「管理会社に任せているのに、なかなか客付けをしてくれず空室が埋まらない」
「もっと積極的に客付けをしてくれる管理会社って、ないのかな?」
「客付け力・入居率が高い管理会社を見つけて、その管理会社に依頼したい」
賃貸経営で安定した家賃収入を得るためには、空室をどれだけ早く埋められるかが大きなポイントです。その鍵を握るのが「客付け」(入居者を見つけて契約まで結びつける活動)です。
本来であれば「客付け」は仲介会社が行うことが多いのですが、近年では管理業務に加えて自社で入居者募集まで行う「客付けにも強い管理会社」も増えています。
こうした会社に依頼できれば、募集から契約までを一気通貫で進められるため、スピードや成約率の面で大きなメリットが期待できます。空室率が減れば、収益も改善して経営が安定して、オーナーの負担や心配も大きく軽減できます。
この記事では、管理会社による客付けの意味や、そもそも「客付けは誰が行うのか」という基本的な情報を押さえたうえで、
・空室を早く埋める管理会社が行っている6つの方法
・客付け力の高い管理会社を見極めるためのチェックポイント
についても丁寧に解説していきます。
客付け力の強い管理会社を探している方はもちろん、自主管理オーナーや、仲介会社に客付けをお願いしたいと考えている方にとっても参考になる情報をお届けします。
「空室を早く埋めたい」「信頼できる管理会社を選びたい」と考えているオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
管理会社による「客付け」とは
賃貸経営で安定的に家賃収入を得るためには、空室をいかに早く埋められるかが大きなポイントです。その鍵となるのが「客付け」、つまり入居者を見つけて契約までつなげる活動です。
本来、客付けは仲介会社が担うことが多く、管理会社は物件管理を専門とする立場にあります。しかし近年では、管理業務に加えて自社で入居者募集まで行う「客付けにも強い管理会社」も増えてきました。
この章では、まず管理会社が直接入居者を探す仕組みと、そのメリットを整理します。
さらに、不動産業界における本来の客付け・元付けの役割分担についても触れながら、「管理も客付けも強い管理会社」がなぜオーナーにとって魅力的なのかを見ていきます。
管理会社が直接入居者を探してくれること
管理会社による客付けとは、管理会社が通常の「物件管理業務」だけでなく「入居者探し」までを行うことを指します。
一般的には、管理会社は「物件管理のみ」を行い、仲介会社が入居者を見つける役割を担うケースが多いのですが、管理会社によっては、管理だけでなく「客付け」(つまり入居者を見つけて契約までつなげる業務)も行ってくれるところがあります。
管理会社は物件の状態やオーナーの希望条件を直接把握しているため、募集活動から内見対応、条件交渉までの精度が高まり、実際に入居が決まるまでのスピードが速くなる傾向があります。結果として、空室リスクを抑えられる可能性も高まります。
つまり、管理会社が直接客付けまで対応できる体制を持っている場合、オーナーにとっては「管理も客付けも任せられるパートナー」となり、賃貸経営の安定化に大きく貢献してくれるのです。
本来は客付けは仲介会社が行うことが一般的
不動産業界では、本来「入居者を見つけること(客付け)」は仲介会社が担うのが一般的です。管理会社はオーナーから依頼を受けて物件を管理する立場であり、この入居者探しの役割はあくまで仲介会社に委ねられる形が基本となっています。
客付けと元付けの違い
- 客付け=物件を借りたい人(借主)に物件を紹介して、内見や契約までを担当する
- 元付け=物件のオーナー(貸主)から依頼を受けて、募集条件の設定や広告掲載などを取りまとめて、仲介会社に物件情報を提供する
つまり、管理会社はオーナー側の元付けポジションであり、借主を見つける「客付け」は仲介会社の仕事というのが本来の形です。管理会社のメイン業務はあくまで物件管理であり、入居者募集(客付け)は付随業務とされてきました。
ただし近年では、管理だけでなく、自社で仲介機能を持ち、直接入居者を見つけるところまで対応する「管理も客付けも強い」管理会社も増えてきています。こうした会社であれば、募集から契約まで一気通貫で進められるため、スピードや成約率の面でメリットが期待できます。
誰が客付けするかは3つのパターンがある
客付けの本来の意味や、管理会社と仲介会社の役割の違いがわかったところで、「客付けって一体だれがするものなのか?」という点について、あらためて確認していきましょう。
「誰が客付けをするのか」を大きく分けると、次の3つのパターンがあります。
客付けをするのは誰か?3つのパターン
- 仲介会社に客付けを依頼して、入居者を探してもらう(一般的な流れ)
- オーナーが自分で客付けをする(完全自主管理)
- 管理会社が、物件管理も客付けも両方行う(できない管理会社もいるので注意)
3つのパターンは、客付けをするのが「仲介会社」、「オーナー自身」、「管理会社」と、全て異なる人(会社)が行うものであり、流れも異なります。
パターンごとにどのような違いがあるか、しっかりイメージしながら読み進めてください。
仲介会社に客付けを依頼して探してもらう(一般的な流れ)
賃貸経営でもっとも一般的なのは、管理会社は「物件管理」に徹して、客付けは仲介会社に依頼するという分業の形です。
管理会社は元付けとしてオーナーから物件情報を預かって条件設定や広告掲載を行いますが、実際に入居希望者を見つけて内見や契約を進める「客付け」は仲介会社が担うのが本来の形です。
管理会社が空室を把握した時点で仲介会社(客付け)に依頼して、入居者募集活動は仲介会社に一任します。仲介会社は物件情報をポータルサイトに掲載し、入居希望者からの問い合わせや内見、契約までを担当します。入居後の管理やトラブル対応は、再び管理会社が行います。
管理会社と仲介会社の分業体制は効率的ですが、仲介会社の営業力や物件の優先度によって成約スピードが左右されます。管理会社がどの仲介会社と連携しているか、またどの程度積極的に動いてくれるかの見極めが重要です。
仲介会社の営業姿勢や優先度によっては、必ずしも早期成約につながらないこともあり、積極的に動いてもらうための「広告料(AD)」が別途必要になることがあるのがデメリットです。
オーナーが自分で客付けをする(完全自主管理)
完全自主管理を貫いているオーナーの場合には、オーナー自身が入居者を探すこともあります。
自主管理では、退去が出た時点でオーナー自ら行動して入居者を探します。物件の魅力をアピールする力や募集ルートの確保がなければ、入居付けの機会すら得られないこともあります。
ただし、オーナーが直接探すことで「信頼できる入居者を選べる」「長期入居につながる人を重視できる」といったメリットも生まれます。
また、「契約書の作成だけ不動産会社に依頼する」「宣伝と内見だけ仲介会社に任せる」など、部分的な委託も可能です。これにより、自主管理の自由度を保ちながら、リスクや手間を減らすことができます。
管理会社が管理も客付けも両方行う
近年増えている3つ目の方法が、「管理会社が管理と客付けを一貫して行う」という形です。
つまり、普段物件管理を依頼している管理会社が、仲介会社の代わりに「入居者募集」も一貫して行ってくれる形です。
従来の分業型では、管理会社と仲介会社の間で物件情報や条件をやり取りするため、情報伝達のタイムラグや齟齬が起こることがあります。管理会社が一貫して管理も客付けも行う場合には、一元管理できるためさまざまなメリットがあるのです。
客付けもできる管理会社に依頼するメリット
- 仲介会社を介さないため、情報伝達がスムーズで成約までのスピードが速い
- 物件の魅力や条件を直接理解しているため、的確なアピールができる
- 自社物件の成約は管理収入増につながるため、AD(広告料)がなくても積極的に募集してくれる
- 外部仲介を使う場合に比べてADを抑えやすく、広告費負担が軽減しやすい
- 管理と客付けを一元化できるため、オーナーの手間や調整コストが減る
3つの方法の中でも、管理も客付けも両方こなす管理会社は、情報伝達のロスがなく、動きが速いのが特徴です。できるだけ一本化したいオーナーにとっては最適な選択肢と言えるでしょう。
空室を早く埋める管理会社が実践している「客付け」の方法
前章では、客付けには仲介会社に依頼する方法、自分で行う方法、そして管理会社が一貫して行う方法があることを見てきました。中でも、管理会社が管理から客付けまで一貫して行ってくれる場合は、オーナーにとって手間が減り、空室を埋めるまでの流れもスムーズになります。
では、そうした管理会社は、どのような工夫や戦略で短期間での成約を実現しているのでしょうか。
この章では、客付け力の高い管理会社が実際に行っている6つの方法を紹介します。ターゲットを絞った戦略的な募集活動、仲介会社との強力なネットワーク、物件の魅力を引き出す広告素材の作成、大手ポータルサイトの効果的な活用、そして反響が少ない場合の改善提案まで、空室期間を最短化するための実践的なポイントを解説します。
空室を早く埋める管理会社が実践している「客付け」の方法
- 物件ごとにターゲットを絞った戦略的な募集活動を行う
- 他の仲介会社とも連携して物件情報を早く広げる
- 第一印象を左右する魅力的な物件写真を用意する
- 魅力的なキャッチコピーで募集広告を作る
- 大手ポータルサイトに掲載して上位表示を狙ってくれる
- 反響が悪い場合には迅速・的確な改善提案を行う
ここで紹介する手法は、管理会社だけでなく、自主管理オーナーや仲介会社にとっても参考になるものです。空室対策の精度を高め、成約までのスピードを大きく変えるヒントが詰まっていますので、ぜひ参考になさってください。
物件ごとにターゲットを絞った戦略的な募集活動を行う
客付け力の高い管理会社は、物件ごとに借り手のターゲット層を明確に設定し、その層に刺さる広告・キャッチコピー・写真を用意します。物件の強みや周辺環境、間取りからターゲットを絞り込むことで、広告の訴求力が高まり、効率的に反響を集められます。
たとえば「単身女性」「子育て世帯」「法人契約希望の会社員」など、借り手の性別やライフスタイルによって求める条件は異なります。これを把握して募集戦略に落とし込むことで、内見につながる確率が格段に上がります。
地域密着の仲介会社ネットワークを使うのか、紙媒体が効果的なのか、またはSUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトに載せるのかの判断を組み合わせて、物件ごとに最適な募集経路を設計します。反響が少ない場合には、条件や見せ方などの見直しも迅速に行い、募集期間の短縮を図ります。
戦略的なターゲット設定と訴求のポイント
- 物件の立地、間取り、設備、周辺環境から想定ターゲットを明確にする
- ターゲット層に響くキャッチコピーや広告文を作成する
- 写真や紹介文もターゲット層に合わせて工夫する(例:女性向けならセキュリティ・清潔感を強調)
- 募集開始後の反響を見て、条件や訴求内容を素早く調整する
- 競合物件の広告内容を分析し、差別化ポイントを打ち出す
ターゲットを絞った訴求は、無駄な広告費を抑えつつ、短期間で成約を狙う効果的な方法です。
他の仲介会社とも連携して物件情報を早く広げる
客付け力の高い管理会社は、自社で直接入居希望者を探すと同時に、地域の仲介会社とのネットワークも駆使して募集活動を行います。これにより、広告の露出範囲が広がり、成約スピードを大幅に高めることができます。
たとえば、自社のホームページやSNS、既存の顧客リストから直接アプローチを行いながら、並行して仲介会社に物件情報を共有します。仲介会社との間では、最新情報の迅速な提供や、物件確認への即時対応、内見予約のスムーズな調整など、案内しやすい環境づくりを徹底します。
さらに、AD(広告料)の設定や条件調整にも柔軟に対応することで、仲介会社から優先的に案内されやすくなります。こうした「自社募集+仲介ネットワーク」の二刀流は、募集初期から反響を集めやすく、空室期間を最短化する有効な方法です。
他の仲介会社との連携力を高める方法
- 自社ホームページやSNSで、直接入居希望者にアプローチする
- 地域の仲介会社へも物件情報を即日に共有し、最新状態を常に発信する
- 物件確認や内見予約に素早く対応して、案内しやすい管理体制を整える
- AD(広告料)の設定や条件変更に柔軟に対応する
- 仲介会社が紹介しやすい募集資料・図面・鍵手配を用意する
こうした連携は単なる情報提供にとどまらず、「仲介会社を重要なパートナーと位置づける姿勢」から生まれます。結果として、自社だけではリーチできない入居希望者層にも効率的にアプローチでき、空室期間を短縮できます。
第一印象を左右する魅力的な物件写真を用意する
客付け力の高い管理会社は、物件写真のクオリティにこだわります。物件を探している人が最初に目にするのは写真であり、その第一印象が「内見してみたい」と思わせるかどうかを左右するため重要です。
明るく広く見える写真や清潔感のある写真は、クリック率・問い合わせ率を高め、結果的に成約スピードを早めます。
第一印象を左右する魅力的な物件写真を用意する方法
- 撮影前に室内を清掃・整理整頓して、生活感を無くしておしゃれなイメージにする
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)は水滴や汚れを除去して清潔感を演出する
- 自然光を活かせる日中の時間帯に撮影して、日当たりの良さをアピールする
- 部屋の隅から対角線方向に撮影し、奥行きと広さを感じさせる
- 撮影時は水平・垂直を意識して、歪みを防ぐ(グリッド線や三脚を活用する)
- 広角レンズやミニ三脚を活用して、狭い室内でも広く見せる
- 推しポイント(眺望・収納・設備など)はアップのカットも撮影する
- 外観は順光で撮影し、電線や不要な写り込みを避ける
- 撮影後は明るさ・色調を調整して、物件本来の色味を再現する
- 居住中や残置物がある場合は、AIツールで生活感を消した空室写真を作成する
- 外観、リビング、キッチン、各居室、浴室、トイレ、バルコニー、収納、共用部の様子が分かるよう、できれば10枚以上の物件写真を用意する
こうした写真は管理会社だけでなく、自主管理オーナーや仲介会社にとっても有効な手法です。写真の質を高めることは、募集活動全体の効果を底上げする重要なステップです。
魅力的なキャッチコピーで募集広告を作る
客付け力の高い管理会社は、募集広告に掲載するキャッチコピーにもこだわります。物件を探している人は、すべての情報を熟読するわけではなく、まず目に入るキャッチコピーで興味を持つかどうかを判断します。そのため、短時間で心を掴むキャッチコピーは、反響数や成約率を高める大きな武器になります。
魅力的なキャッチコピーの例(一例)
- 「小学校徒歩5分・子育て世帯にぴったり」
- 「単身赴任の方歓迎・家具家電付き」
- 「駅徒歩4分・坂道なし」
- 「南向き・日当たり良好・家賃6万円台」
- 「休日はベランダで家庭菜園」
- 「ペットと暮らせるリノベ物件」
キャッチコピーはWeb媒体や紙媒体だけでなく、営業トークにも活用でき、物件の魅力を端的に伝える効果があります。
魅力的なキャッチコピーを作る方法
- ターゲットを明確にし、誰に向けた物件なのかをはっきりさせる
- 物件の強みと弱みを把握し、強みを前面に押し出す
- 競合物件のキャッチコピーを調べ、差別化ポイントを見つける
- 駅からの距離や設備など、具体的な数字やワードを盛り込む
- 第三者の視点を取り入れ、実際の暮らしをイメージできる表現にする
- 禁止文言や誇大広告にならないよう、宅建業法・表示規約を遵守する
- 広告媒体ごとの特徴(ポータルサイト・SNS・紙媒体)に合わせて言葉を調整する
- 営業トークにも使えるよう、短く覚えやすいフレーズにまとめる
- ターゲット層が共感しやすい生活シーンや感情に訴える要素を加える
こうしたキャッチコピーの工夫は、管理会社だけでなく、自主管理オーナーや仲介会社が広告作成する際にも効果的です。短い言葉で魅力を伝えるスキルは、空室対策において非常に有効です。
大手ポータルサイトに掲載して上位表示を狙ってくれる
客付け力の高い管理会社は、物件ごとに適した不動産ポータルサイトを選び、それぞれの特性に合わせた掲載戦略を行います。
SUUMOなどのポータルサイトは賃貸物件探しで多くの入居希望者が利用するため、情報の見せ方や更新頻度によって反響数が大きく変わります。
単に掲載するだけではなく、検索上位を維持するために更新日を調整したり、物件情報を充実させたりすることで、他の物件よりも目に留まりやすくなります。また、掲載先の選定や広告費の使い方を管理会社が把握していることで、より効率的な集客が可能になります。
SUUMOなどのポータルサイトを効果的に活用する方法
- 物件ターゲットに合ったポータルサイトを選定する(例:SUUMO=幅広い層、HOME’S=詳細条件検索重視、アットホーム=地方に強い、カナリー=若年層向け)
- 各サイトの特徴に合わせて、写真・タイトル・コメントの見せ方を変える
- タイトルには「駅徒歩○分」「新築」「ペット可」などの具体的で魅力的なワードを入れる
- 物件コメントでは、設備の有無だけでなく生活メリットまで説明する(例:「宅配ボックスがあるので不在時も荷物を受け取れます」)
- 外観や室内は明るく広く見える写真を掲載し、動画や360度ビューも活用する
- 周辺環境や沿線情報を充実させ、ターゲット層に合わせた生活イメージを伝える
- 掲載後は反響数・成約率を定期的に分析し、成果が高い掲載方法を他物件・他媒体にも横展開する
- 媒体ごとの費用対効果を比較し、広告予算を優先配分する
- 注意点や物件の弱みも正直に記載し、ミスマッチによるキャンセルを防ぐ
こうした工夫により、ポータルサイト掲載が単なる情報掲示ではなく、成約に直結する効果的な集客施策となります。
反響が悪い場合には迅速・的確な改善提案を行う
客付け力の高い管理会社は、反響や内見が伸び悩んだ場合でも、原因を迅速に分析し、オーナーに納得感のある改善提案を行います。感覚ではなく、反響数・内見件数・申込率などのデータに基づいて判断することで、空室期間を最小限に抑えることができます。
反響が悪い場合にできる改善提案の例
- 賃料や共益費を、周辺相場や競合物件に合わせて見直す
- AD(広告料)を増額して、仲介会社に積極的に紹介してもらえる条件にする
- 入居条件を緩和する(例:礼金ゼロ、ペット可、保証人不要など)
- 内装や設備の改善提案(クロス張替え、照明追加、インターネット無料化など)
- ターゲット層を変え、それに合わせた写真・広告文・媒体を再設計する
- 募集媒体や広告戦略を見直し、掲載サイトや掲載方法を変更する
- 周辺環境や物件の魅力を再取材して、掲載情報を刷新する
こうした提案力とスピード感がある管理会社は、オーナーにとって「単なる管理代行」ではなく、空室対策の頼れるパートナーとなります。
客付け力が強い管理会社を選ぶための方法・見極め方法
3章では、客付け力の高い管理会社が実際に行っている具体的な募集手法をご紹介しました。写真や広告文の工夫、ターゲットを絞った戦略、仲介会社とのネットワーク活用など、いずれも空室期間を短くするための重要な取り組みです。
こうした効果的な客付けを行ってくれる管理会社に依頼できれば、万が一空き室が発生したとしても、すぐに次の入居者を見つけてくれるはずです。
ここからは、数多く存在する管理会社の中から「実際に動ける会社」「数字と結果を出せる会社」を見分けるために、管理会社選びの際にチェックすべき3つのポイントをご紹介します。
客付け力が強い管理会社を選ぶための方法・見極め方法
- 「管理物件の入居率」を確認する
- 客付け方法・退去者が出たときの流れを確認する
- 対応スピードや説明の丁寧さで「動いてくれるか」を判断する
安心して任せられる管理会社を見つけるために、ぜひ参考にしてみてください。
「管理物件の入居率」を確認する
客付け力の強さを客観的に判断するうえで、もっとも分かりやすい指標が「管理物件の入居率」です。
入居率は、管理している全物件のうち、どれだけ入居者がついているかを示す数字で、数字が高いほど空室対策の実績があると考えられます。
一般的には、この入居率が95%を超える管理会社は、客付け力が強いと判断して問題ないでしょう。
ただし、この数字はエリアや物件の特性によっても変わるため、単なる平均値ではなく、自分が依頼したい物件タイプや地域に近い事例の入居率を確認することが大切です。
また、数字を提示してもらう際は「直近1年間の平均」「繁忙期と閑散期の差」「退去から成約までの平均日数」などもあわせて確認すると、より実態に近い判断ができます。
入居率で確認したいポイント
- 入居率が「年間の平均値」なのか、瞬間風速的な数字なのか
- 退去から次の入居までにかかる平均日数はどのくらいか
- エリアや物件種別ごとの入居率を教えてもらえるか
- 繁忙期と閑散期での数字の差がどのくらいあるのか
- 数字の根拠や算出方法を明確に説明してくれるか
こうした数字を具体的に提示できる管理会社は、日頃から「客付け」に力を入れている可能性が高いため、戦略を持った客付けをしてくれる期待が高まります。
客付け方法・退去者が出たときの流れを確認する
管理会社の客付け力は、退去が発生してから成約までのプロセスで大きく差が出ます。そのため、実際にどのような流れで入居者を探しているのかを事前に確認することが重要です。
まずは、ホームページに客付け方法や事例が掲載されているかをチェックしましょう。写真の質や広告文の内容、キャッチコピーの工夫などから、その会社の募集力がある程度見えてきます。
ホームページだけでは分からない場合は、担当者に直接質問します。たとえば以下のような点を聞いてみると、具体的な運用状況が把握できます。
客付け力を見るときの質問例
- 退去が出たら、何日以内に募集を開始するのか
- 広告はどの媒体(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)に出すのか
- 募集広告やキャッチコピー、物件写真は誰が、どのような基準で作っているのか
- 他の仲介会社にも情報を流す場合、どこの会社に依頼することが多いのか
- 募集開始後はどのくらいの頻度で広告を更新しているのか
できれば取扱い物件の実際の広告資料や写真を見せてもらうことで、その会社がどれだけ物件の魅力を引き出しているかを判断できます。写真の明るさや構図、募集広告に魅力があるかどうかは、反響率に直結する重要な要素です。
こうした情報を率直に教えてくれる管理会社は、透明性が高く、オーナーとの信頼関係を大切にしているといえます。逆に、具体的な説明を避ける場合は、客付けに自信がない可能性もあるため注意が必要です。
対応スピードや説明の丁寧さで「動いてくれるか」を判断する
客付け力の高い管理会社は、対応スピードが速く、説明も具体的で分かりやすいという特徴があります。退去後は1日でも早く募集を開始し、内見や申し込みにスムーズにつなげることが空室期間の短縮に直結するため、スピード感は非常に重要です。
初回面談・やり取りの中で、こちらの質問に対して即答できるか、根拠を示しながら説明してくれるかを観察しましょう。たとえば、反響が少ない場合の改善案や、募集戦略の変更時期について具体的に話せる会社は、日常的にデータを分析し、素早く動く体制ができている可能性が高いです。
また、入居率の高さや募集方法の巧みさと同じくらい大切なのが、担当者の熱意とオーナーとの相性です。こちらの意向をしっかり汲み取り、「どうしたら早く入居が決まるか」を一緒に考えてくれる姿勢があるかどうかは、数字や資料では測れません。
やり取りの中で「この人なら任せても安心できそう」と思える感覚も重要な判断材料です。
対応スピードや説明の丁寧さを判断するポイント
- 問い合わせや資料請求への返答はどのくらいの時間で返ってくるか
- 募集開始までの準備スケジュールは明確か
- 反響や内見が少ない場合の打ち手を具体的に示してくれるか
- 専門用語をかみ砕いて説明してくれるか(オーナー目線で理解しやすいか)
- こちらの要望や条件変更にも柔軟に対応できるか
- オーナーの意向を尊重しながらも、プロとして改善案を提案してくれるか
- やり取りの中で熱意や誠実さを感じられるか
「対応が遅い」「説明が抽象的」「質問に対してはぐらかす」などの対応が目立つ管理会社は、客付けはもちろん、管理を任せるのも不安と感じてしまうでしょう。
逆に、初回のやり取りからスピード感と誠実さ、信頼できる人柄を感じられる会社は、長く安心して任せられるパートナーとなるはずです。
客付け力が強い管理会社を選ぶには比較検討が大切
4章でお伝えしたとおり、客付け力の強い管理会社を見極めるためには、入居率や募集方法、担当者の対応力など複数の視点で確認することが欠かせません。
しかし、1社だけの説明や提案を聞いて判断してしまうと、その会社が提示する条件や方法が本当にベストなのか比較する基準が持てません。本当に納得できる会社を選ぶには、3社〜6社程度の管理会社の提案内容を比較検討するのがおすすめです。
なぜならば、管理会社によって提案内容や募集戦略、広告費の配分、管理手数料、反響の取り方は大きく異なるからです。なかには「早く決めたい」という気持ちに乗じて契約を急かす会社もあるため、焦らずに複数社から話を聞き、条件や実績を比較することが重要です。
比較検討の際に見るべきポイント
- 担当している物件の入居率や平均成約日数の差
- 募集方法や広告戦略の違い(写真・キャッチコピー・媒体選定など)
- 管理手数料やAD(広告料)設定の違い
- 担当者の対応スピードや改善提案の質
- 提案内容が具体的で根拠があるかどうか
少なくとも2社〜3社に話を聞いたうえで提案書や見積もりを並べて比較すれば、「費用だけ安くても動きが鈍い会社」や「多少費用はかかっても反響を集める仕組みがしっかりしている会社」が見えてきます。
きちんと比較検討することで、長期的に空室リスクを抑えられる管理会社を選ぶことができるはずです。
客付けに強い管理会社を比較するなら「マンション貸す.com」がおすすめ
4章・5章を通して、客付け力の高い管理会社を選ぶには、事前の「客付け力」のチェックや複数社の比較が欠かせないことをご紹介しました。
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ここからは、「マンション貸す.com」の仕組みや特徴、実際の活用事例をご紹介します。
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査定単価は業界トップクラス(東京23区で1件15,000円前後)。高単価で取引されるのは、成約率が高く、質の高いオーナー案件が集まっている証拠です。管理会社側も「受注の可能性が高い案件」として、本気で条件や空室対策を練り込みます。
利用者からは「比較できて安心した」「希望に合う会社がすぐに見つかった」という声が多数寄せられています。
「マンション貸す.com」を使った導入事例
【事例①】転勤で持ち家を賃貸化東京都在住のAさん(40代・会社員)は3年間の転勤が決まり、空き家維持に不安を感じたところで「マンション貸す.com」を活用しました。空室保証付き管理会社を選んで家賃収入でローンや管理費を相殺することができ、帰任後もスムーズに再入居できました。
【事例②】相続物件を収益化愛知県のBさん(60代・主婦)は相続した築30年戸建ての活用に悩み、「マンション貸す.com」で地域密着型管理会社とマッチしました。最小限のリフォームで月8万円の賃貸化に成功して、相続物件を有効活用できたことに手ごたえを感じています。
【事例③】管理会社変更で満室経営へ神奈川県のCさん(50代・経営者)は管理会社の対応に不満を持ち、「マンション貸す.com」を通じて新しい管理会社に乗り換えました。2カ月後には空室が解消し、満室経営を実現して、非常に満足しています。
持ち家や相続物件、投資用不動産など、さまざまなニーズを持つ不動産オーナーに利用されており、状況に応じて最適な提案を受けることが可能です。
まとめ
本記事では、管理会社による「客付け」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
◆管理会社による「客付け」とは
・管理会社が直接入居者を探してくれること
・本来は客付けは仲介会社が行うことが一般的
◆誰が客付けするかは3つのパターンがある
・仲介会社に客付けを依頼する(一般的な流れ)
・オーナーが自分で客付けをする(完全自主管理)
・管理会社が管理も客付けも両方行う
◆空室を早く埋める管理会社が実践している「客付け」の方法
・物件ごとにターゲットを絞った戦略的な募集活動を行う
・他の仲介会社とも連携して物件情報を早く広げる
・第一印象を左右する魅力的な物件写真を用意する
・魅力的なキャッチコピーで募集広告を作る
・大手ポータルサイトに掲載して上位表示を狙ってくれる
・反響が悪い場合には迅速・的確な改善提案を行う
◆客付け力が強い管理会社を選ぶための方法・見極め方法
・「管理物件の入居率」を確認する
・客付け方法・退去者が出たときの流れを確認する
・対応スピードや説明の丁寧さで「動いてくれるか」を判断する
客付け力が強い管理会社を選ぶには比較検討が大切です。効率的に管理会社の比較・検討をしたいなら、650社以上の管理会社から厳選された最大6社から提案が届く「マンション貸す.com」をぜひご活用ください。
Author information
戸谷 太祐
株式会社エイムプレイス 社外取締役
賃貸経営は思い通りにいかず、不安や迷いが生まれがちです。私はオーナー様が納得して判断できる環境を整えることを使命としています。専門用語を減らし、判断に必要な情報や手順を整理し、入居者募集・原状回復・更新といった運用サイクルを仕組み化。記事発信やマッチングを通じて、初めての方でも安心して比較・検討できる環境を「レントハック」で提供しています。
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