう。

まとめ

本記事では「マンションを賃貸に出すときのリフォーム」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

最初に基本的な事項として、以下を解説しました。

  • 賃貸物件として貸し出すには最低限の修繕リフォームが不可欠
  • 設備機能の確保、水回りの改善、内装の美観の順で優先順位をつける
  • 迷ったら管理会社に相談し入居者ニーズに合った箇所を改修する
  • 築浅で状態良好、立地需要が強い、条件緩和で差別化できる物件はリフォーム最小限でも可能

賃貸マンションのリフォーム費用相場は以下のとおりです。

  1. 壁紙(クロス)の張り替え費用は6畳で4万円〜
  2. 床(フローリング)の張り替え費用は6畳で8万円〜
  3. トイレの交換費用は10万円〜
  4. 洗面台の交換費用は10万円〜
  5. キッチンの交換費用は50万円〜
  6. ユニットバスの交換費用は50万円〜
  7. 全面リフォーム(フルリフォーム)は300万円〜

賃貸マンションのリフォーム費用を賢く抑える5つのコツを解説しました。

  1. 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
  2. 設備はハイグレードではなく標準仕様を選ぶ
  3. 内装は奇抜なデザインを避け万人受けを狙う
  4. 補助金や助成金制度が使えないか確認する
  5. DIYでできる部分は自分で行う

賃貸リフォームで失敗しないための4つの注意点は以下のとおりです。

  1. リフォーム費用の経費計上が抜け漏れないようにする
  2. ローンを組む場合は返済計画を立てる
  3. 工事期間中の家賃収入がない期間を考慮する
  4. 管理規約でリフォームの制限がないか確認する

まずは必須のリフォームから優先的に実施し、物件を魅力的に磨き上げて、入居者募集を始めてください。無駄な出費を抑えながら確実に家賃収入を得るために、本記事の内容を参考にリフォーム計画を練っていただければ幸いです。

松本 将幸

Author information

松本 将幸

平成2年7月12日生まれ
埼玉県さいたま市出身
上場企業・外資系企業を経て、エイムプレイスに入社。

趣味は車とドライブ、昨年は車で青森まで走破。
地図アプリの推定時間は参考程度にしか考えないタイプである。
そんな自由さと行動力を持ちながら、記事では意外と堅実で役立つ情報を届けている。

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